点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

再生医療

 脳梗塞後の様々な障害にどう対応できるか

<この記事を読んでわかること>
脳梗塞の後遺症の一つである失語症の種類がわかる。
脳梗塞の後遺症に対して、急性期、回復期、生活期という異なる時期にどのようなリハビリテーションが行われるべきかがわかる。
歩行練習、体力強化練習、基本動作練習、日常生活動作練習などの具体的なリハビリテーションプログラムの内容や方法がわかる。

失語症は言語機能が損なわれてしまう状態です。
失語症に対する治療としては、個別言語療法、集団療法、デジタルツールを使用した療法があります。
今回の記事では、脳梗塞後の失語症のタイプと症状、治療法を紹介しています。
また、その他の脳梗塞の後遺症である記憶障害などについても解説しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

言葉が途切れがちな脳梗塞後の失語症について

言葉が途切れがちな脳梗塞後の失語症について
脳梗塞後に発生する失語症は、脳の特定の部位が損傷を受けることで起こります。
失語症は、言語の理解や発話、読み書きの能力が障害される病態のことで、いくつかのタイプがあります。

ブローカ失語症

言葉を話すことは理解できるが、話すことや書くことが困難となる。

ウェルニッケ失語症

言葉を流暢に話すことはできるが、言っていることの意味が不明瞭になる。

そして、失語症の治療には、主に言語療法が用いられます。

個別言語療法

専門の言語聴覚士が、一対一で患者の言語能力向上を目指す。

集団療法

小グループでの活動を通じて、患者同士のコミュニケーション能力を高める。

コンピュータを使った療法

デジタルツールを使用して言語スキルを練習し、刺激を提供する。

これらの療法は、言語能力だけでなく、患者の自信や社会参加の向上にも寄与します。

また、失語症の人や、その周りの人たちにとって有効となる日常生活での工夫をご紹介しましょう。
失語症を持つ人の日常生活におけるコミュニケーションは、工夫を凝らすことで大きく改善されることがあります。
以下はいくつかの実用的なヒントとなります。

コミュニケーションのためのヒントカードの使用

意思表示が難しい時に役立つキーワードや画像を含むカードを使用する。

非言語的コミュニケーションの活用

身振り手振りや表情を使って意思疎通を図る。

忍耐強く時に辛抱する

会話に時間がかかることを理解し、患者に対して忍耐強く接する。

これらのアプローチは、患者が自己表現を行いやすくなるよう支援し、家庭内でのコミュニケーションの質を高めることができます。

脳梗塞の記憶障害で記憶の糸を手繰り寄せれるか

脳梗塞は脳の血流が急に遮断されることで発生し、これが脳組織の損傷を引き起こすことがあります。
この損傷は、特に記憶を司る部位に影響を及ぼす場合、短期記憶や長期記憶の障害を引き起こす可能性があります。
具体的には、新しい情報の学習が困難になったり、以前に学習した情報を思い出すことに問題が生じたりすることがあります。
記憶障害は、患者の日常生活に大きな影響を及ぼし、自立した生活を困難にすることがあります。
記憶障害のある脳梗塞患者にとって、認知リハビリテーションは非常に有効な治療方法の一つです。
このリハビリテーションは、患者の記憶力とその他の認知機能の回復を目指し、次のような技法が含まれます。

認知訓練

記憶力を強化するための特定の演習やタスクを行います。これには、単語リストを覚える、物語を再構築するなどがあります。

記憶支援技術の使用

電子デバイスや手帳などを使って、日常生活で必要な情報を記録し、思い出す手助けをする。

環境調整

記憶への負担を減らすために、家庭や職場の環境を整理し、より管理しやすいものにする。
これらの方法は、患者が可能な限り自立した生活を送るための支援を提供することを目的としています。
記憶障害を持つ患者のサポートには、家族など周囲の人々の役割が非常に重要です。以下のような日常生活の工夫が役立ちます。

ルーティンの確立

日常のルーティンを作り、患者が何をすべきか予測しやすくすることで、記憶に負担をかけることなく日々の活動を行えるようにします。

情報の整理

情報をシンプルにし、必要なものだけを提示することで、患者が必要な情報をより簡単にアクセスし、処理することができます。

コミュニケーションの工夫

情報を伝える際には、簡潔で明確な言葉を使い、必要に応じて視覚的な手段を取り入れる。

会話が成り立たない時のコミュニケーションについて

脳梗塞は言語中枢に影響を及ぼすことがあり、それが原因で患者は会話をうまく進めることができなくなることがあります。
これは、言葉を見つけるのが難しい、言語の理解が困難、または言葉を発するのが難しいという形で現れることがあります。
これらの障害は、患者にとって大きなストレスとなり、自尊心の低下や社会的孤立を引き起こす可能性があります。
家族やケアギバーは、このような障害の存在を理解し、対応することが重要です。
言語コミュニケーションが困難な場合、絵カードやコミュニケーションツールとしてのデバイスなどの代替的な手法が役立ちます。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞の後遺症としての失語症や記憶障害について解説しました。
一度脳の神経細胞が破壊されてしまうと、完全な修復は難しいとされています。
そこで、私たちニューロテックメディカルでは、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『脳・脊髄の治る力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療Ⓡにて『脳・脊髄の治る力を高める治療』です。
また、その治療効果を高めるために骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリ®の併用をお勧めしています。
再生医療にご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談くださいね。

Q&A

脳梗塞による感覚障害は治る?
脳梗塞による感覚障害の回復は、障害の程度や治療の開始時期によって異なります。
早期に適切なリハビリテーションを行うことで、感覚機能の改善が期待できる場合があります。
しかし、完全な回復が保証されるわけではなく、個人差が大きいため、継続的な治療とサポートが重要です。

脳梗塞は障害者何級?
脳梗塞後の障害者等級は、その後遺症の重さによって異なります。
例えば、重度の運動機能障害や言語障害が残る場合、より高い障害等級が認定されることがあります。
日本では、障害者手帳が発行され、障害の程度に応じて1級から6級までの等級が設けられています。
具体的な等級は医師の診断と障害認定委員会の評価によって決定されます。
<参照元>
失語症候群の診断と治療.神経治療.2016;33:362-367.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/33/3/33_362/_pdf/-char/ja
失語症のある人のための意思疎通支援 Supported communication for adults with aphasia <総説>.保健医療科学.2017;66(5):512-522.:https://www.niph.go.jp/journal/data/66-5/201766050007.pdf

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