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リハビリ・その他

 進行性核上性麻痺(PSP)の原因と症状を分かりやすく解説

<この記事を読んでわかること>

進行性核上性麻痺の主な原因とは?
進行性核上性麻痺の特徴的な症状
PSPの治療法とその効果


今回は、進行性核上性麻痺(PSP)の原因と症状を分かりやすく解説します。進行性核上性麻痺(PSP)は、脳内の特定部位に異常な蛋白が蓄積することで起きる神経変性疾患です。原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因が関与していると考えられています。進行は緩徐であり、早期の診断と適切な対症療法が重要です。

進行性核上性麻痺の主な原因とは?

進行性核上性麻痺の主な原因とは?
この記事では進行性核上性麻痺の主な原因とは?について解説します。
まだ完全には解明されておりませんが、主な原因は、脳内における異常蛋白であるタウ蛋白が異常に蓄積することです。
タウ蛋白は正常な状態では神経細胞内の微小管の安定化を助ける役割を果たしますが、PSPでは異常に蓄積し、神経細胞の機能障害や壊死を起こします。
この異常蛋白がなぜ異常に蓄積するかの詳細は不明です。
でも、遺伝的要因と環境的要因が複合的に関与していると考えられています。
遺伝的要因としては、タウ蛋白をコードするMAPT遺伝子の変異との関連が考えられています。
これにより、タウ蛋白の構造や機能が変化し、異常な蓄積が起こる可能性が示唆されています。
環境的要因も、明確ではありませんが、特定の化学物質、環境汚染物質、外的ストレスが発症リスクを増加させる可能性が示唆されています。
また、他の神経変性疾患と同様に、加齢が発症リスクを高める要因の一つとして考えられています。

進行性核上性麻痺の特徴的な症状

この記事では進行性核上性麻痺の特徴的な症状について解説します。
症状は、多岐にわたりますが、運動機能障害と認知機能障害が中心となります。
まず、最も特徴的な所見は眼球運動の障害です。
特に、上下方向の眼球運動が困難になることが多いです。
これは、核上性麻痺と呼ばれる現象で、脳内の中脳の障害によって起こります。
運動機能障害には、歩行障害と姿勢異常が挙げられます。
これらは早期に現れる症状です。
歩行障害では、足がすくんで前に出にくくなったり、歩いているうちにだんだんスピードが速くなって止まれなくなったりといった現象がみられます。
姿勢保持障害では、首が後ろに反り返ったり、体が硬直したり、猫背になるなどの姿勢異常が現れます。
また、無意識のうちにバランスを失い、後方への転倒が頻繁に見られます。
このため、頭部や顔面に外傷を負うリスクが高まります 。
その他の症状としては、構音障害(言葉が聞き取りにくくなる)、嚥下障害(飲み込みにくくなる)、認知機能の低下などが挙げられます。
認知機能の低下として、記憶障害、判断力の低下、思考の遅延などが見られます。

PSPの治療法とその効果

この記事ではPSPの治療法とその効果について解説します。
根本的な治療が存在しないため、症状の進行を抑え、生活の質を向上させることに主眼がおかれます。
以下に主要な治療法とその効果について説明します。
まず、薬物療法が一般的に用いられます。
パーキンソン病の治療に使用されるドパミン作動薬や抗コリン薬などがあります。
発症初期は、筋肉の固さや動作の緩慢さといった症状を改善する効果が期待できます。
しかし、長期的な効果は期待できず、効果が無くなったり、逆に症状が悪化したりすることがあります。
筋肉の固縮を改善する効果を期待して、抗コリン薬が使用されます。
副作用として、眠気、便秘、口渇などが起こることがあります。
次に、リハビリテーションです。
理学療法や作業療法を通じて、運動機能の維持や改善を目指します。
関節の動きを良くしたり、筋肉の硬さを改善したりする効果が期待でき、日常生活の自立性を高めることができます。
また、言語療法は構音障害や嚥下障害の管理に役立ちます。
その他、環境調整を行い、安全に生活できるように支援することが重要です。
そのためには、補助具の使用や住宅改修が推奨されることもあります。

まとめ

今回の記事では、進行性核上性麻痺(PSP)の原因と症状を分かりやすく解説について解説しました。
PSPは脳内の異常蛋白が蓄積することにより神経が壊死することで、さまざまな症状が起こる疾患です。
これらの症状を改善するためには、神経再生が必要ですが、従来の治療では難しいのが現状です。
そのため、新たな治療として再生医療には期待が持てます。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、脳脊髄損傷部位の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「再生医療×同時リハビリ™」があります。
これらの治療法は、進行性核上性麻痺(PSP)に伴う症状に苦しむ患者さんに対して期待が持てる治療となります。

よくあるご質問

進行性核上性麻痺の平均寿命は?
一般的に、発症から5〜9年程度とされています。しかし、これはあくまで平均であり、個人差が大きく、数年のうちに症状が急速に進行し、寝たきりになる方もいれば、10年以上比較的ゆっくりと症状が進む方もいます。

進行性核上性麻痺のハチドリサインとは?
脳のMRI画像において特徴的な所見です。この名称は、側面像で中脳と周囲の構造がハチドリのような形に見えることに由来します。具体的には、中脳が萎縮し、脳幹の上部が細くなり、これがハチドリのくちばしに似ているからです。この所見は、進行性核上性麻痺の診断において重要であり、他の神経変性疾患との鑑別に役立ちます。
<参照元>
進行性核上性麻痺|長寿科学振興財団:https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/parkinson/mahi.html
進行性核上性麻痺(指定難病5)|難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/4114
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