点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脳卒中

 脳梗塞発症の年代別ピークと予防策

<この記事を読んでわかること>
男性と女性で異なる脳梗塞発症のピーク時期
年代と性別に応じた脳梗塞予防戦略
生活習慣の改善による脳梗塞リスクの軽減

今回は脳梗塞発症の年代別ピークと予防策について解説します。年齢とともに発症が増加しますが、60〜70歳代がピークです。でも、最近では若年層の発症が増加しております。発症は生活習慣と密接な関連があるため、食生活の乱れ、運動不足、喫煙などの習慣を改め、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病にならないことが予防策です。

男性と女性で異なる脳梗塞発症のピーク時期

男性と女性で異なる脳梗塞発症のピーク時期
この記事では男性と女性で異なる脳梗塞発症のピーク時期について解説します。
発症のピーク時期は性別差があります。
一般的に、男性の場合、脳梗塞の発症リスクは比較的若い年齢から上昇し、60歳代でピークを迎えます。
その後も年齢とともにリスクは上昇しますが、90歳以上では女性よりも発症率が高くなります。
一方、女性の場合、脳梗塞の発症リスクは50歳代から上昇し始め、70歳代にピークを迎えます。
その後も年齢とともにリスクは上昇しますが、男性ほど高くなることはありません。

この男女差の要因の1つとしてホルモンの影響があります。
女性特有のエストロゲンと呼ばれるホルモンです。
女性は閉経までエストロゲンの影響を受けます。
このホルモンは血管を拡張したり、血液をサラサラにしたりする作用があります。
閉経後は分泌が減少するため、血管が硬くなる動脈硬化が進み、血栓もできやすくなります。
そのため、女性の更年期におけるホルモンの変化が、動脈硬化や血管の柔軟性に影響を与えることが要因の1つと考えられています。
年齢ばかりではなく、女性は妊娠や出産などでホルモンの変化が激しいため、性別差によりピーク時期が異なることが報告されています。

年代と性別に応じた脳梗塞予防戦略

この記事では年代と性別に応じた脳梗塞予防戦略について解説します。
年代と性別を問わず、バランスのとれた食生活、適度な運動、禁煙、適度な飲酒、十分な睡眠、ストレス管理に努めることが重要です。
これらを順守した上で、年代と性別における注意点は以下です。

若年者の場合、生活習慣病にならないために生活習慣を見直すことが大切です。
乱れている方は生活習慣改善に努めましょう。

中年者の場合、高血圧や脂質異常、高血糖の管理が重要です。
定期健診などを利用して自身の体の状態を知ることが大切です。
必要となれば、薬物治療を受けましょう。
また、中年者は太りやすい年齢なので適切な体重維持に注意します。
加えて、中年女性は更年期以降のホルモン変化による身体的影響を考慮する必要があります。
この時期は女性ホルモンが減少するため、血圧や脂質が上昇傾向となります。
健康診断などを活用して、体の状態を知り、必要となれば薬物治療を受けましょう。

高齢者の場合、生活習慣病の予防管理や治療をしっかり行うことが大切です。
脳ドッグなどの検査を受けて予防対策をとることも一案です。
健康的な日常生活に加え、転倒や認知機能低下にも注意が必要です。

生活習慣の改善による脳梗塞リスクの軽減

生活習慣の改善による脳梗塞リスクの軽減
この記事では生活習慣の改善による脳梗塞リスクの軽減について解説します。
脳梗塞リスクは悪い生活習慣と密接な関係にあります。
従って、自分の日常生活を見直し、生活習慣改善をすることが重要です。

まずは、食生活です。
塩分、脂肪、糖分の摂取を控え、野菜や果物を多く摂取しましょう。
減塩調味料やだしを活用するなどし、1日の塩分摂取量は6g未満に抑えます。
飽和脂肪酸の摂取を控え、魚、ナッツ類、オリーブオイルなどに含まれる不飽和脂肪酸を積極的に摂取し適切な脂肪摂取を心がけます。
菓子類や甘い飲み物の摂取を控え、過剰な糖分をとらないことも大切です。
更に、様々な種類の野菜や果物をバランス良く食べて 1日350g以上を目標にしましょう。

次に、適度な運動です。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動を、週に3回以上、1回につき30分以上行うことに心がけて下さい。
週に2〜3回の筋力トレーニングを追加すると更に効果的です。

喫煙はリスクを大幅に高めるため禁煙は基本です。
肥満は生活習慣病発症のリスク因子ですので、適正な体重維持に努めましょう。
その他、節度ある飲酒、十分な睡眠、自分なりのストレス解消法を実践することも大切です。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞発症の年代別ピークと予防策について解説しました。
脳梗塞は脳の血管が詰まることにより脳細胞が壊死する疾患です。
壊死した細胞の再生は難しく、広範囲に及ぶと後遺症が出現し日常生活に支障を来たします
そのため、神経の再生医療は期待のもてる治療法です。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」があります。
脳梗塞の新たな治療方法として、神経を再生する医療は新たな治療の選択肢として期待が持てます。

よくあるご質問

脳梗塞はどの年齢層に多いですか?
年齢とともに発症率が高くなる疾患ですが、年代別リスクとして、特に60〜70歳代がピークです。80歳代以上でも多く発症しますが、最近では40歳代以下の若年層での発症が増加傾向にあります。原因として、若年層における生活習慣病の増加が一因です。

脳梗塞はどの季節が多い?
季節を問わず発症しますが、特に夏と冬は注意が必要です。夏は、暑さによる発汗によって脱水を起こし血液がドロドロになり血栓ができやすくなるためです。冬は、寒さによる血管の収縮によって血圧が上昇しやすいことが要因です。その他、インフルエンザなどの感染症による炎症が要因であるとも報告されています。

<参照元>脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕 | 日本脳卒中学会:https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf
日本脳卒中協会:https://www.jsa-web.org/

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