幹細胞治療による再生医療×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

人間の“再生する力”を活用する医療

再生医療とは、人間が本来持つ「再生する力」を活用し、病気やケガによって失われた身体の機能を再生することを目指す革新的な医療の一つです。
具体的には、自分自身の身体から取り出した細胞である幹細胞を増やし、身体に戻す方法が一例となります。
再生医療は、単なる症状の緩和ではなく、問題の根源そのものを治す可能性を秘めた治療方法として、高い評価を受けています。
トカゲのしっぽは切れてもまた再生します。私たち人間もトカゲほど、失った部位を再生する能力を持っているわけではありませんが、再生医療によって「再生する力」を最大限に引き出せる可能性はあります。
再生医療とは、そのような人間の可能性を追求し、新たな治療法を開発するための分野と言えます。

再生医療に不可欠な幹細胞や体細胞

私たちの身体は、約60兆の驚異的な数の細胞から構成されており、この全てはたった1つの受精卵から始まります。
受精卵は細胞分裂を経て、多様な細胞に成長します。この成長と進化の過程で、脳や骨、臓器、皮膚などの各種組織や器官が形成されます。こうした、細胞の組織や器官への変化を「分化」と言います。
しかし、細胞には寿命があり、多くの細胞は分化した後には、時間とともに死滅します。
例えば、皮膚の垢は、死滅した皮膚細胞が剥落したものです。死滅しても皮膚の恒常性が保たれているのは、組織内に存在する未分化細胞が新たな細胞を補給しているからです。
これら、分化して特定の組織や器官になった細胞を「体細胞」と言って、まだ分化する前の各種の組織や器官になる得る細胞を「幹細胞」と言います。

幹細胞の分化の例

幹細胞の分化の例の画像

注目の幹細胞

再生医療において重要な役割を果たす幹細胞には、主に3つの種類があり「体性幹細胞」「ES細胞」「iPS細胞」と言います。体性幹細胞は、私たちの身体内に存在しており、ES細胞は受精卵から培養されて生成されます。iPS細胞は人工的に作り出されます。
この3種類の幹細胞の中でも「体性幹細胞」が最も医療への適用が進んでいます。なぜなら、既に私たちの体内に存在する細胞を用いることから、治療への適用が比較的容易だからです。
体性幹細胞の中にもいくつか種類があり、その中でも間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)は非常に注目されています。間葉系幹細胞は神経や軟骨、脂肪など、様々な組織や臓器へと分化する能力を持っています。
そして、1970年代に発見された骨髄中に存在する間葉系幹細胞は、脊椎損傷や脳梗塞、肝機能障害など、治療が難しい疾患への治療に期待が寄せられています。そのため、これまでに骨髄から取得された間葉系幹細胞を用いた治療方法の開発に向けて、数多くの臨床研究が実施されてきました。

間葉系幹細胞

間葉系幹細胞のイメージ画像

幹細胞の培養施設について

骨髄由来の間葉系幹細胞を活用した治療には、培養が欠かせません。一般的な培養では、患者様から細胞を採取し、これを専用施設で培養、幹細胞を増殖させ、その後患者様に再投与するという流れが取られます。
2014年に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」により、国民が安全かつ迅速に再生医療を受けられるようにする目的で、細胞培養や加工が医療機関から企業に委託できるようになり、民間企業がこの分野に参入可能となりました。ただし、許可が必要でそのために厳格な基準を満たさなければなりません。
細胞を加工するためには、医薬品製造業における製造管理および品質管理の基準に従った、CPCという細胞培養加工施設が必要です。例えば、クリーンルームは、空気の流れを防ぎ、交差汚染や混入を防ぐための厳格な設計がなされます。また、重要な作業は、部屋の圧力、温度、湿度がコントロールされた特定の無菌室で行われます。
さらに、幹細胞を培養する際には、単に細胞の増加を図るだけではなく、体内に注入した後に患者様の身体の中で円滑に活動するような細胞を選定することも極めて重要な要素です。

幹細胞の培養施設についてのイメージ画像

幹細胞培養上清液とは

幹細胞が培養されると、幹細胞培養液が生成されます。その培養液から幹細胞を除去し、減菌処理等を行い、成長因子などの重要な成分だけを抽出した、純度の高い液体が「幹細胞培養上清液(かんさいぼうばいようじょうせいえき)」です。
言い方を変えると幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養した後で得られる成長因子などが豊富な「上澄み液」のことです。
この上澄み液には、幹細胞が増殖する過程で、サイトカインというタンパク質が放出されます。このタンパク質には抗炎症作用、細胞修復促進作用、細胞成長作用などの多様な因子が含まれています。再生医療の分野では、幹細胞培養上清液も多くの効果が期待されています。

幹細胞培養上清液のイメージ画像

幹細胞培養上清液の種類

幹細胞培養上清液は、細胞の取得源によっていくつかの種類があります。主に歯髄、骨髄、脂肪、そして臍帯血からの4つが中心となっています。
幹細胞治療(幹細胞点滴等)と幹細胞培養上清液との違いは、そこに幹細胞自体が含まれているかどうかです。

幹細胞治療は、自分自身の培養された幹細胞を直接投与する治療法です。一方、幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養した結果生じた上澄み液を投与する治療法であり、幹細胞自体は含まれていません。
また、幹細胞治療は、患者様ご自身の幹細胞を使用する必要があるのに対し、幹細胞培養上清液は、自分以外の他家幹細胞(ヒト由来)を培養した際の上清液も使用できます。

幹細胞と同じく、幹細胞培養上清液も厳格に監視された培養施設で生産されます。ウイルス検査など、安全性に対するチェックも徹底的に行われ、製品の信頼性は確保されています。

幹細胞培養上清液は自己か他者か

他家(他者)由来の幹細胞培養上清液を使用する場合、細胞の採取プロセスが必要ありません。さらに、培養の時間を待つ必要がなく、そのため治療を迅速に開始することが可能です。

使用の利点にも自己由来か他家由来かで大きな差はありません。なぜなら、培養上清液に含まれる成分は、自分と他者を識別する物質はほとんど含まれていないからです。

幹細胞培養上清液は自己か他者かのイメージ画像
幹細胞培養上清液は自己か他者かのイメージ画像

神経再生リハビリ®のメカニズム

当院が提供する独自の「同時リハビリ×再生医療™」においては、自己骨髄由来の幹細胞点滴を使用します。
点滴を開始すると、血液中の幹細胞濃度が上昇します。この血液中における幹細胞濃度の高まりを活用し、集中的なリハビリを実施することで、神経損傷部位への幹細胞の集約を促進します。リハビリテーションと損傷部周囲の血流が約30%も増加することが分かっています。​
さらに、臍帯血由来の幹細胞培養上清液(サイトカインカクテル:点鼻)を利用することで、機能回復をさらに高める効果が期待できます。


料金について

当院では、すべての治療が自由診療として提供されています。
それぞれの治療に対する具体的な料金情報は、当院の料金ページですべて掲示しています。
治療を希望する方は、初診(カウンセリング)を受けていただいた後、同意するための書類を提出していただきます。
この時点で治療費用が確定し、その後、感染症検査を受けていただきまして、次の訪問時に骨髄の採取(骨髄穿刺)が行われます。治療費用については、骨髄穿刺を受ける予定日までにお支払いいただきます。

診察料金

内容回数治療費
専門カウンセラーによるカウンセリング1回無料
医師による診察(オンライン可)カウンセリング1回(約1時間)¥11,000(税込)
血液検査(感染症検査)1回のみ¥11,000(税込)

骨髄由来の幹細胞点滴

内容 回数 治療費
骨髄穿刺(骨髄採取) 1回 費用に含まれます
幹細胞の培養 専門施設での幹細胞培養
骨髄幹細胞投与(点滴) プランにより1回または3回
検診 6ヶ月後
安全性検査 1. 細胞数のチェック
2. 細胞形態のチェック
3. 細胞生存率のチェック
4. 無菌試験 エンドトキシン試験
5. マイコプラズマ否定試験
処方薬 適宜
幹細胞点滴 1回 1,650,000円(税込)
2回 2,750,000円(税込)
3回 3,850,000円(税込)
※名古屋院のみ幹細胞点滴の価格 各回とも上記価格にプラス +550,000(税込)
臍帯由来 幹細胞上清液療法 オプション 1本(1cc) 22,000円(税込)

臍帯由来 幹細胞上清液

内容 回数 治療費
点鼻投与療法(臍帯血由来) 2週間コース:14本/1本あたり1cc 246,400(税込)
1ヶ月コース:30本/1本あたり1cc 462,000円(税込)
3ヶ月コース:90本/1本あたり1cc 1,188,000(税込)

お支払い方法(国内在住の日本人の方)

現金支払い

治療費用は、骨髄穿刺の当日までに当院の受付にて現金でお支払いください。
その際に領収書を発行いたします。

振込支払い

骨髄穿刺の当日までに、お知らせした指定の口座にお支払いください。
ご入金確認後、領収書を発行いたします。
(振込手数料は患者様ご負担となります)。


Q&A

点鼻は自分で行うのですか?

点鼻はご自身で行うことが可能です。当院での「同時リハビリ×再生医療™」時の点鼻は医師が行います。

幹細胞点滴や幹細胞培養上清液に副作用はありますか?

当院で発生した重篤な副作用などはありませんが、起こり得るリスクとしては、骨髄採取時の局部麻酔によるアレルギーやショック症状、穿刺時の皮下出血や感染症、点滴による肺血栓塞栓症などがリスクとして考えられます。また、治療法が新しいので長期の経過はまだ不明な点もございます。

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