<この記事を読んでわかること>
・クミンの効果効能がわかる
・コリアンダーの効果効能がわかる
・スパイスと脳卒中の関係がわかる
「カレーで健康になるなんて本当?」と疑問を持つ方もいると思いますが、カレーに含まれるスパイスには、脳卒中リスクを減らす効果も期待されています。抗酸化作用や血圧低下、血糖低下などの効果が期待され、脳卒中を予防できる可能性もあります。そこで、この記事では脳卒中リスクを減らすカレーのスパイスパワーについて詳しく解説します。
コリアンダーの抗炎症作用とその効果
カレーを始め、多くの中華料理や東南アジア料理で重宝されるスパイス、コリアンダー。
地中海沿岸部が原産であり、未熟の果実と全草はカメムシに似た悪臭がすることから別名をカメムシソウと言います。
しかし、成熟した果実はよい香りがし、中国では香草(シャンツアイ)、タイではパクチーとして多くの料理に用いられる食材です。
日本でもスパイスとして使ったり、最近ではパクチーサラダなど生で摂取する機会も多いですが、実は下記のような効果効能が知られています。
- 胃液分泌作用
- 消化促進作用
- 抗菌作用
- 鎮静作用
- 抗炎症作用
- 抗酸化作用
特に消化管への作用は有名であり、胆汁分泌促進による消化促進・食欲増進効果や、胃液分泌効果を持つため、西洋では家庭の消化器薬としても用いられるそうです。
また、コリアンダーを摂取すると膵臓のβ細胞に作用し、インスリン分泌を促すことで血糖値を低下させる効果も期待されます。
またコリアンダーに含まれるビタミンB1には抗炎症作用が、カリウムには血圧を低下させる効果もあり、さまざまな効果が期待できます。
パクチーだと独特の匂いや風味が苦手!という方も多いかと思いますが、スパイスとしてカレーに入れると香り付けに最適であり、上記のような良い効果もたくさん含まれているため、ぜひ使ってみると良いでしょう。
クミンが血圧に与える影響
カレースパイスの中で、コリアンダーと同様に必要不可欠なのがクミンです。
クミンとはエジプト原産のセリ科の植物で、種子を粉末化したものがスパイスとして利用されています。
お肉の臭み取り・炒め物・揚げ物など、幅広い料理に利用されるクミンですが、実は下記のような効果効能を持ちます。
- 消化促進作用
- 免疫力向上作用
- 抗酸化作用
- 貧血予防
- 抗炎症作用
- 血圧低下作用
コリアンダー同様、さまざまな健康効果を認めますが、特に注目すべきは降圧(血圧を下げる)作用です。
クミンにはカリウムやマグネシウムといった成分が多く含まれており、血圧低下が期待できます。
血圧上昇の原因となるナトリウムを体外に排出するには、代わりにカリウムが必要なため、カリウム摂取によってナトリウム排出が促進し、降圧効果が期待できます。
また、マグネシウムには血管拡張作用があるため、カリウム・マグネシウムを豊富に含むクミンは高血圧予防にとっても重要です。
スパイスが救う脳卒中予備軍への警笛
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳卒中を予防するためには下記のような事に気をつける必要があります。
- 高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病を予防する
- 暴飲暴食を避けて肥満を予防する
- 喫煙は控える
高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病や喫煙は、どれも動脈硬化を進展させ、脳の血管を硬く・脆くしてしまいます。
また肥満は生活習慣病の発症リスクを増加させることが知られており、これらすべての要因が脳卒中の発症リスクを増加させるため、注意が必要です。
一度発症すると麻痺やしびれなどの後遺症が残ってしまう可能性があるため、いかに予防するかが非常に重要です。
そこで、この記事で紹介したようなスパイスを日常的に摂取することがその一助となるやもしれません。
一方で、クミンやコリアンダーだけ過剰に摂取するのはバランスが悪く、また油分の多いカレーばかり食べているとかえって脳卒中発症リスクを増加させてしまうリスクもあるため、食事はバランスを意識することが重要です。
まとめ
今回の記事では、脳卒中リスクを減らすカレーのスパイスパワーについて詳しく解説しました。
脳卒中によって脳細胞が壊死すれば基本的にその機能が改善することはなく、麻痺やしびれなどの後遺症として残ってしまいます。
歩行や体動などの基本的な日常動作が障害されるため、脳卒中は治療よりもいかに予防するかが重要です。
本記事で紹介したように、カレーのスパイスには一部脳卒中を予防する効果が期待されるため、ぜひ摂取してみると良いでしょう。
一方で、最近では脳細胞や血管内皮細胞の再生を目指す再生医療の発達も注目されています。
さらに、脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、脊髄や神経の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善困難だった脳卒中後の神経学的後遺症の改善が期待できます。
よくあるご質問
- 認知症予防にカレースパイスはどうですか?
- カレーライスに含まれるターメリックには、認知症予防効果を持つクルクミンが含まれています。クルクミンには認知症の原因であるアミロイドβの蓄積を予防・軽減する効果が報告されており、認知症予防ができると考えられています。
- カレーライスはボケ防止に効く?
- カレーに含まれるターメリックには認知症予防効果が期待されます。実際にカレーをよく食べるインド人と、そうでないアメリカ人では認知症発症率が4倍も差がある、という報告もあるほどです。
カリウム|厚生労働省 e-ヘルスネット:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
マグネシウムの働きと1日の摂取量|健康長寿ネット:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-mg.html