幹細胞治療による再生医療×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脳梗塞の後遺症や脊髄損傷の後遺症の治療に用いる
神経再生リハビリ®の可能性

神経再生リハビリ®は、脳卒中や脊髄損傷の後遺症改善への可能性を高める新しい治療法です。
症状の軽減と機能回復には、繰り返しのリハビリテーションが欠かせません。特に重度の麻痺の場合、筋肉の硬直化(拘縮)を防ぐためにもリハビリの役割は非常に重要です。
当治療法のポイントは再生医療である「骨髄由来間葉系幹細胞」の活用と同時に行うリハビリにあります。
骨髄由来の幹細胞は神経細胞への分化能力が高く、神経損傷部へ効果的に集まるようにリハビリを行っていくことで脳卒中や脊髄損傷の後遺症改善の可能性を高めていきます。
この治療において、国内トップレベルの実績を誇る当院では、450件以上の症例を蓄積しています(2018年11月~2023年5月時点)。神経再生リハビリ®を通じて、後遺症に悩む患者様のお役に立てるよう提供してまいります。

リハビリテーションの3つの段階

リハビリの目指すものは、発症による患者様の後遺症のリスクを軽減し、元の生活に戻して行くことです。
リハビリに関わる専門家は、医師や看護師だけではありません。理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)など、各種スペシャリストがそれぞれの役割を果たし、患者様の回復に尽力します。
リハビリの進行は、患者様の回復過程によって3つの段階に分けられます。まず発症直後の「急性期」、その次に「回復期」、そして退院後の「維持期」です。これら各段階において、最適なリハビリが提供され、健康回復と生活復帰をサポートされます。

急性期回復期維持期

脳梗塞と脊髄損傷に対する「急性期」の一般的なリハビリ

脳梗塞と脊髄損傷に対する急性期のリハビリは、患者様の状況によって異なりますが、一般的なアプローチについて説明します。

脳梗塞の急性期のリハビリ

脳梗塞の受傷直後は、血流を迅速に再確立して、脳への酸素と栄養供給を回復することです。
その後リハビリは、基本的には発症から48時間以内に開始することが望ましいとされ、身体機能の低下防止を目的としています。

脊髄損傷の急性期のリハビリ

受傷直後は、まず全身状態を安定させ、損傷を最小限に抑えることが重要になります。薬や手術で脊髄の圧迫を緩和する治療をすることもあります。
リハビリは、体位変換や呼吸の訓練、関節が固まらないように関節可動域訓練などを行います。

急性期回復期維持期

神経再生リハビリ®は、回復期から

回復期は急性期から維持期の間に位置し、身体機能の復元や日常生活動作の改善に最も効果が期待できる段階です。この期間に集中的なリハビリを受けることで、回復過程に大きな影響を及ぼします。そのため、適切な訓練計画と支援環境の整備が重要な要素となります。

脊髄損傷では、全身状態が安定すればより積極的なリハビリテーション治療に移ります。比較的早期に将来の後遺症が決まる場合が多いため、より具体的なリハビリの実践していく必要があります。

脳梗塞の回復期は、日常生活を送る上で必要となる機能を高めるための訓練が行われます。
脳梗塞·脊髄損傷クリニックでも、この回復期から神経再生リハビリの実施を推奨しています。

急性期回復期維持期

神経再生リハビリ®で自己治癒力を強化·改善を目指す

神経再生リハビリ®は、再生医療を併用した特化型のリハビリで、損傷した神経細胞の再生能力(自己治癒力)を強化することを目指しています。
過去には、一度損傷した脳や脊髄などの中枢神経系が再生することはないと広く考えられていました。その理由は、中枢神経系が自己修復の能力に欠けるという観察に基づいていました。しかし、近年の医学の進歩により、損傷した脳や脊髄でも再生が可能であることが確認されてきました。

当院では、専門医や専門スタッフが、患者様の回復力を最大限に活用するためのプログラムを設計します。神経再生リハビリ®通じて、患者様のリカバーパートナーとして伴走してまいります。

促通反復療法(川平法)

「川平法」とは、麻痺した四肢の随意運動を反復的に行うことで、必要な神経経路の再構築と強化を促進する一連の治療法です。これは鹿児島大学名誉教授の医師、川平和美氏によって開発された方法です。

促通反復療法(川平法)のイメージ画像

川平法の特長は、施術者が手を使って患者様の四肢を操作する一方で、患者様ご自身も自発的に動かす努力をしながら、1セットにつき約100回の運動を行います。この手技を複数組み合わせることで、神経回路の強化をしていきます。

r-TMS(経頭蓋的磁気刺激機器)のイメージ画像

r-TMS(経頭蓋的磁気刺激機器)

頭皮から磁気を当てて、動作のための脳からの電気信号の伝達をスムーズにするための治療法です。
損傷部位の血流を促進し、その機能を活性化する役割を果たします。リハビリ前のプレコンディショニング(前処理)として行います。

r-TMSの施術はリハビリテーションと組み合わせることで、機能の改善が更に促進されることが期待できます。施術自体は頭部に装置を設置するのみで、痛みはありません。
r-TMSの神経再生リハビリ®が最も有効と考えられるのは、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)が原因となる麻痺です。

電気刺激(EMS)+反復運動

微弱な電気刺激を用いて筋肉の収縮を支援し、手足の動かす範囲を拡大し、運動の再学習を促進するリハビリテーション手法です。
脳からの電気信号で手を動かすためには一定の域値があり、通常それを超える必要があります。

電気刺激(EMS)+反復運動のイメージ画像

しかし手足に電気刺激を与えると域値を下げる効果があり、脳から送られる電気信号が弱くても手足を動かせるようになります。これにより、運動の再学習をしていきます。

ロボティクスのイメージ画像

ロボティクス

脳から伝わる電気信号を感知して運動を補助するパワーアシスト装具(ロボット)を用いたリハビリテーション手法です。膝、肘、足首など、特定の部位に焦点を当てたロボットを使用します。

脳への電気信号が微弱であっても、身体が麻痺していても、この装具を使用することで手足の動きを可能にし。この動作の繰り返しにより、脳と神経系の運動学習が刺激されます。
このリハビリでは、ロボットのアシスト度合いを徐々に減少させ、患者様ご自身の発する電気信号の強度を増大させることを目指します。

神経再生リハビリ®で自己治癒力を強化·改善を目指すのイメージ画像

神経再生リハビリ®効果が高まるメカニズム

当院独自の「同時リハビリ×再生医療™」で使用される、自己骨髄由来の幹細胞点滴を開始すると、血液中の幹細胞の濃度が急速に高まります。
この点滴中の血液中の幹細胞濃度が高まっている状態を利用して、集中的にリハビリを行うと神経損傷部への幹細胞の集積を促進します。
リハビリは施術者が動かすだけではなく、患者自身が意識的に訓練すべき神経回路や動作を反復して行うことが重要です。これにより、必要な神経回路の再構築と動作能力の獲得を目指します。
加えて、サイトカインカクテル(点鼻)を用いることで、さらに、機能回復を促進します。サイトカインカクテルは幹細胞を培養した際の上澄み液(上清液)です。これはご自身の細胞を採取する必要がありません。
これらの同時リハビリ×再生医療™によって、神経再生リハビリ®効果を高めることが期待されます。


「同時リハビリ×再生医療™」治療プラン

当クリニック独自の「同時リハビリ×再生医療™」の特長の一つは、磁気刺激装置、電気刺激装置、ロボットなどテクノロジーを活用したリハビリを行うことです。
これらのデバイスによる脳や神経への刺激は、損傷部位の血流を増加させ、修復を助ける一方で、運動神経と感覚神経の神経回路を効率的に鍛えます。また、リハビリの過程では、定期的に身体機能の評価をすることも大切です。スタート時点からどれだけ改善しているか、記録して推移を確認しています。

「同時リハビリ×再生医療™」治療プランの流れ

「同時リハビリ×再生医療™」治療プランの流れのイメージ画像
「同時リハビリ×再生医療™」治療プランの流れのイメージ画像

Q&A

神経は再生することは可能ですか?

再生能力は限られていますが、神経は再生することができます。
特に末梢神経はその再生能力が認められています。中枢神経(脳や脊髄)の再生能力は比較的に限られていますが、中枢神経系の再生を促進する方法として「再生医療」が注目されています。

損傷した神経は回復することはありますか?

中枢神経が損傷した場合、重度で再生能力も限られているため、完全な回復は困難とされています。しかしながら、再生医療の進歩により、幹細胞を用いた治療法など新たな治療手段が開発されています。その結果、中枢神経損傷の治療に対する見通しはより明るいものとなってきています。

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