点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脊髄損傷

 頸椎損傷の神経学的評価と治療法の選択

<この記事を読んでわかること>

神経学的評価の方法とその重要性
手術的治療 vs 保存的治療それぞれの適応と効果
幹細胞治療の役割とその将来性


今回は、頸椎損傷における神経学的評価と治療法の選択について解説します。
頸椎損傷における神経学的評価は、ASIA(American Spinal Injury Association)インペアメントスケールが使われます。
感覚および運動機能により、損傷のレベルと重症度が分類されます。
治療法は、損傷の種類と程度に応じて、保存療法、薬物療法、手術療法、リハビリテーションが選択されます。

神経学的評価の方法とその重要性

神経学的評価の方法とその重要性
この記事では神経学的評価の方法とその重要性について解説します。
頸椎損傷は、脊髄の損傷によって起こる重大な疾患です。
損傷の部位や程度によって症状はさまざまですが、運動麻痺、感覚障害、排泄障害などの後遺症が残り、日常生活に大きな支障を来します。
後遺症を可能な限り予防するために、早期の神経学的評価は重要です。
神経学的評価には、ASIA(American Spinal Injury Association)インペアメントスケールが広く用いられます。
このスケールは、感覚機能と運動機能の評価に基づいて損傷の重症度を分類したものです。
具体的には、各体節における触覚と痛覚の有無、さらに主要筋群の運動機能を評価し、それぞれの部位に対して0(筋収縮無し)から5(正常筋力)までの段階で評価します。
これにより、完全損傷から完全回復までの5段階に評価されます。
これらの評価により、損傷の具体的な部位や範囲が明確になり、患者の症状回復の可能性や治療の効果が可能となります。
もう一つの重要な側面は、時間経過による症状変化を追跡することです。
急性期は、神経機能が時間経過とともに変化することが多く、継続的な経過観察が必要です。これにより、二次損傷の早期発見や治療の適応が迅速に行えます。

手術的治療 vs 保存的治療それぞれの適応と効果

この記事では手術的治療 vs 保存的治療それぞれの適応と効果について解説します。
手術的治療は、特に脊髄や神経根の圧迫が明らかで、速やかな減圧が必要な場合や、骨折や脱臼が不安定である場合に適応されます。
手術治療により、損傷部位の減圧や整復、そして固定が行われることで、神経損傷の進展を防ぎます。
また、脊髄内や脊柱管内の血腫や壊死組織の除去も行われるため、神経機能の改善が期待されます。
早期に明らかな効果が期待できるため、重度の損傷や急性期における迅速な対応が求められる症例では、有効な治療となります。
一方、保存的治療は、骨損傷を伴わない軽度から中程度の頸椎損傷や手術リスクが高い場合に選択されます。
保存的治療では、頸椎カラーやハローベストなどの装具を用いて、外部からの固定を行い、自然治癒を促します。
この方法は、手術治療と比べて侵襲が少ないため、患者への負担を軽減できます。
保存的治療の効果は、徐々に現れるため、長期間の経過観察が必要です。
この間、理学療法や作業療法を通じて筋力や運動機能の回復を図ることも重要です。
また、患者の生活の質を維持するために、疼痛管理や生活指導も大切な要素となります。

幹細胞治療の役割とその将来性

この記事では幹細胞治療の役割とその将来性について解説します。
近年、幹細胞治療は新たな治療法として注目されており、頸椎損傷にも応用が検討されています。
幹細胞治療の基本的なメカニズムは、損傷部位に幹細胞を移植することで、これらの細胞が損傷部位に集まり、神経組織の再生や修復を促すことです。
さらに、幹細胞は抗炎症効果を持ち、損傷後の炎症反応を抑制することで、二次損傷のリスクを低減できます。
動物実験においては、幹細胞治療が神経機能の回復を促進する効果が認められています。
この結果を人へも応用し、臨床試験による幹細胞治療の安全性と有効性を評価する試みが続けられています。
しかしながら、幹細胞治療にはいくつかの課題も存在します。
まず、統一性のある治療効果を得るためには、幹細胞の供給源や品質の管理が重要であり、標準化されたプロトコルが必要です。
また、移植された幹細胞が損傷部位で適切に機能し、長期的に生存するかも課題となります。
拒絶反応や腫瘍形成のリスクも考慮する必要があるでしょう。
しかしながら、従来の治療法では限界がある神経再生が期待できる治療ですので、大きな可能性を秘めているといえるでしょう。

まとめ

今回の記事では、頸椎損傷における神経学的評価と治療法の選択について解説しました。
頸椎損傷は神経が壊死することにより後遺症が残る疾患です。
後遺症を直すためには、神経再生が必要ですが、従来の治療では難しいのが現状です。
そのため、新たな治療として再生医療には期待が持てます。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」があります。
これらの治療法は、頸椎損傷の後遺症に苦しむ患者さんに対して期待が持てる治療となるでしょう。

よくあるご質問

頚椎損傷の治療法は?
重症度や病状により異なります。
急性期では、気道確保と循環管理が最優先です。
加えて、損傷部位の安定化のために、頸椎カラーやハーロー固定装置が使用されます。
手術治療として、骨折や脱臼の整復、減圧術、固定術が行われます。
リハビリテーションでは、筋力の回復と機能の改善を目指します。

頚椎損傷の対応方法は?
迅速な評価と適切な治療が重要です。
まず、初期対応として、頸椎を固定し、気道確保とともに呼吸と循環の安定化を図ります。
病院搬送後は、画像診断により損傷の程度を評価し、必要に応じて外科的治療を検討します。
急性期には、損傷部位の安定化や減圧術が行われることがあります。
薬物療法として、ステロイドが一部で使用されます。

<参照元>
国立障害者リハビリテーションセンター:http://www.rehab.go.jp/beppu/nbc/baske.htm
厚生労働省 再生医療について:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisei_iryou/index.html
日本再生医療アテンドセンター:https://jarm-ac.com/

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