点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

リハビリ

 頚椎症性脊髄症のリハビリと日常生活の注意点

<この記事を読んでわかること>
頚椎症性脊髄症とは
頚椎症性脊髄症リハビリの可能性
日常生活での頚椎症性脊髄症の注意点

頚椎症性脊髄症(けいついしょうせい せきずいしょう)は、加齢に伴う頚椎の変形や椎間板の拡張、靭帯が分厚くなることなどから生じる疾患です。
これらの変化により、頚部の脊柱管が狭くなり、そこを通過する脊髄が圧迫されます。結果として、手や腕のしびれ、運動の制限、歩行に関する問題などの症状が現れることがあります。
脊髄は、脳から続く中枢神経の一部で、全身の筋肉、皮膚、内臓などを制御する神経のルートとしての役割を果たしています。
その脊髄が頚部で圧迫されると、身体の多くの機能が影響を受ける恐れがあります。
現代医療でも、この疾患の治療は容易ではなく、症状が進行すると手術が選択されることが多いです。

頚椎症性脊髄症リハビリの可能性

頚椎症性脊髄症の診断を受けた多くの患者様が、「現段階では手術は必要ない。悪化した際に手術を検討しましょう」という医師の助言を受けることが少なくありません。
これにより、患者様は病状が悪化するまで待つしかないと感じることが多いです。
仮に手術ができるとしても、ご高齢の方は手術のリスクを考えると、適していないこともあります。

しかし、手術を必要としない段階や、高齢で手術が困難な方へのアプローチとして、リハビリ治療が存在します。
リハビリは、症状の進行を抑えることを目的としており、症状の維持や改善を求める方々へ有効な手段となります。


日常生活での頚椎症性脊髄症の注意点

頚椎症性脊髄症の患者様が避けるべき行為とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

まず、首への過度な負担を避けることが挙げられます。日常の中で完全に首の動きを制限することは難しいため、首にストレスを少なくする姿勢や動作を採用することが重要です。

以下、特に避けるべき行為や注意点を説明します。

日常生活での首の負担を軽減するための注意

首を長時間下に傾けたり、上を向いたりする状態でいることは避けるよう心掛けましょう。

これには、スマホの使用やパソコン作業、読書などの日常の動作が含まれます。例えば、スマホを操作する際、首を前に曲げての長時間の使用は避けるようにしましょう。

また、うつ伏せでの読書や、横たわってテレビを見る行為も、首への負担となるためおすすめできません。

重い荷物の取り扱いに注意を

日常生活において、重いものを持つ際には首への負担が増大します。特に、その荷物を長時間に渡って持ち続けたり、遠くまで運んだりすることは、首への過度なストレスとなります。

可能な限り、荷物の重さや持ち運びの時間を最小限に抑え、首の負担を軽減するよう心がけましょう。

寝る姿勢の注意

頚椎症性脊髄症の方にとって、寝る姿勢は非常に重要です。

寝る際のポイントとして、まず「枕の高さを適切に調整する」ことが挙げられます。枕が高すぎると、首が下向きの姿勢となり、これが首の後ろに過度な負担をもたらします。

適切な高さに調整するために、特別な高価な枕を求める必要はありません。手軽にタオルを使用して、高さを調整することができます。

次に、寝る姿勢としては「仰向け」が最も首にやさしい姿勢です。うつぶせや横向きでは、首への負担が増加するため、できるだけ仰向けで寝ましょう。


頚椎症性脊髄症におけるリハビリ

頚椎症性脊髄症におけるリハビリテーションは、患者様の日常生活の質を向上させるための鍵となります。リハビリで求められるのは、ただ症状を和らげるだけでなく、再発を予防して生活の質を向上することです。

そのため、症状の悪化の原因となる姿勢や生活習慣を考慮して、リハビリをしましょう。
このリハビリの中心には、正しい姿勢の習得、筋力の向上、そして関節の動きや柔軟性の維持・向上があります。それぞれの要点について、詳しく解説します。

正しい姿勢の習得

「正しい姿勢の習得」は頚椎症性脊髄症の患者様にとって、非常に重要なステップとなります。日常生活での繰り返しの悪い姿勢が、この症状の主な原因となっているからです。

適切な姿勢の習得を助けるために、壁や鏡を利用して姿勢を確認しながらのトレーニングや、筋力を強化するリハビリが推奨されます。首への負担を最小限にすることで、症状の進行を遅らせる効果が期待できます。

また、正しい姿勢を維持しやすくするために、パソコンディスプレイやデスクの高さ、さらには椅子の高さを目の高さに調整することで、作業時の姿勢の改善を助ける工夫が重要です。

筋力の向上

筋力の低下は、脊髄が圧迫された結果としてしばしば見られる症状です。この圧迫の位置によって、筋力低下が現れる部位は変わってきます。

リハビリの過程では、まず圧迫されている脊髄の位置とそれによる筋力の低下の場所を正確に評価します。

その上で、適切な方法を用いて筋力の強化を目指します。特に手指の筋力を回復させる際には、電気刺激療法の導入も有効とされています。

関節の動き

関節の動きや柔軟性の維持・改善は、リハビリの重要な部分を担います。特に、肩や肩甲骨、手、足などの動きの範囲を確保することが大切です。

というのも、痺れや筋力の低下により、自由に動かせる範囲が限られることがあるからです。

放置すれば関節の動きは徐々に制限されるため、定期的な関節可動域の運動が必要です。

ただし、首の運動は症状の悪化を引き起こす恐れがあるため、避けるべきです。

首のストレッチや体操が推奨されることもありますが、首の痛みや手の痺れが強い時にこれらを実施すると、効果を得られないだけでなく、状態をさらに悪化させる可能性も考えられます。

頚椎症性脊髄症のリハビリと日常生活の注意点まとめ

痛みが続くと、生活の質を極端に低下させるため、なんとかしたいものです。

最近注目されているのが、再生医療です。この治療は、体内の損傷部位を修復や再生させる潜在力を持っており、新しい治療手段として希望の光を投げかけています。

具体的には、幹細胞を活用した点滴療法や幹細胞培養上清液といった手法があり、これらは損傷した神経組織を修復する助けとなるため、リハビリテーションによる回復を一段と進展させることが期待されています。

脳梗塞・脊髄損傷クリニックは、神経への分化能力が高い骨髄由来幹細胞を使用した再生医療において国内での実績がトップクラスを誇ります。私たちが提供する情報が、リハビリと再生医療への治療に期待を深める手助けになればと思っています。

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Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

脳卒中や脊髄損傷の後遺症を抱える患者様へ。リハビリテーション専門医として神経再生リハビリ®に力を入れています。SNSでも情報や症例を積極的に発信中です。ぜひご覧ください。




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