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リハビリ・その他

 前頭側頭葉型認知症の原因とその危険因子

<この記事を読んでわかること>
前頭側頭型認知症の原因を理解し、予防方法がわかる。
前頭側頭型認知症の遺伝的要因がわかる。
前頭側頭型認知症の環境要因との関連性がわかる。

前頭側頭型認知症(frontotemporal demenita;FTD)は、前頭葉および側頭葉の神経細胞が徐々に破壊され、萎縮することで発症する神経変性疾患です。
FTDの原因は複数あり、遺伝的要因や環境要因が関与しています。
この記事では、FTDの主要な原因と危険因子、さらに予防法についても詳しく説明します。

前頭側頭葉型認知症の遺伝的要因

前頭側頭葉型認知症の遺伝的要因
前頭側頭葉型認知症(frontotemporal demenita;FTD)は、前頭側頭葉変性症という、大脳の前頭葉や側頭葉を中心とする神経変性疾患の一つです。
頭頂葉や側頭葉は、性格や行動、言語に関連しています。
そのため、前頭側頭葉変性症の人の中には、性格が変化する人もいます。
社会的に不適切な行動をとったり、衝動的な行動をとったり、感情的に無関心になる場合もあります。
また、適切に言語を使用できなくなる人もいます。
また、運動障害なども緩やかに進行していきます。
前頭側頭葉変性症の中でも、徐々に悪化する異常行動や認知機能障害を認め、それらによって日常生活が脅かされる場合を前頭側頭葉型認知症(frontotemporal demenita;FTD)と呼びます。
FTDは、抑制が効かなくなる様な行動(脱抑制行動)や、無関心または無気力、共感や感情移入の欠如、一つのことに固執したり同じことを繰り返す常同性、また食習慣の変化、遂行機能障害といった要素の3つ以上の項目が満たされる場合に診断されます。
70歳以上で発症することは稀で、アルツハイマー型認知症よりも若い年齢で症状が現れ始めることが多くみられます。
FTDの原因としては、前頭葉や側頭葉のみにみられる神経細胞の脱落、つまり神経細胞が死んでしまうということがあります。
FTD患者において残っている神経細胞やグリア細胞と呼ばれる細胞には、タウ蛋白やTAR DNA-binding protein of 43kD(TDP-43)蛋白、fused in sarcoma(FUS)があることがわかっています。
しかし、なぜこのような変化が起こるのかについてはわかっていません。
一方で、家族性の前頭側頭葉変性症の症例もみられ、遺伝的な要因が関係していることも明らかになっています。
欧米では、家族歴つまり家族に前頭側頭葉変性症の方がいる場合に本人も前頭側頭葉変性症になる症例が30〜50%にみられるようですが、日本では稀と言われています。
家族性の場合には、タウ遺伝子やTDP-43遺伝子、プログラニュリン遺伝子といった遺伝子に変異が見つかっています。
また、C9orf72遺伝子の塩基反復伸長とMAPTおよびGRN遺伝子の変異はFTDを引き起こす最も一般的な遺伝子変化と言われています。
C9orf72遺伝子の塩基反復伸長とMAPTの変異は、過剰なリン酸化タウ蛋白の蓄積に繋がります。

前頭側頭型認知症と前頭側頭葉型認知症の違い

前頭側頭型認知症(FTD)と前頭側頭葉型認知症は、同じ疾患のことを指します。
FTDは、前頭側頭葉変性症という病気の一つであり、特に行動や認知機能に障害が強く出ているタイプのことを指しています。
間違えやすい病気としては、アルツハイマー病やレヴィ小体型人治療、血管性認知症、進行進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、統合失調症、うつ病などの精神疾患、発達障害があります。

前頭側頭葉型認知症の予防法

前頭側頭葉型認知症の予防法
FTDの発症要因としては、まだ明らかになっていない部分も多くあります。
一方で、散発生FTD患者、つまり家族にFTDの方がいない患者と、家族性FTDの方について、その発症に関する環境要因を調べたヨーロッパでの研究があります。
その結果、散発性FTD患者は家族性FTD患者と比較して教育年数が短かったということがわかりました。
また、家族性FTD患者は散発性FTD群と比較して心臓疾患の有病率が低かったそうです。
つまり、心血管系の負担が、散発性FTDの方で高かったということです。
この原因に理由についてはまだ完全には解明されていませんが、心血管系の病気のリスクを下げることで、FTDのリスクを下げることに繋がる可能性が示唆されています。
そのためには、以下のようなことが有効です。

  1. 健康的な食事
    • 果物、野菜、全粒穀物、低脂肪の乳製品、魚、ナッツなどをバランスよく摂取する。
    • 飽和脂肪、トランス脂肪、塩分、糖分の摂取を控える。
  2. 定期的な運動
    • 週に少なくとも150分の中程度の有酸素運動(例:ウォーキング、ジョギング、サイクリング)を行う。
    • 筋力トレーニングを週に2回以上行う。
  3. 禁煙
    • 喫煙は心血管系の病気の主要なリスク要因です。
      禁煙することでリスクを大幅に減少させることができます。
  4. 適切な体重管理
    • BMI(体格指数)を適切な範囲に保つことが重要です。
      過体重や肥満は心血管系の病気のリスクを高めます。
  5. ストレス管理
    • 適度な休息とリラクゼーションの時間を持つことが大切です。
      ストレスは血圧を上昇させ、心血管系の病気を悪化させる要因となります。
  6. 定期的な健康チェック
    • 血圧、コレステロール値、血糖値などを定期的に測定し、異常があれば早期に対応する。
  7. 飲酒の制限
    • 過度の飲酒は心血管系に悪影響を及ぼします。
      適量を守ることが重要です(男性は1日2杯、女性は1日1杯以下)。

これらの予防策を実践することで、心血管系の病気のリスクを効果的に減少させることができるでしょう。

まとめ

今回の記事では、前頭側頭型認知症(frontotemporal demenita;FTD)の原因や危険因子について、現在わかっていることを中心に解説しました。
心血管系の病気のリスクを下げることで、FTDの発症を抑えられる可能性があります。
また、健康的な生活を送ることで、脳卒中を予防できる効果も期待できます。
当院ニューロテックメディカルでは、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
また、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『狙った脳・脊髄の治る力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療®にて『狙った脳・脊髄の治る力を高める治療』です。
また、その治療効果を高めるために骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリ®の併用をお勧めしています。
脳卒中や神経変性疾患などの後遺症に対する再生医療にご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談くださいね。

よくあるご質問

前頭側頭型認知症の余命は?
前頭側頭型認知症の余命は、それぞれによって個人差があります。
しかし、根治療法は確立されていないため、緩徐進行性の経過をたどります。
発症からの平均寿命は、平均約6〜9年とされています。

前頭側頭型認知症は完治しますか?
前頭側頭型認知症は現在、完治する方法はありません。
治療は主に症状の進行を遅らせ、生活の質を維持することを目的としています。
研究が進む中で、新しい治療法の開発が期待されています。

<参照元>
前頭側頭葉変性症(指定難病127):https://www.nanbyou.or.jp/entry/4841
前頭側頭葉変性症 (ぜんとうそくとうがたにんちしょう)とは | 済生会:https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/frontotemporal_dementia/
Frontotemporal dementia – Symptoms and causes – Mayo Clinic:https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/frontotemporal-dementia/symptoms-causes/syc-20354737
8 章 前頭側頭葉変性症:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_08.pdf
Modifiable potential risk factors in familial and sporadic frontotemporal dementia:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/acn3.51619

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