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脳卒中

 脳出血の共同偏視とは?種類や治療や予後について

この記事を読んでわかること

当記事では脳梗塞や脳出血の症状である共同偏視についての症状や治療について詳しく解説しています。今回の記事を読めば、共同偏視の種類や基本的な治療だけでなく、予後についても理解することができます。ぜひ最後までお読みください。

共同偏視という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
共同偏視は、脳出血の典型的な眼の症状であり、脳出血の種類によってさまざまなタイプの共同偏視が現れます。
具体的にどんな種類の共同偏視があり、どんな治療方法があるのか気になる方もいるかと思います。
そこで、この記事では、共同偏視の種類や治療、予後などについて詳しく説明します。

共同偏視とは

共同偏視とは
共同偏視とは、病的な視線移動のことであり、片側へ眼球が強く偏位することを言います。

脳出血だけでなく脳梗塞や頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、てんかん発作など脳の損傷を示す医学的徴候であり、眼の瞳孔が片側に移動します。
共同偏視は、眼球運動を支配する経路が、大脳皮質から脳幹の核に至るまでの間で障害されていると起こります。
具体的には、脳の一部である橋のPPRF(傍正中橋網様体)という部分が関係しており、外転神経(眼球を外転させる)と動眼神経(眼球を内転させる)への刺激を司ります。
脳出血などによって、このPPRFが圧迫されると刺激が阻害され、うまく伝達が出来なくなり共同偏視が現れます。

共同偏視の種類と機序

脳出血は出血が起こる部位によってさまざまな種類がありますが、以下のような眼症状を主とした特徴的な神経症状を引き起こします。

  • 被殻出血 : 患側に向く共同偏視
  • 視床出血 : 内下方への共同偏視
  • 小脳出血 : 健側に向く共同偏視

では共同偏視が起こる機序と共にそれぞれ詳しく見ていきましょう。

①患側の共同偏視

大脳半球の障害においては、患側へ向く共同偏視がみられ、特に被殻出血が代表的です。
例えば、左の大脳皮質が脳出血や脳梗塞によって損傷を受けた場合は、右PPRFへの刺激が阻害されます。

これによって、右側への眼球運動障害が起こり、患側(この場合は左)への共同偏視が出現します。

②健側の共同偏視

脳幹(小脳)の障害においては、病巣の反対側へ向かう共同偏視が出現します。
例えば、右の小脳出血の場合は右PPRFが障害され、右外転神経が障害され右目が左に寄ります。
同時に左目の動眼神経にも刺激が伝達されないため、左目の内転もできなくなります。
この結果として、健側(この場合は左側)への共同偏視が出現します。
その他にも、てんかん発作など前頭葉の病変でも刺激の反対側へ偏位がみられますが、長時間は持続しません。

③内下方共同偏視

内下方共同偏視は、両眼が下方または内下方を向いているもので、視床出血で起こります。

共同偏視の治療は?

では、共同偏視はどのように治療できるのでしょうか?
脳出血発症後、共同偏視は数週間前後で正常にもどることが多いですが、原因疾患に対する薬物療法を行わないと、偏位は永久的である場合もあります。
高血圧は脳出血発症の最大の危険因子であるため、原則として収縮期血圧を140mmHg 未満まで降下させることで、血腫拡大を低減させ予後を改善することができます。
また、薬物治療で十分な治療が確保できない場合は、拡大した血腫を外科的に取り除く治療も行う場合があります。

共同偏視を伴う脳出血の予後は?

一般的に脳出血は予後不良とされ、大多数例は社会復帰困難と考えられています。
依然としてその死亡率は他の脳卒中に比べて高く、意識障害などの重篤な病態を呈する例も多いです。
しかし、必ずしも予後は不良というわけではなく、ほとんど後遺症を残さず社会復帰可能となる例も少なからずあります。
被殼出血又は視床出血114例の生命予後、機能予後および予後規定因子等を比較検討した研究データによると患側への共同偏視は被殼出血に多くみられ、予後不良例が多く、眼球運動異常のある例は正常例と比べ、予後は有意に不良という結果が出ています。
また、内下方の共同偏視は視床出血のみに認められ、同様に予後は不良です。
さらにこの研究によると、予後が不良となる要因としては以下のようなものが挙げられます。

特定の眼症状

被殼出血および視床出血ともに、眼症状としては患側の瞳孔散大を示す瞳孔不同、対光反射の消失があれば予後不良である。

高齢者

年代別の予後としては、被殼出血および視床出血ともに高齢者ほど予後不良例が多い。特に80歳代では予後はきわめて不良であり、40歳代の視床出血は生命予後不良である。

意識レベル悪化例

被殻出血では視床出血と比べ、発症後3日以内に意識レベルの変動する例が多く、 意識レベル悪化例の予後はきわめて不良である。

共同偏視と再生医療

また、慢性期の脳梗塞治療に関しては近年では再生医療の導入も浸透してきています。
適切な治療を受けて発症から時間が経っても、共同偏視などの症状が治らない場合でも、再生医療で共同偏視などの神経系の機能の回復が期待できるでしょう。

まとめ

今回の記事では脳出血に起こる共同偏視の種類や治療、予後などを中心に詳しく解説しました。
発症後は、主に眼症状をはじめ神経症状が強く現れ、重症例では意識障害や呼吸抑制などの重篤なものも現れます。
共同偏視の治療としては、薬物治療を行うことが基本となります。
ニューロテックメディカルでは脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する再生医療を取り入れることで、幹細胞治療を中心に再生医療にも取り組んでいます。
脳卒中に関する再生医療に興味がある方は、ぜひご相談ください。

<参照元>
脳血管障害の治療と予後に関する多施設共同研究|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke1979/12/5/12_5_493/_pdf
被殻出血および視床出血の予後に関する研究|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnms1923/54/1/54_1_63/_pdf/-char/ja

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