点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

症例紹介

 【10代男性|急性硬膜下血腫・脳幹梗塞】事故から1年、不自由だった腕に回復の兆しが見られました!

患者様の背景

2023年4月、高校のクラブ活動からの帰宅後に頭痛と吐き気があり救急搬送されました。
頭部を打つなどの外傷はなかったようですが、硬膜下血腫が認められたため手術をされました。しかし、脳幹へのダメージによる呼吸困難も出現したことにより気管切開も行うなどの重症でした。
その後、全身状態が安定してから積極的にリハビリに取り組まれ、同年11月に退院となりますが、まだ車椅子での生活で多くのことに介助が必要な状態でした。少しずつでも良くなって、『もう一度学校生活に戻りたい!』との想いから再生医療をされることになりました。

治療前の症状について

硬膜下血腫は右側に、橋梗塞は左側に出現したため、片麻痺が両側に出現している状態でした。
両上肢には運動麻痺と運動失調(動かそうとすると揺れてしまって思うように動かせない症状)がありましたが利き手である右上肢のほうが症状は重い状態でした。

下肢は両側ともに太ももの内側や裏側の筋肉にかなりの力が常に入っている状態で、反対に足首には全く力が入らず、上下に動かすことはできませんでした。

車椅子に座っているときに少しでも前に傾いてしまうと転落してしまうほどお腹・腰・お尻など体の中心に近い部位にある筋肉には力が入りにくく、腰回り・股関節周りがフラフラしていたため車椅子に座っている時は転落防止のために体をベルトで固定する必要がありました。背もたれなしで座るときには、指を座面の端に引っ掛けておかなければ後ろに転倒してしまうような状態でした。車椅子へ乗り移るときには、両下肢で全く支えることができないため多くの介助量を必要としていました。

治療経過

1回目点滴後~2回目点滴前 ※約1か月経過

伸ばすのが難しかった右手指をほぼ伸ばせるようになりました。しかし両下肢の太ももの内側や裏側の筋肉にさらに力が入ってしまうようになり、伸ばせていた膝が自力では伸ばせなくなっていました。

2回目点滴後~3回目点滴前 ※約1か月経過

過剰に力が入りすぎていた両下肢の太ももの内側や裏側の筋肉の力が抜けるようになってきました。そのお陰で以前のように、車椅子に座って右足を少し持ち上げたり膝を伸ばしたりができるようになりました。

また、左上肢の運動失調はかなり改善し、〈物品操作〉の際に左手は揺れなくなりました。右上肢の運動失調も軽減してきており、まだ不十分ながらも〈物品操作〉が行いやすくなっていました。それにより、右手でスプーンやフォークを使って食事ができるようになりました。

【3回目点滴後~フォロー検診時】※約1か月経過

右上肢を柔らかく動かせるようになり、手指は完全に伸ばせるようになりました。また、両膝を伸ばして支えられるようになってきており、車椅子から立ち上がる際には介助は必要なものの膝を伸ばして立っていられるようになりました。

右手は変わらず痛みがあり、補助程度には使えておりますが使用頻度は少ないようでした。

改善ポイント

【身体機能】

  • 上肢の動きは運動麻痺・運動失調ともに軽減しました。特に左上肢はほぼ正常に近い状態にまで改善されました。右上肢には運動麻痺や運動失調は残存していますが、力を抜いて滑らかに動かせるようになってきました。
  • 右手指の動きは薬指を伸ばすことはまだ完全ではありませんが、親指・人差し指はきれいに伸ばせるようになり、右手指で細かな動きができるようになってきました。
  • 脳卒中の機能障害は運動麻痺だけではなく、感覚障害や高次脳機能障害など多岐にわたるため、脳卒中の機能障害を点数化して総合的に評価する脳卒中機能障害評価法(SIAS)という評価法があります。

また、運動麻痺の程度を表したBrunnstrom Recovery Stage test(BRS-t)という評価法もあります。どちらも点数が高いほど機能が良いということになりますが、ご本人さまは以下の経過で良くなられました。

【立位】

  • まだ介助は必要ですが両膝(特に左膝)をしっかり伸ばして支えられるようになり、介助量が格段に軽減しました。

今後のリハビリについて

学業が忙しく、まだ疲労もしやすいとのことで、現在はリハビリ施設に通って積極的にリハビリを行うことは難しいようでした。そのため今後は日常生活の中で右上肢・手指をできる限り使用してもらうことが大切になってくるかと思います。今回の再生医療で右上肢・手指をスムーズに動かせるようになりスプーンやフォークを使って食事ができるようになったことなどを踏まえると、最初は行いづらいかもしれませんが服を着るときに右手でファスナーを上げたり、右手で歯磨きをしたりなど、日常生活の中で意識して右上肢・手指を使うようにしていただくことで今よりも動かしやすくなっていくと思います。

また、トイレに行く際には少しの時間でも手すりに摑まって立つなどを行ってみることも両下肢の支持力を高めていく練習になると思います。

リハビリ担当者のコメント

ご本人は再生医療を行うにあたり『利き手が右手だから右手がもっと動くようになりたい』『学校での生活がちゃんと送れるようになりたい』との希望を仰っておりました。

今回、再生医療とリハビリを行っていただいたことで右上肢・手指の運動性が良くなり、何かモノを操作するときの揺れ(運動失調)も軽減してきました。しかし、左手で字を書いていたり、お箸も右手で使うことができなかったりと、細かなことを行えるようになるにはもう一段階の上肢機能が必要になると思います。今後、意識しながらも力を抜いて右上肢・手指を使用していくことで細かな操作が行える上肢機能を再獲得できるようになっていただけると期待しております。

治療内容

治療期間 2023年12月~2024年5月(初診~フォロー検診)
治療内容 骨髄由来幹細胞点滴3回コース+点滴中同時リハビリ3回
自己骨髄由来サイトカインカクテル点鼻療法(90本)、TMS治療(計3回)

脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、脳卒中や脊髄損傷による神経障害の後遺症治療を専門に再生医療を行っております。
当院では、幹細胞点滴をしながら麻痺などが出ている部位のリハビリを同時に実施する【神経再生医療™×神経再生リハビリ®】という治療方法を提供しており、
狙った神経回路の強化と再構築を目指しております。
幹細胞がお身体に入るタイミングでリハビリをすることがとても重要であり、同時にリハビリを行うことで幹細胞の活性化や
狙った神経回路の伝達を強化すること、血流がアップすることで幹細胞が集まりやすくなることが期待できます。

治療の詳しい内容や効果、改善の症例など何か気になる点がございましたら、まずは再生医療カウンセラーまでお気軽にご相談ください。
ご病気の経緯や現在の症状に対するお悩みなどをヒアリングしながら、治療の詳しいご案内をさせていただきます。

患者様の声

治療をされた多くの患者様のなかから、ご承諾をいただきました患者様のお声をご紹介しています。

脳出血の後遺症の患者様の声 S様

脳出血を発症後「同時リハビリ×神経再生医療™」の治療を受けられた方の再生医療体験談です。

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