点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

リハビリ

 自宅でできる高次脳機能障害のリハビリ

<この記事を読んでわかること>
高次機能とは
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害のリハビリ

通常、私たちが一日のなかで、朝起きて歯を磨き、顔を洗い、出かけて駅に向かう道順、電車のなかでスマホを見るなどについて特に深く考えることはありません。
これらの日常的な行動は大体無意識のレベルで頭の中に蓄積され、状況に応じて適切に取り出されているため、具体的行動を意識することはほとんどないのです。
しかし、高次脳機能が損傷すると今までできていたことが、無意識でできなくなる場合もあります。
高次脳機能障害は、脳が傷害を受けた場合に起こります。
その原因としては脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷などで比較的よく見られます。

高次機能とは

高次機能とは、大脳で営まれる様々な機能のことで、知覚、認知、記憶、注意、判断、情動、言語、行為などが高次脳機能に含まれます。
日常生活や社会活動で必要なスキルや能力に直結しており、自立した生活には不可欠な要素です。


高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、高次機能の損傷した部位により、さまざまな障害が起きることを言います。
脳は特定の機能に対応する領域に分かれており、そのため損傷が生じた部位によって現れる症状が異なります。

例として、前頭葉が損傷した場合は注意力や遂行機能が低下することが多く、側頭葉が影響を受けた場合は主に記憶障害や言語理解への問題が出現します。
頭頂葉では、触覚や空間認知、後頭葉では視覚に障害が起きます。
さらに、脳の左右どちらが損傷したかによっても症状は異なることがあります。症状は一つだけではなく、しばしば複数が重なって現れることもあります。


高次脳機能障害のリハビリについて

リハビリテーションは、単に身体を動かすだけではなく、患者様の健康と生活の質(QOL)を向上させるための総合的なアプローチです。
これには、心理的、社会的、職業的な側面も含まれます。
言い換えれば、リハビリテーションは患者様が日常生活に戻るためのさまざまなスキルと能力を取り戻す、または新しく習得するプロセスとも言えます。
要するに、リハビリテーションは多面的で包括的な取り組みであり、身体的な健康だけでなく、精神的・社会的な健康にも焦点を当てるものなのです。
ですから、リハビリには自宅でできることがたくさんあります。次に具体的に紹介します。

一日スケジュールを作る

高次脳機能障害を持つ方にとって、日々の生活を整理しやすくするために、日別や週別のスケジュール表を使う方法が有用です。
このスケジュール表によって、一日または一週間の活動の流れを明示することができ、混乱を避けやすくなります。

また、特に疲れを感じたときや何かうまくいかなかったときには、このスケジュール表を参照することで、その根本原因を探ることが可能になります。
スケジュール表を作成することは、高次脳機能障害の症状によって、思考が混乱しやすい方々に役立ちます。
朝に目を覚ましたら、その日の活動を確認し、また、就寝前に次の日の活動を確認することで、生活のリズムができます。


スケジュールの作り方「活動を計画する」

スケジュール表を作成し一日を計画する際には、脳のトレーニングや軽い運動、家事、リラックスする時間などをバランス良く組み入れてみてください。
それぞれの活動には、終了時刻を設定しておくと良いです。これは、集中しすぎて過度に疲れてしまう状態を防ぐためです。
また、もし途中で疲れてしまったら、設定した終了時刻に関係なく、活動を停止することにしましょう。
以下に一日に組み込むリハビリ案をご紹介します。ご自身に合わせて取り入れてみてください。


身体を軽く動かす

運動、特に散歩やストレッチなどは、脳の健康や回復にとても有益です。
運動のレベルは心地よく感じる程度で十分ですので、無理せずに活動を楽しんでみてください。
散歩やストレッチは、ストレスの軽減や気分の向上にも良い効果があります。


脳のトレーニング

脳の活性化にはトレーニングが有効です。インターネット上で見つけられる無料の脳トレアプリやウェブサイトがありますこれらのツールで脳のエクササイズを試してみてください。
また、高次脳機能障害の方のためのドリルなどもアマゾンなどの販売サイトや書店で購入が可能です。


リラックスする

穏やかな時間を設けてリフレッシュしましょう。
緊張や焦燥感、ストレスなどから解放されるために、心と体のリラクゼーションは不可欠です。
最近では、マインドフルネス(瞑想)やヨガがリラクゼーションの手段として特に注目を集めています。
特にマインドフルネスは、無料のアプリもたくさんあります。場所も問わないため、取り入れやすいでしょう。


家事をする

朝のゴミ出しは日課として多くの利点があります。曜日感覚が身につくだけでなく、計画性も高まります。ちゃんと着替えてゴミを出す行動も、一日の始まりとして気持ちをリセットできます。
家の掃除は、さまざまなスキルを取り戻すトレーニングになります。
どこをどれだけ掃除したかを覚えることで、記憶力が高まります。さらに、拭き掃除をすることはストレッチ効果もあり、身体的な健康にも寄与します。
料理をすることは、複数の能力を同時に鍛えられる素晴らしい活動です。
料理の手順を覚えることで記憶力が向上し、複数の工程に気を配る必要があるため、注意力も養われます。
さらに、段取りを計画する遂行機能も磨かれます。レシピを使いながら練習することで、これらの能力はより一層高まるでしょう。

自宅でできる高次脳機能障害のリハビリまとめ

後遺症が残るような高次脳機能障害に対しては、リハビリをして機能の回復が目指されます。
実は、日常の様々な作業や活動が単純作業とは言えないほどの効果があり、高次脳機能の改善に役立つ基盤を作ります。
当クリニックでは、脳梗塞や脊髄損傷などに対する先進的なアプローチとして、再生医療を用いた「神経再生リハビリ®」と呼ばれる新たな療法も導入しております。
再生医療は、リハビリの効果を高めるための土台を作るようなものと言えます。
これまで回復が難しいとされていた状態に対しても、損傷した部位の修復と再構築を目標に治療を行います。
このような新しい治療法にご興味がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
私たちは、一人ひとりの患者様に新しい治療を提供することで、より質の高い日常生活の実現を目指しています。

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Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

脳卒中や脊髄損傷の後遺症を抱える患者様へ。リハビリテーション専門医として神経再生リハビリ®に力を入れています。SNSでも情報や症例を積極的に発信中です。ぜひご覧ください。




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