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医学的背景から見る構音障害と 失語症 の言葉が詰まる理由とは

<この記事を読んでわかること>
失語症とはどのような状態か
構音障害とは何か
失語症と構音障害の違いはどのようなものか
言葉をうまく発せられない場合、構音障害もしくは 失語症 の可能性があります。
構音障害は、声を出すための喉の筋肉などの器官がうまく働かない場合に起こり、失語症は大脳の中で言語をつかさどる言語中枢といった部分が障害された場合に起こります。
今回の記事では、この構音障害と失語症について、違いについても触れつつ解説していきます。

構音障害と 失語症 脳と言葉の科学

脳みその部位
ヒトの脳は大脳と間脳、中脳、橋、延髄といった5つの部位に区分されています。
そして、大脳は左右2つの半球体になっており、大脳は大脳半球とも呼ばれます。
大脳半球のその表層の灰白質(かいはくしつ)という少し灰色がかって見える部分を大脳皮質と呼びます。
大脳の表面にあるシワによって、大脳の前の方を前頭葉、頂上の部分を頭頂葉、後ろの方を後頭葉、側方の部分を側頭葉と呼びます。
そして、この区分によって機能もある程度決まっており、脳と身体の複雑な相互作用をもたらすのです。
脳の機能は、運動や知覚・感覚などがあります。
これらは左右の大脳半球皮質にそれぞれ機能を分担する部分が対称的に存在しています。
一方、言語にまつわる部分は片側の半球皮質にのみ分布しています。
右利きの人の大部分と左利きの人の半分くらいでは、左半球の運動野の側方に運動性の言語野(言語中枢)があり、発見者の名前にちなんでブローカの中枢(Broca ’s area )と呼びます。
かたや、言語の意味を理解する感覚性の言語野(ウェルニッケの中枢) はブローカの中枢と同じ側の側頭葉の上部に存在しています。
ウェルニッケ中枢の障害による失語症は感覚性失語症、ブローカの中枢の障害によるものは、運動性失語症と呼ばれています。

構音障害と 失語症 の違い

構音障害と失語症
脳血管障害による言語障害では、言葉が出てこない・言葉が詰まるという症状が現れます。
この症状は、実は構音障害(Dysarthia)と失語症(Aphasia)の2つの病態が主なものとなります。
この2つの原因の違いは、以下のようになります。
構音障害は、話し言葉の運動障害の全てを指します。
つまり発語発声器官の運動性の異常や、協調運動不全であり、上下肢の運動障害と同じようなものとして説明されます。
一方、失語症とは、大脳の器質的障害、つまり脳血管障害や脳腫瘍などで脳の一部が障害を受け、言語形成機能が障害されたものです。
言語をいったん獲得したのちに、大脳半球の言語野に病変を来たし、言葉の表出(言葉を理解すること)や了解(言葉を理解すること)の障害が起こっている状態を指します。

構音障害と 失語症 原因となる脳のメカニズム

脳各部
それでは、失語症の原因となる脳のメカニズムとはどのようなものでしょうか。
失語症は、言語能力の障害を指す一般的な用語であり、その原因となる脳のメカニズムはさまざまです。
以下に、主な失語症の原因となる脳のメカニズムをいくつか説明します。

脳損傷

外傷や交通事故などで先ほど述べたブローカ野やウェルニッケ野が損傷してしまうと、失語症が起こる恐れがあります。
また、角回と呼ばれる部位の損傷によって、言語処理に関与する他の脳領域や経路が妨げられてしまいます。
これらが損傷すると、異なる種類の失語症が発生する可能性があります。

脳の神経伝達物質の異常

脳内の神経伝達物質の不均衡や異常も失語症の原因となり得ます。
神経伝達物質の適切な働きが妨げられると、言語処理や制御に問題が生じる可能性があります。

脳の血流異常

脳卒中や血管異常による脳の血流異常も失語症を引き起こす可能性があります。
脳に十分な酸素と栄養が供給されないと、脳機能が損なわれることがあります。

脳の炎症や腫瘍

脳における炎症や腫瘍も失語症の原因となり得ます。
これらの状態が言語処理に影響を与えることがあります。

治療法とリハビリテーション

リハビリテーション
最後に、失語症の治療法とリハビリテーションについて解説します。
失語症の治療とリハビリテーションのためには、残存する言語能力を活用したり、障害された言語機能回復を訓練したり、さまざまな非言語性手段を利用したり、さらに医療スタッフや家族などへのコミュニケーション方法の指導が重要です。
失語症の急性期には、言語聴覚士や医師を中心とし、言語がどの程度使えるかを把握し、コミュニケーションの可能性を探っていきます。
患者さんの理解障害はほぼ必発なので、言語性または非言語性の表現で状況を伝えられるようにします。
また、表出、つまり言語を発することの障害も多いので、「はい/いいえ」で答えられる質問を行います。
また、失語症の方の家族への説明も行っていきます。
なお、脳卒中治療ガイドライン2009では、言語聴覚療法は、発症早期から集中的に、専門的に行うことが勧められる、とされています。
経過としては、失語症は脳卒中発症後2週間の間にもっとも改善し、おおよそ12か月で急性期に認めた失語症の40%は改善するとされています。
また、軽度失語症は発症後2週間、中等度失語症は6週間、重度失語症は10週間が最も回復される、ともされているので、見通しとして知っておくと良いでしょう。

まとめ

今回の記事では、構音障害と失語症について、その違いも踏まえながら解説しました。
脳血管障害による失語症は、軽快していく症例も多いのですが、何割かの方は後遺症として残ってしまう場合もあります。
従来、一度損傷を受けた神経細胞が完全に修復されることは難しいとされてきました。
そんな中、再生医療によって傷ついた神経細胞の機能を回復することが望まれています。
そうしたニーズもあり、当院では『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『脳の治る力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×再生医療、骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリにて脳の治る力を高める治療です。
再生医療についてご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。

あわせて読みたい記事:脳梗塞の後遺症治療
<Q&A>
構音障害と失語症の違いは何ですか?
構音障害は発声器官に問題があり、明瞭で正確な発音ができなくなってしまうことです。一方、失語症は言語の理解や表現に障害が生じるために言葉をうまく話したり、意味を理解することが困難になる状態です。
失声症と失語症の違いは何ですか?
失声症は文字どおり、声が出なくなる症状で、声帯の振動が全くなくなり声が出なくなります。一方、失語症は脳卒中や交通事故により脳に何らかの障害を負うことで大脳の言語をつかさどっている部分の損傷によって引き起こされます。
<参照元>
脳の機能と構造.1987.ファルマシア:23(8);811-817.https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/23/8/23_KJ00002920028/_pdf/-char/ja
脳血管障害患者における言語障害について.1965.日本老年医学会雑誌:2(5);307-313.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/2/5/2_5_307/_pdf
構音障害 – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – MSDマニュアル家庭版:https://www.msdmanuals.com/
失語症臨床の基本的諸問題.2021.認知神経科学:22(2);68-77.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninchishinkeikagaku/22/2/22_68/_pdf/-char/ja
失語症.2009.高次脳研究:29(2);194-205.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/29/2/29_2_194/_pdf
失語のみかた:よりよい治療・リハビリテーションのために.2014.Jpn J Rehabil Med:51;267-270.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/34/4/34_374/_pdf
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