点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

リハビリ

 脳出血になって考える後遺症への対策

<この記事を読んでわかること>
脳出血後の後遺症が理解できる。
脳出血後の後遺症に対する具体的な対策や予防策がわかる。
運動麻痺や言語障害といった後遺症の改善見込み、回復期間中のリハビリテーションの重要性、および脳出血そのものを予防する日常生活での健康習慣がわかる。

脳出血後に遭遇する運動麻痺や言語障害は、患者さんとその家族にとって重要な問題となります。
この記事では、脳出血後の回復に焦点を当て、運動麻痺と言語障害のリハビリテーション方法について詳述しています。
物理療法、作業療法、言語療法を通じて患者の自立を促し、神経可塑性の原理に基づいた再訓練で脳の再構築を目指しましょう。

脳出血後の回復期の運動麻痺と言語障害の改善方法

脳出血後の回復期の運動麻痺と言語障害の改善方法
脳出血後に遭遇する運動麻痺や言語障害は、患者さんとその家族にとって大きな試練となります。
これらの障害への効果的なアプローチには、包括的なリハビリテーションプログラムが必要であり、その中核を成すのは運動機能と言語能力の回復を目指す療法です。

運動麻痺のリハビリテーション

運動麻痺に対するリハビリテーションは、主に物理療法作業療法が含まれます。
物理療法では、筋力を増強し、関節の柔軟性とバランスを改善することを目指します。
一方、作業療法は、日常生活動作(ADL)の向上を目的とし、食事、着替え、トイレの使用といった基本的な生活スキルの再獲得に焦点を当てます。
これらの療法は、患者の機能的自立性を高め、脳神経の再構築を促進するために重要です。

言語障害のリハビリテーション

言語障害には、話す、理解する、読む、書く能力が含まれます。
言語療法はこれらの能力の回復を支援するために設計されています。
言語療法士は、患者の具体的な障害に応じた個別の治療計画を立て、コミュニケーション能力の向上を図ります。
このプロセスでは、言語だけでなく、非言語的なコミュニケーション手段も利用されることがあります。
こうしたリハビリテーションは、自宅やリハビリテーションセンターで行われます。
専門的なリハビリテーションセンターでは、多職種の専門家がチームを組み、患者一人ひとりの状態に応じたカスタマイズされたリハビリテーションプログラムを提供します。
これには、最新のリハビリテーション機器や技術も活用され、より効果的な回復が期待できます。
病院での積極的な治療期間が終わった後も、家庭でリハビリテーションを続けることが重要です。
患者や家族が自宅で行える練習には、日常的な活動を取り入れたエクササイズ、言語練習アプリの利用、または家庭用リハビリテーション機器を使用したトレーニングが含まれます。
これらは、専門家による定期的なフォローアップと組み合わせることで、より効果を高めることができます。

健康な生活習慣で脳出血を予防する方法

健康な生活習慣を取り入れることは、脳出血のリスクを低減させる効果的な方法です。
以下に、主要なリスク要因の管理と日常習慣の改善についての具体的なアプローチを示します。

高血圧、糖尿病、肥満の管理

高血圧の管理:定期的な血圧チェックをしましょう。
塩分摂取の制限とカリウムを多く含む食品(果物、野菜など)の摂取を増やしましょう。
また、ストレス管理技術(瞑想、深呼吸、ヨガ)を習慣化することが大切です。
糖尿病の管理:炭水化物をとりすぎないようにし、全粒穀物や高繊維食品を積極的にとるようにします。
肥満の管理:カロリー摂取を意識し、バランスの取れた食事を心がけましょう。また、定期的な体重測定と身体活動を増やすことで体重管理を行います。

健康的な生活習慣

健康的な食事:果物、野菜、全粒穀物、低脂肪のタンパク質源(魚、豆、鶏肉)を多く含む食事をとりましょう。
飽和脂肪や砂糖の多い食品は避けます。
定期的な運動:週に少なくとも150分の中強度の有酸素運動(速歩、サイクリング、水泳)をしましょう。
筋力トレーニングを週に2回以上行うことで筋肉の保持と代謝の向上を図ることが可能です。
適切な睡眠:毎晩7〜9時間の質の高い睡眠を確保しましょう。
睡眠の質を向上させるためには、寝る前のスマートフォンなどの画面を観る、スクリーンタイムを減らし、就寝前にリラクゼーション活動を行うことも効果的です。

脳神経の再構築を促すリハビリテーションの役割とは

脳神経の再構築を促すリハビリテーションは、神経可塑性(しんけいかそせい)の原理に基づいています。
この神経可塑性によって、脳神経の再構築が促され、脳損傷後の患者の回復に非常に重要な役割を果たすのです。
神経可塑性とは、脳が経験に基づいてその構造と機能を変化させる能力を指します。
脳出血や脳卒中後に損傷を受けた脳組織の周辺部が、損傷した機能を補う形で再編成されることが可能です。
リハビリテーションでは、この再編成を促進するために以下のような手法が用いられます。

反復訓練

同じ動作やタスクを繰り返し行うことで、脳の回路を再構築し、機能の回復を促進します。

具体的なスキルやタスクのトレーニング

日常生活で使用する具体的なスキルやタスクを練習することで、実践的な能力の改善を目指します。

制約誘発療法

影響を受けていない側の手や脚の使用を制限し、損傷した側を積極的に使うことで、その部分の機能回復を促します。

まとめ

今回の記事では、脳出血後の運動麻痺や言語障害へのリハビリテーション、健康な生活習慣による脳出血予防、および脳神経の再構築を促すリハビリテーションの重要性について解説しました。
脳神経の再構築は、脳出血の後遺症の改善にもとても大切なことです。
ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、脳脊髄損傷部の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリをおこなうことで神経障害の軽減を目指します。
神経再生リハビリ®は、再生医療に合わせて磁気刺激や電気刺激などで神経回路を興奮しやすくした上での反復訓練(川平法®)などをおこなうことで、狙った神経回路の再構築を目指すリハビリとなっています。
これにより、リハビリの効果を最大限に高めることができるでしょう。脳出血の後遺症に対する再生医療に興味のある方は、ぜひ当院までご相談くださいね。

Q&A

脳出血の後遺症は治るのか?
脳出血の後遺症が完全に治るかどうかは、個々のケースによります。
出血の場所、広さ、治療の早さや質、患者の年齢や健康状態などが影響します。
リハビリテーションを通じて多くの人が機能を回復しますが、全ての機能が完全に元通りになるとは限りません。
早期のリハビリテーションが重要であり、個々の状況に応じた適切な治療とケアが必要です。

脳出血はどこまで回復しますか?
脳出血からの回復は個人差が大きく、一概にどこまで回復するかはわかりません。
出血の程度、脳の損傷の部位、治療の速さ、リハビリテーションの内容と期間、患者の健康状態や意欲などが回復に影響します。
一般的には、早期のリハビリテーションが効果的であり、数ヶ月から数年にわたり段階的に機能が回復することがあります。
ただし、完全な回復が難しい場合もあり、継続的なサポートが必要となることもあります。
<参照元>
脳卒中片麻痺患者への麻痺回復と運動再学習を促進するリハビリテーションー促通反復療法とコンピュータ化訓練機器の開発についてー.バイオメカニズム学会誌.2007;31(4):201-205.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/31/4/31_4_201/_pdf
脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
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