・脳卒中とは
・脳卒中のリハビリ
・日常生活への障害
脳卒中は脳の血管が詰まるか破れることが原因で、脳細胞が壊死する病気です。年間に多くの方が新たに発生しています。
これは主に高齢化の影響によると言われており、脳卒中の患者数は、現在では100万人以上と推定されています。
さらに、介護保険制度を利用する方は、脳卒中が原因で必要となるケースが非常に多いと報告されています。
特に、最も重度の介護が必要な「要介護5」の寝たきりの状態にある方々の3分の1にものぼる数が、脳卒中の後遺症によるものです。
このような事態を考えると、脳卒中の後遺症についても、リハビリテーションを通じた身体障害の軽減は、社会全体として取り組むべき重要な課題と言えそうです。
リハビリテーション治療はチーム医療
リハビリは、それぞれの専門分野のプロフェッショナルたちが集まって行う「チーム医療」です。
医師が機能評価など行い、疾患の管理やリスクの管理を担当します。
医師の指導のもと、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが自分たちの専門性を活かしてリハビリテーションに取り組みます。
看護師もまた、患者様のケアに尽力します。その他に、福祉用具相談員や医療ソーシャルワーカーも、患者様の社会復帰を支える役割を果たします。
このような多職種によるチーム医療体制は、医療保険、介護保険、自費などでサポートの範囲は異なるものの、患者様一人ひとりの可能性を最大限に引き出そうと、必要な支援を提供するために存在しています。
脳卒中のリハビリは「病状が発生した部分」により内容が異なる
脳卒中は、正式には「脳血管障害」と呼ばれ、特定の脳領域への血流が何らかの異常により減少する病状を指します。
脳卒中には、血管が詰まる虚血性(脳梗塞)と、血管が破れる出血性(脳内出血・くも膜下出血)の二種類があります。
脳卒中の発生は、血管の損傷により、詰まった血管の先の脳組織に必要な血液が供給できなくなったり、出血した血液が周囲の脳組織を傷つけたりします。
これにより脳の正常な機能が阻害され、後遺症を引き起こす可能性があります。
脳は思考や記憶、運動などを制御する複数の領域から構成されており、これらが複雑に結びついて機能しています。そのため、血栓や出血が発生した部位により、麻痺や障害が発生しやすくなる場所にも違いがあります。
また、病状の発生した部分により、状態には個人差があるため、必要なリハビリの内容も患者様ごとの後遺症に合わせて多様となります。
脳卒中のリハビリは自主トレも推奨
現在の日本では脳卒中の発症から、半年後にはリハビリの効果が落ち込むとされ、「障害の固定」または「障害認定」と呼ばれる時期が設けられています。
しかし、回復の進行が人それぞれに異なるため、半年以上経過した後でも回復が進む方々はたくさんいます。
ご自身の病状を理解し、目標に向けて少しずつ進むことが重要です。
リハビリは医療保険や介護保険の下で行われますが、時間的な制約があるため、自己負担(自由診療)のリハビリを選択する方もいらっしゃいます。
それに加えて、自主トレも強く推奨します。ご自身の身体の理解を深めることは、問題解決の一歩となります。
日常生活への障害
日常生活の中で脳卒中が引き起こす困難は多岐にわたります。
自動車運転などもその一つで、脳卒中後は必要な身体的機能や注意力が制約されるため、運転が困難になることがあります。リハビリはこうした機能の改善を目指すものです。
さらに、日常生活動作に対する対応力もリハビリの焦点となります。ベッドと車椅子の間での移動や歩行、着替え、入浴、トイレ食事など身の回りの生活活動が含まれます。
言語障害(言語の麻痺)
脳卒中が特定の脳の部位を影響すると、結果として言語障害が発生することがあります。これは、発話が困難になったり、他者の言葉を理解できなくなったりする状態を指します。これにより、重要なコミュニケーション手段が制限されてしまいます。
このような言語障害に対するリハビリテーションでは、麻痺した口や首の機能を強化することや言葉の発声練習などが行われます。
手足の麻痺
脳卒中の影響で手足に麻痺が残ることはよくあります。この麻痺は、運動麻痺と感覚麻痺の2つに大別されます。
手に麻痺が生じた場合、日常生活の動作、例えば、歯磨きや食事をするなどの動作などが困難になります。
足の麻痺があると、特に歩行に大きな影響を受けます。
リハビリテーションでは、脳梗塞後の麻痺に対し、麻痺した手足を積極的に使うことが鍵となります。リハビリには、電気刺激療法やウォーキングマシンを用いた歩行訓練、CI療法(拘束し集中的に)などが使用されることがあります。
高次脳機能障害
高次脳機能障害は、記憶、注意、遂行機能、行動などの一部を含む広範な障害の総称で、認知障害も含むことがあります。これらの障害は、日常生活やコミュニケーションに重大な影響を及ぼします。
このリハビリには、反復練習や指差し練習など、一連の手順を何度も繰り返す方法が選ばれることがあります。これは、特定の行動を身につけることで、機能の再構築を目指すものです。
脳卒中リハビリ完全ガイドまとめ
脳卒中の影響は、それぞれの患者様によって異なり、症状や障害に対して適切なリハビリテーションが必要となります。
ここではその一部を解説しました。麻痺、言語障害、日常生活での困難、高次脳機能障害など、脳卒中の後遺症は多岐にわたりますが、それらに対する専門的なリハビリテーションが存在します。
そして、当院では神経再生リハビリ®という先進的なアプローチを採用しています。これは再生医療を組み合わせたて同時に行うリハビリテーションで、損傷した神経細胞の再生(自己治癒)能力を高めることを目指しています。
昔は一度損傷した脳や脊髄の神経細胞が再生するとは考えられていませんでしたが、医学の進歩により、その再生能力が確認されつつあります。
当院の専門医やスタッフは、患者様の自己治癒力を最大限に引き出すための治療を提供します。
神経再生リハビリ®を通じて、私たちは患者様のリカバーパートナーとなり、一緒に回復の道を歩んで参ります。
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脳卒中による痺れと麻痺の改善にはリハビリテーションが重要です。具体的には、運動療法、物理療法、言語療法があります。運動療法は筋肉の収縮や血液循環を改善し神経の回復を目指します。物理療法は電気刺激やマッサージなどを利用して筋肉の動きを改善させます。言語療法は会話や嚥下の障害を改善し日常生活の質を向上させます。
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