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 フレイル・ドミノにならないために必要なこと

この記事を読んでわかること

フレイルとは?
フレイル・ドミノとは?
フレイルの評価基準


フレイルは、高齢者によく見られる症状ですが、その原因は十分には判明していません。
その特徴は、もともと英語で「虚弱」を意味するfrailtyを語源としていることからも分かるように、高齢者の身体だけでなく、こころや社会性の衰えが混在した状態であり、さらにさまざまな障害に対処するための予備力の低下を認める状態です。
この予備力が低下していることもあり、フレイルではひとつの小さな障害であっても、ドミノ倒しのように連鎖反応を起こし、フレイルの完成に発展することがあります。これが一般的に「フレイル・ドミノ」と呼ばれる現象です。
今回の記事では、このフレイル・ドミノとは何か、そしてそれを防ぐために参考にすべきチェックリストや対策について、ご説明いたします。

フレイルとは?

フレイルとは?
フレイルとは、高齢者の機能や健康が低下した医学的状態のことです。
年齢を重ねることが必ずしもフレイルであることを意味するわけではありませんが、フレイルを発症する確率は高くなります。
フレイルには複数の特徴がありますが、特に身体機能、栄養状態、そして社会的関わりの衰退がフレイルの原因となります。
そしてフレイルの状態になると、健康であれば通常は影響しない軽度の病気に対処する能力が体に備わっていないため、些細なストレスが、急激で劇的な悪化の引き金になることがあります。

フレイル・ドミノとは

次にフレイル・ドミノについてご説明します。
フレイルの要素のなかで、特に社会的孤立が重要で、退職やパートナーとの死別などがきっかけになり、社会との関わりが少なくなることが、フレイルの大きな危険因子になると言われています。
つまり社会とのつながりを失うことが契機となり、生活の範囲が制限され、精神的に孤立する状況が生まれます。
特に食事を一人で食べる「孤食」状況になると、フレイルが進行するリスクが高くなることがわかっています。
そして孤食になって食への興味を失うことが、食べる機能や栄養状態の悪化につながり、身体機能の低下につながっていきます。
このように社会との関わりを失うことが、フレイルの入り口となり、その後続けて栄養や身体機能の衰えが進む現象が、これがフレイル・ドミノです。

フレイルの評価基準

フレイル・ドミノにならないようにするためには、軽い状態で早期に気づき、予防することが必要です。
そのため、フレイルを簡単に評価できることが大切です。
フレイルの評価には複数の基準がありますが、比較的簡単にできる2つをご紹介します。

国立長寿医療研究センターによる評価基準

Friedらの評価基準と呼ばれる基準をもとに構成されており、5つの項目からできています。
5つのうち3つ以上が該当すればフレイル、1~2が該当すればフレイルに近い状態であるプレフレイルと考えられます。

  • 体重減少
    「6ヶ月で2~3kg以上の(意図しない)体重減少がありましたか?」との質問に「はい」と回答した場合
  • 主観的疲労感
    「(ここ2週間)わけもなく疲れた感じがする」との質問に「はい」と回答した場合
  • 日常生活活動量の減少
    「軽い運動・体操(農作業も含む)を1週間に何日くらいしていますか?」及び「定期的な運動・スポーツ(農作業も含む)を1週間に何日くらいしていますか?」の2つの問いにいずれも「運動・体操はしていない」と回答した場合
  • 握力の低下
    利き手の測定で男性26kg未満、女性18kg未満の場合
  • 通常歩行速度の減弱
    (測定区間の前後に1mの助走路をもうけ、測定区間5mの時を計測する)1m/秒未満の場合

フレイルチェック

市民向けに東京大学の飯島勝矢教授によって考案されたもので、とても簡便にチェックできるのが特徴です。
「指輪っかテスト」と「イレブンチェック」からなっています。

  • 指輪っかテスト
    両手の親指同士と人差し指同士で輪っかを作り、ふくらはぎを囲んでみます。
    このとき輪っかでふくらはぎを囲むことができるか、ちょうど良いか、隙間ができるかを確認します。
    隙間ができる場合、フレイルにつながるサルコペニア(筋肉量減少)のリスクが高く、将来の死亡率も高くなることがわかっています。
  • イレブンチェック
    フレイル予防に重要な要素である「栄養(歯・口腔)」、「運動」、「社会参加」の3つの柱からなる11の質問に答えることで、フレイルの度合いを評価します。
    このうち、4番、8番、11番の質問に「はい」、それ以外の質問に「いいえ」と答える数が増えるほど、フレイル の度合いが高くなると考えられています。特に6つ以上が該当すると、フレイル のリスクが高いとされています。
    栄養 1 ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気を付けた食事を心がけていますか
    2 野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますか
    口腔 3 「さきいか」、「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛み切れますか
    4 お茶や汁物でむせることがありますか
    運動 5 1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか
    6 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか
    7 ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか
    社会参加 8 昨年と比べて外出の回数が減っていますか
    9 1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか
    10 自分が活気に溢れていると思いますか
    11 何よりまず、物忘れが気になりますか

まとめ

フレイル・ドミノについてご説明しました。
フレイルの入り口となる社会との関わりの減少を防ぐことが、フレイルがドミノのように進行することを防ぐために有効です。
普段から社会との関わりを継続できるように、趣味やボランティア活動を通して社会参加することを若い時から意識しておくことが、フレイル予防には大切なことだと言えるかもしれません。

よくあるご質問

フレイルとは何ですか?
フレイルとは、高齢者の機能や健康が低下した医学的状態のことです。
また、このように社会との関わりを失うことでフレイルの状態になり、その後続けて栄養や身体機能の衰えが進む現象を、フレイル・ドミノと言います。

フレイルの評価基準には何がありますか?
両者は全く異なるものです。
フレイルの評価には複数の基準がありますが、「国立長寿医療研究センターによる評価基準」と東京大学の飯島勝矢教授によって考案された「フレイルチェック」の2種類が比較的簡単にできます。

<参照元>
健康長寿ネット より早期からの包括的フレイル予防:https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/chokoureishakai/chokoureishakai-frailtyyobou.html
東京都医師会 フレイル予防:https://www.tokyo.med.or.jp/citizen/frailty

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