点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

リハビリ・その他

 脳梗塞とエリテマトーデスを併発した際の治療法

<この記事を読んでわかること>
エリテマトーデスの病態がわかる
エリテマトーデスで脳梗塞を併発しやすくなる理由がわかる
エリテマトーデス患者が日常生活で気をつけるべきことがわかる

エリテマトーデスとは、自身の免疫細胞が全身の臓器や細胞を攻撃してしまう病気です。
エリテマトーデスの治療に用いられるステロイドは長期使用で動脈硬化を招き、脳梗塞の発症リスクを増大させるため注意が必要です。
この記事では、エリテマトーデスの病態や治療法、脳梗塞との関連について詳しく解説します。

エリテマトーデスの治療が脳梗塞に与える影響

エリテマトーデスの治療が脳梗塞に与える影響
皆さんはエリテマトーデスと呼ばれる病気をご存じでしょうか??
エリテマトーデスは自己免疫性疾患の1種であり、本来自身の身体を守るはずの免疫細胞が誤って自身の正常な臓器や組織を攻撃してしまう病気です。
免疫細胞は自己を攻撃する抗体、いわゆる自己抗体を産生し、その自己抗体が全身のさまざまな臓器や組織を攻撃するため、関節・皮膚・腎臓・肺・中枢神経(脳や脊髄)・末梢神経など、多彩に攻撃され、出現する症状も多岐にわたります。
(参照サイト:全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)|難病情報センター)
エリテマトーデスにおける神経障害においては、痙攣や意識障害などの神経症状が出現しやすく、また自己抗体の中でも抗カルジオリピン抗体が産生されるタイプの場合、血管内で血栓が形成されやすくなるため、多発脳梗塞を引き起こす可能性があります。
(参照サイト:原発性抗リン脂質抗体症候群(指定難病48)|難病情報センター)
エリテマトーデスの治療は活性化する自己免疫を抑制することであり、そのためには副腎皮質ステロイドの長期内服が必要です。
一方で、副腎皮質ステロイドの長期内服は下記のようなさまざまな副作用を伴います。

  • 免疫が抑制されることで感染症を発症しやすくなる
  • 骨粗鬆症
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症

特に注意が必要な点は、副腎皮質ステロイドの投与によって血糖値の上昇や高脂血症、高血圧を併発するため、長期的に使用すると動脈硬化が進展する点です。
(参照サイト:副腎皮質ステロイド|日本リウマチ学会)
動脈硬化が進めば血管壁内にアテロームが形成され、アテローム性血栓性脳梗塞の原因ともなるため、エリテマトーデスでは脳梗塞の発症に注意する必要があります。

栄養管理と血管障害の改善に役立つ食事

栄養管理と血管障害の改善に役立つ食事
では、どのようにエリテマトーデスに伴う脳梗塞を予防すべきでしょうか?
治療で副腎皮質ステロイドの使用は避けられないため、それ以外の方法で動脈硬化を予防することが重要であり、主に下記のような食事療法が重要です。

  • 過剰な脂質・塩分・糖質を避ける
  • 果実や緑黄色野菜などからカリウムを摂取する
  • カルシウムを摂取する
  • タンパク質を十分量摂取する
  • ビタミンBやCを十分量摂取する

副腎皮質ステロイドの摂取によって血糖値の上昇や高脂血症、高血圧のリスクが増加するため、摂取する脂質・塩分・糖質は控え、代わりに果実や緑黄色野菜、またカルシウムの豊富な小魚など摂取すると良いでしょう。
また、副腎皮質ステロイドはタンパク質を分解する作用があり、筋肉が痩せ細ってしまうため、食事からはしっかりタンパク質を摂取するようにしましょう。
さらに、免疫力低下で感染症を発症しやすくなるため、ビタミン類を摂取して基礎体力を向上すると良いでしょう。

医療関係者と家族の連携で生活の質を高める方法

エリテマトーデスは適切な治療を受ければ10年生存率も95%を超える、比較的予後良好な疾患です。
しかし、腎障害、中枢神経病変、心臓病変、肺病変、血管炎などの臓器障害を伴う場合、臓器障害に伴う症状で命を落としたり、大量のステロイド内服による副作用で日常生活に苦しむ方も少なくありません。
そこで重要なのが、医療関係者と家族が連携して患者の日常生活をサポートすることです。
適切な食事内容を医療関係者は家族に伝え、それを実践して患者の生活をサポートすることが重要です。
また、運動は重要ですが骨粗鬆症を併発していると骨折リスクも上がっているため、家族は患者が強度の高い運動を行わないように見守りましょう。
さらに、エリテマトーデスでは寒冷刺激や精神的ストレスによって血管が収縮し、手指末梢の血流が悪化することで紫に色に変色し、その状態が続くと壊疽や潰瘍形成の原因となります。
掃除や洗濯、料理では冷水に触れる機会が増えるため、極力家族で家事を分担するようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞とエリテマトーデスを併発した際の治療法について詳しく解説しました。
エリテマトーデスは脳や脊髄などの中枢神経系を直接障害する可能性があり、また治療に使用するステロイドは長期使用で動脈硬化を進展させるため、脳梗塞を発症するリスクが上がります。
ただでさえエリテマトーデスでは日常生活で注意すべきことが多い中、脳梗塞を発症すればさらに生活が困難となります。
そこで、近年ではエリテマトーデスによる中枢神経障害や、エリテマトーデスの治療に伴う脳梗塞の発症に対し、新たな治療法として再生医療が大変注目されています。
ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善の困難であったエリテマトーデスに伴う神経障害の改善が期待できます。

よくあるご質問

エリテマトーデスの合併症で死に至るものは?
エリテマトーデスは一般的に予後良好な疾患ですが、肺や腎臓・心臓・中枢神経系などの臓器が障害された場合、死に至る可能性があります。
特に、急速な間質性肺炎の進行による呼吸不全は命に関わるため、注意が必要です。

SLEの合併疾患には何がありますか?
SLEの合併疾患には、ループス腎炎・蝶形紅斑(皮膚疾患)・精神神経ループス・心外膜炎・間質性肺炎・腹膜炎・血小板減少などが挙げられ、全身のさまざまな臓器が障害されるリスクを伴います。

<参照元>
1全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)|難病情報センターhttps://www.nanbyou.or.jp/entry/53
2原発性抗リン脂質抗体症候群(指定難病48)|難病情報センターhttps://www.nanbyou.or.jp/entry/4101
3副腎皮質ステロイド|日本リウマチ学会https://www.ryumachi-jp.com/

関連記事

外部サイトの関連記事:脳梗塞とエリテマトーデスの関係性とは?

治療後の症例のご案内




    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。




    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    年齢の選択

    地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。

    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。

    公式Instagram

    関連記事

    PAGE TOP
    貴宝院医師