幹細胞治療による再生医療×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

自己治癒力を強化する脊髄損傷の後遺症の治療

突如として脊髄損傷に見舞われ、車椅子やベッド依存の生活を余儀なくされているかもしれません。後遺症の影響が一生続くのか、あるいは改善する可能性があるのかという不安や疑問を抱いている方も多いかと思います。
現代医療の進歩にも関わらず、脊髄損傷から回復は困難だと言わざるを得ませんが、治療の可能性がないことを示しているわけではありません。
当院では「同時リハビリ×再生医療™️」の治療に特化しています。これは奇跡的な回復を約束する魔法のようなものではありません。しかし、治療を始めることで、患者様の自己治癒力を高め、潜在的な回復力の可能性を促すことができます。

脊髄損傷のレベル

脊髄の損傷は、さまざまな体の機能を麻痺させる可能性があります。
損傷部位によって運動機能や感覚の低下·消失、内臓の機能低下·消失、痛みやしびれなども起こります。場合によっては、日常的に医療的な自己管理が必要になることもあります。
脊髄損傷はその位置と程度により、影響範囲と程度が大きく異なります。頚髄(首の部分)が損傷すると、四肢が麻痺します。特に、頚椎の少しの位置変動が麻痺の程度に大きく影響し、特に、頚髄の高位部分(通常、C5より上)で損傷がある場合、手指だけでなく、呼吸筋まで麻痺し、人工呼吸器が必要となる場合もあります。
胸·腰髄損傷の場合は、第6胸椎までの高位胸髄損傷では、腹部と背部の筋肉が働かず、体幹の安定が困難になります。その下から第2腰椎までの低位胸·腰髄損傷では症状が大きく異なります。また、これらの損傷では自律神経過反射が明らかに現れ、胸部への影響も出ることがあります。
加えて、同じ損傷位置でも、身体には個人差があるため、麻痺や障害の症状は人によって異なります。また、脊髄神経がどれだけ損傷されたかにより、全く動かない、感じない場合と部分的に動く、感じる場合に分けられます。

脊髄損傷の麻痺部位

脊髄損傷の麻痺部位のイメージ画像

脊髄損傷を回復に導く再生医療とは

脊髄損傷は、脊椎(背骨)内部の輪状の空間が連なって形成する脊柱管の中にある脊髄が傷つく病状を指します。これは、交通事故などによる外的な強い力が原因で起こることが多いです。
また、脊髄腫瘍や椎間板ヘルニアなども、脊髄の炎症や血管の異常が起こると脊髄損傷と同じような症状を引き起こすこともあります。
長らく脊髄損傷は、一度損傷すると元通りにはならないと言われてきました。しかし、近年になり、神経そのものの機能を回復しようとする治療法が、再生医療の分野から急速に広まってきています。
また、人の身体には損傷された神経回路に変わって、新しく神経回路を構築して補うという能力が備わっています。簡単なことではありませんが、神経回路を構築したり機能回復させたりするよう改善に働きかけることは可能です。

脊髄損傷を回復に導く再生医療のイメージ画像

神経再生効果の高い骨髄由来の幹細胞

脊髄損傷の再生医療の中でも、骨髄由来の間葉系幹細胞を用いた手法が最も実績があります。
骨髄間葉系幹細胞は、骨髄の中にある幹細胞のことで、骨髄穿刺(骨に針を刺す)ことで採取することができます。骨髄穿刺(こつずいせんし)は、従来から広く行われている手技であるため、安全な方法が確立されています。
骨髄液中から採取した間葉系幹細胞は、他の部分(脂肪など)から採取された間葉系幹細胞よりも神経再生能力が高い細胞です。また、ご自身の細胞を用いることができるため、拒否反応の心配がありません。
脊髄損傷の再生医療に関しては、札幌医科大学を中心に研究がスタートし、多くの動物実験の成功後、2013年からは人への応用も始まり、その効果が実証されました。これに基づいて、2018年には保険収載下で行われる一般の診療として承認されています。

再生医療担当医 貴宝院 永稔の画像

脊髄損傷の後遺症に期待できる効果

脊髄損傷の後遺症を緩和するには、リハビリテーションが不可欠ですが、人の回復力は年齢と共に衰えます。そこで、助けとなるのが再生医療です。当院の提供する再生医療は、リハビリと同時に行うことにより、患者様の回復力を高めるための基盤作りをいたします。
骨髄由来の幹細胞は患者様ご自身より採取して治療を行います。具体的な治療プロセスは、「採血(感染症検査)→骨髄液の採取→幹細胞の培養→幹細胞の投与」となります。
培養した骨髄由来の幹細胞は、点滴により患者様の体内に戻され、脊髄損傷により損なわれた神経や血管を再生に働きかけ、症状改善を目指します。

脊髄損傷の後遺症に期待できる効果のイメージ画像

脊髄損傷の再生医療

脊髄損傷の再生医療は、神経機能の再生とそれに伴い各種症状の改善が期待されています。
具体的には、運動能力の面では筋力、動作、歩行の改善が、感覚面では触覚の回復やしびれの軽減が見込まれます。自律神経の調整に関しては、排便や排尿の状況の改善、性機能の回復、血圧コントロールの向上などが期待されています。
さらに「痛み」という、日常生活や精神状態に大きな影響を及ぼす要素についても改善効果が見られるとされており、これには特に注目が集まっています。
札幌医科大学では、痛みが激しい脊髄損傷患者12名への治療が行われ、骨髄由来間葉系幹細胞移植後12週で痛みが半分以下に減少したという報告があります。この結果に基づいて、さらなる効果解析が進められており、痛みという難治性症状の治療に向けた新たな進展が期待されています。

骨髄由来幹細胞点滴

当院で行っている骨髄由来の間葉系幹細胞を用いた治療は、再生医療です。
再生医療は「自分自身を治そうとする力(自己治癒力)」を最大限に引き出す方法です。
加えて、神経再生リハビリ®を同時に行うことで、相乗効果を期待することができます。
幹細胞は骨や血管、筋肉などに分化するだけでなく、神経細胞や臓器などの細胞にも分化するとされています。当院では、特に神経に分化能力の高い、骨髄由来幹細胞を使用します。

骨髄由来幹細胞点滴のイメージ画像
上清液サイトカインカクテル(点鼻)のイメージ画像

上清液サイトカインカクテル(点鼻)

幹細胞を培養する過程で生成される培養上清液には、幹細胞から放出される様々なサイトカイン(神経保護因子、成長因子、血管新生因子など)がたくさん含まれています。この培養上清液は一般的な成人の方に比べて数十倍から数百倍ものサイトカインを含んでいることが確認されています。
このサイトカインが豊富に含まれている液を「サイトカインカクテル」と呼んでいます。
当院では、このサイトカインカクテルの中でも、臍帯由来の上清液を使用しています。
その理由は、臍帯由来の上清液が、乳歯や脂肪などから取得した上清液と比べて、神経や血管の再生·修復に役立つサイトカインの量が非常に多いためです。

脊髄損傷の後遺症の治療のイメージ画像

神経再生リハビリ®効果が高まるメカニズム

当院独自の「同時リハビリ×再生医療™」で使用される、自己骨髄由来の幹細胞点滴を開始すると、血液中の幹細胞の濃度が急速に高まります。
この点滴中の血液中の幹細胞濃度が高まっている状態を利用して、集中的にリハビリを行うと神経損傷部への幹細胞の集積を促進します。
リハビリは施術者が動かすだけではなく、患者様自身が意識的に訓練すべき神経回路や動作を反復して行うことが重要です。これにより、必要な神経回路の再構築と動作能力の獲得を目指します。
加えて、サイトカインカクテル(点鼻)を用いることで、さらに、機能回復を促進します。サイトカインカクテルは幹細胞を培養した際の上澄み液(上清液)です。これはご自身の細胞を採取する必要がありません。
これらの同時リハビリ×再生医療™によって、神経再生リハビリ®効果を高めることが期待されます。


脊髄損傷の「同時リハビリ×再生医療™」治療プラン

当院は、再生医療の効果を最大限に活かすため、リハビリテーションに重きを置いています。
幹細胞やサイトカインを体内に投与すると、私たちは人体の自己修復力が強化されると考えています。だからこそ、同時にリハビリテーションを積極的に行うのです。事実、リハビリテーションを行うことで、損傷した部分の周囲の血流が約30%も増加することが分かっています。
当院のリハビリテーションは神経障害に特化しており、電気刺激やロボット技術など、最新の技術を駆使しています。さらに、患者様が自宅でも訓練を続けられるように、セラピスト(作業療法士や理学療法士など)が、患者様一人ひとりに合わせた個別のリハビリテーションメニューを提供します。

お問い合わせ~治療開始の流れ

お問い合わせから治療開始まで、約2ヶ月の期間がかかります。

問合わせカウンセ
リング
診察感染症
検査
骨髄
採取
幹細胞
培養
安全性
検査

治療開始~フォローアップ検診の流れ

治療開始から検診まで、約3ヶ月の期間がかかります。

事前評価1回目
点滴
中間評価2回目
点滴
中間評価3回目
点滴
検診

脊髄損傷の再生医療に関わるリスクと副作用

副作用当院で行う骨髄穿刺、幹細胞の点滴投与は安全性が高い方法ですが、次のようなリスク、副作用の可能性があります。
当院ではリスク低減のため最大限の努力をしており、現在のところ重篤な副作用が発生した事例はありません。
ただし診察や検査の結果、治療に伴うリスクが高いと判断される場合には、治療をお受けする事ができないことがありますので、あらかじめご了承ください。
骨髄穿刺(骨髄液採取)・局所麻酔に対するアレルギー
・穿刺部の出血、皮下血腫
・穿刺部の不快感
・穿刺部からの感染症
幹細胞点滴投与・アレルギー
・肺血栓塞栓症
・点滴刺入部からの感染症
・点滴刺入部の発赤

料金について

当院では、すべての治療が自由診療として提供されています。
それぞれの治療に対する具体的な料金情報は、当院の料金ページすべて掲示しています。
治療を希望する方は、初診(カウンセリング)を受けていただいた後、同意するための書類を提出していただきます。
この時点で治療費用が確定し、その後、感染症検査を受けていただきまして、次の訪問時に骨髄の採取(骨髄穿刺)が行われます。治療費用については、骨髄穿刺を受ける当日までにお支払いいただきます。


診察料金

内容回数治療費
専門カウンセラーによるカウンセリング1回無料
医師による診察(オンライン可)カウンセリング料1回(約1時間)¥11,000(税込)
血液検査(感染症検査)1回のみ¥11,000(税込)

骨髄由来の幹細胞点滴

内容 回数 治療費
骨髄穿刺(骨髄採取) 1回 費用に含まれます
幹細胞の培養 専門施設での幹細胞培養
骨髄幹細胞投与(点滴) プランにより1回または3回
検診 6ヶ月後
安全性検査 1. 細胞数のチェック
2. 細胞形態のチェック
3. 細胞生存率のチェック
4. 無菌試験 エンドトキシン試験
5. マイコプラズマ否定試験
処方薬 適宜
幹細胞点滴 1回 1,650,000円(税込)
2回 2,750,000円(税込)
3回 3,850,000円(税込)
※名古屋院のみ幹細胞点滴の価格 各回とも上記価格にプラス +550,000(税込)
臍帯由来 幹細胞上清液療法 オプション 1本(1cc) 22,000円(税込)

臍帯由来 幹細胞上清液

内容 回数 治療費
点鼻投与療法(臍帯血由来) 2週間コース:14本/1本あたり1cc 246,400(税込)
1ヶ月コース:30本/1本あたり1cc 462,000円(税込)
3ヶ月コース:90本/1本あたり1cc 1,188,000(税込)

お支払い方法(国内在住の日本人の方)

現金支払いの場合

治療費用は、骨髄穿刺の当日までに当院の受付にて現金でお支払いください。
その際に領収書を発行いたします。

振込支払いの場合

骨髄穿刺の当日までに、お知らせした指定の口座にお支払いください。
ご入金確認後、領収書を発行いたします。
(振込手数料は患者様ご負担となります)。


Q&A

なぜ骨髄由来の間葉系幹細胞を使うのですか?

骨髄由来間葉系幹細胞は脊髄損傷において、神経再生医療への臨床効果の報告が一番豊富であり、神経再生能も高い幹細胞だからです。
・研究の歴史が古く、神経再生医療への人における臨床効果の研究報告の実績が多い
・神経再生能力が高い
・神経細胞へ分化する

損傷した神経は回復することはありますか?

中枢神経が損傷した場合、重度で再生能力も限られているため、完全な回復は困難とされています。しかしながら、再生医療の進歩により、幹細胞を用いた治療法など新たな治療手段が開発されています。その結果、中枢神経損傷の治療に対する見通しはより明るいものとなっています。

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