点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脳卒中

 脳卒中による嚥下障害を改善する3つの方法

<この記事を読んでわかること>
脳卒中による嚥下障害の改善方法、特にリハビリテーションの役割、改善までの期間、嚥下障害の原因、およびリハビリテーションの具体的な過程がわかる。
嚥下障害に対する効果的なリハビリテーション手法、そのリハビリテーションがなぜ有効であるかがわかる。
嚥下障害の生理学的な原因がわかる。

脳卒中による嚥下障害は、患者のQOLを左右する重要な問題です。今回の記事では、脳卒中による嚥下障害のリハビリテーション方法を紹介します。例えば、電気刺激療法、顎引き抵抗運動、鏡像療法があります。これらを用いて、神経機能の回復を目指し、患者の日常生活の質の向上をサポートしていくことが大切です。

嚥下リハビリテーションの基本

嚥下リハビリテーションの基本
脳卒中による嚥下障害の改善においては、嚥下リハビリテーションが欠かせません。
脳卒中による嚥下障害は、患者の生活の質に大きな影響を及ぼすからです。
リハビリテーションの基本的なアプローチとしては、筋肉を刺激し強化する療法が推奨されています。

特に、顎下筋(がっかきん)群(SHM)を強化することが重要です。
これにより喉頭(こうとう:喉のことです)や舌骨の動きが改善され、食道上部の開口部の開きを促進します。
その結果、飲み込む力にも良い影響が与えられるのです。
このことを踏まえて、脳卒中による脳卒中による嚥下障害を改善し、誤嚥予防のための3つの主要なリハビリテーション方法をご紹介しましょう。

電気刺激療法(NMES)と経口嚥下リハビリテーションの組み合わせ

この方法は、嚥下筋(えんげきん)群に直接的な電気刺激を与えることで、神経の活性化と筋肉の強化を図ります。
この組み合わせ療法は、伝統的な嚥下リハビリテーションに電気刺激を加えることで、より早い改善が期待できるとされています。

顎引き抵抗運動

顎引き抵抗運動は、喉と舌の骨を支える筋肉を鍛えるトレーニング方法です。
この運動は、食べ物を飲み込む際の気道を保護し、食道への食物の流れをスムーズにすることで、嚥下機能の向上を助けることができます。

鏡像療法(きょうぞうりょうほう)

鏡像療法は、動きを取り戻すのが難しい患者さんにおすすめの治療法です。
この方法では、鏡を使って患者さんが自分の嚥下動作を見ながら真似します。
これにより、脳の神経回路が刺激され、神経機能回復を促し、飲み込み機能の改善を図ります。

これらの方法は、嚥下障害の原因である神経機能の障害を対象とし、患者の日常生活の質を向上させることを目的としています。
それぞれのリハビリテーション技術は、患者の具体的な状況や障害の程度に応じて組み合わされ、最も効果的な治療成果を目指していきます

脳への信号伝達と神経の役割が嚥下障害の原因なのか

脳卒中後の嚥下障害は、脳の特定の部位が損傷を受けることで、嚥下を制御する神経回路が障害されるために発生します。
リハビリテーションでは、これらの神経機能の回復を目指していきます。
嚥下をつかさどる神経回路への適切な刺激を通じて神経の再教育を図るのです。

電気刺激や経頭蓋磁気刺激(TMS、Transcranial Magnetic Stimulation)などが効果的な手段として用いられています。
経頭蓋磁気刺激とは、コイルと呼ばれるデバイスを頭部に当て、磁場を生成し、脳の神経回路に影響を与えることで、症状の改善を目指します。
この方法は、手術や薬物を用いないため、比較的副作用が少なく、安全性が高いとされています。

嚥下障害のリハビリによる改善期間と患者の予後

それでは、嚥下障害のリハビリテーションによる改善期間と患者の予後について解説しましょう。
これについては、様々な要因によって異なってきます。

改善期間

嚥下障害の改善期間は、患者によって大きく異なることが一般的です。
一部の患者は数週間以内に顕著な改善を示すことがありますが、他の患者では数ヶ月からさらに長い期間が必要となることがあります。
研究によると、多くの脳卒中患者は発症後14日以内に自然に嚥下機能が改善されることがありますが、約50.9%の患者は退院時にも嚥下障害が残っていました
さらに、約15%の患者は発症後1か月時点で嚥下障害が続いていました。
また、発症後6ヶ月でも約11-50%の患者が嚥下障害を持ち続けたと報告されています。

予後

予後は、リハビリテーションの効果、患者の適応能力、およびサポートシステムの有無に大きく依存します。
リハビリテーションによって、嚥下機能の回復を促進し、慢性的な問題のリスクを減少させる効果が期待できます。
また、リハビリテーションは、誤嚥による肺炎や栄養不良といった合併症を防ぐためにも重要です。

まとめ

今回の記事では、嚥下障害のリハビリテーションについて詳しく解説しました。
嚥下リハビリテーションによる改善期間は患者により異なり、多くの場合数週間から数ヶ月を要します。
そこで、当院ニューロテックメディカルでは、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
さらに、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『脳の治る力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリにて『脳の治る力を高める治療』です。
嚥下障害のリハビリテーションに対しても再生医療を組み合わせることにより、さらなる治療効果が期待できるでしょう。
ご興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせ下さい。

よくあるご質問

脳梗塞による嚥下障害は治る?
脳梗塞による嚥下障害はリハビリで改善することがありますが、完全回復は個人差があります。嚥下リハビリや食事形態の工夫が有効で、早期の介入と継続的なサポートが重要です。

嚥下機能障害を改善するにはどうしたらいいですか?
嚥下機能障害の改善には、嚥下リハビリテーションが有効です。専門家による訓練、食事形態の調整、そして嚥下エクササイズなどが含まれます。早期介入と継続的なリハビリが効果的です。

<参照元>
摂食・嚥下障害の治療 | 健康長寿ネット:https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/sesshokushougai/chiryo.html
嚥下障害のリハビリテーション|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/larynx/32/01/32_20/_pdf/-char/ja
嚥下障害を有する肺炎患者の舌骨上筋に対する 顎引き抵抗運動の効果|理学療法の科学と研究.2023;14(1):63-66.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/srpt/14/1/14_14_63/_pdf/-char/ja
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Recommendations | Stroke rehabilitation in adults | Guidance | NICE:https://www.nice.org.uk/guidance/ng236/chapter/Recommendations

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