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脊髄損傷

 全身性エリテマトーデス(SLE)が引き起こす脊髄炎の症状と対処法とは?

<この記事を読んでわかること>
SLEが脊髄炎を引き起こすメカニズムがわかる。
脊髄炎の初期症状と早期発見の重要性がわかる。
脊髄炎の治療におけるリハビリの重要性がわかる。

全身性エリテマトーデス(SLE)による脊髄炎は、免疫系の異常が引き起こす脊髄の炎症性疾患です。
早期発見と適切な治療が回復の鍵となります。
再生医療やリハビリも、脊髄炎の症状緩和に役立ちます。
この記事では、SLEと脊髄炎の関連性、発症メカニズム、初期症状の見極め方、治療方法、そしてリハビリの重要性について詳しく解説します。

SLEと脊髄炎の関連性とそのメカニズム

SLEと脊髄炎の関連性とそのメカニズム
SLEとは、systemic lupus erythematosus:全身性エリテマトーデスという病気のことです。
SLEでは、全身のいろいろな部位に多数の症状が起こります。
原因ははっきりとはわかっていませんが、免疫の異常が関連している自己免疫疾患と考えられています。
特に中枢神経系(CNS)が影響を受ける場合、これを「中枢神経性ループス(NPSLE)」と呼びますが、脊髄炎もその一つの症状として発症します。

SLEによる脊髄炎の発症メカニズム

SLEでは、体内の免疫系が脊髄の神経組織を異物として認識し、攻撃してしまいます。
これにより脊髄内に炎症が発生し、神経細胞の伝達機能が障害されることで、手足のしびれや運動障害、さらには感覚異常が生じることになります。
具体的には、以下のようなメカニズムが考えられています。

  1. 免疫複合体の形成と沈着
    SLE患者の血液中には抗体と抗原が結合して形成される免疫複合体が増加し、これが脊髄などの組織に沈着することで炎症反応を引き起こします。
    脊髄におけるこの免疫反応は、脊髄炎を引き起こす主な要因とされています。
  2. 抗リン脂質抗体症候群との関連
    SLE患者の一部では、抗リン脂質抗体が検出され、これが血栓形成を促進します。
    脊髄における血流が障害されると、脊髄組織に酸素や栄養が十分に供給されなくなり、結果として脊髄炎が発症することがあります。
    この血管障害が神経症状の原因になると考えられています。
  3. 自己抗体による直接攻撃
    SLEでは、抗体が神経細胞そのものを攻撃するケースも報告されています。
    これにより、脊髄の神経組織が損傷し、機能不全を引き起こすことがあります。
    特に脊髄に炎症が広がると、横断性脊髄炎という病態に進行することが多く、これは脊髄全体に炎症が及び、深刻な運動機能障害をもたらすことがあります。

SLE脊髄炎の特徴

SLEによる脊髄炎の臨床的特徴は、急激に進行する運動機能の低下や感覚障害、排尿・排便のコントロール障害が挙げられます。
また、中枢神経性ループスの一環として発症するため、頭痛、意識障害、さらには精神症状を伴うこともあります。

脊髄炎の初期症状と早期発見の重要性

脊髄炎の初期症状は、多くの場合、手足のしびれや筋力低下です。
特に、両手足が同時にしびれる場合や、急に動きにくくなる場合は注意が必要です。
また、背中や腰の強い痛み、排尿や排便の異常も初期症状の一部として挙げられます。
これらの症状が急速に進行する場合、脊髄炎の可能性があり、早期発見が回復の鍵を握ります。
脊髄炎は急激に進行することが多いため、初期症状を見逃さないことが非常に重要です。
特にSLEの患者は、自己免疫疾患を持っているため、これらの症状が現れた場合には自己判断せず、早急に医師に相談することが大切です。
MRIなどの画像検査を通じて、脊髄の炎症を確認し、適切な治療計画を立てることが大切です。

発症後の治療と日常生活で気をつけたいポイント

発症後の治療と日常生活で気をつけたいポイント
SLEによる脊髄炎が発症した場合、治療の主な目的は炎症を抑え、神経へのダメージを最小限に抑えることです。
治療には免疫抑制薬やステロイドが用いられますが、個々の症状や進行状況に応じて調整が行われます。
これまでのところ、SLEによる脊髄炎に対しては、ステロイドおよびシクロフォスファミドパルスの併用療法が有効であったとする報告が多くみられます。
さらに、理学療法やリハビリテーションを通じて、筋力や運動機能の回復を目指すことも重要です。
日常生活においては、ストレス管理が非常に重要です。
SLE自体がストレスにより悪化することがあるため、日常的にリラクゼーション法を取り入れることや、適度な運動を続けることが推奨されます。
また、感染症予防も重要です。
定期的な健康チェックを行い、免疫力を高めるよう心がけることが大切です。
バランスの取れた食事や十分な休養も、回復を助ける要素となります。

まとめ

SLEによる脊髄炎の臨床的特徴は、急激に進行する運動機能の低下や感覚障害、排尿・排便のコントロール障害が挙げられます。
また、中枢神経性ループスの一環として発症するため、頭痛、意識障害、さらには精神症状を伴うこともあります。
脊髄炎の治療方法の一つとして、再生医療による神経の修復が期待されています。
当院脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
脊髄炎による麻痺やしびれといった症状の治療法をお探しの方も、ぜひ一度当院までご相談ください。

よくあるご質問

脊髄炎の初期症状は?
脊髄炎の初期症状には、手足のしびれや筋力低下が含まれます。
特に、両手足が同時にしびれる場合や、急に動きづらくなることが特徴です。
また、背中や腰の痛み、排尿・排便の異常も初期症状として現れることがあります。
これらの症状が急激に進行する場合には、早急に医師の診察を受けることが大切です。

全身性エリテマトーデスの中枢神経症状は?
全身性エリテマトーデス(SLE)の中枢神経症状は、中枢神経性ループス(NPSLE)として知られ、頭痛、けいれん、意識障害、精神症状、そして脊髄炎などがあります。
これらの症状は脳や脊髄に炎症が生じるために発症し、早期の診断と治療が非常に重要です。

<参照元>
III.膠原病合併脳症 – J-Stage:https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/8/106_1555/_pdf
多彩な症状を呈した中枢神経性ループス、ループス脊髄炎に対しステロイドパルス療法およびシクロホスファミドパルス療法が奏功した一例.Jpn. J. Clin. Immunol.2007;30(5):414-418.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsci/30/5/30_5_414/_pdf
全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49):https://www.nanbyou.or.jp/entry/53

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