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脳卒中

 早急に対処が必要なクモ膜下出血の初期症状とは

<この記事を読んでわかること>早期発見が重要なクモ膜下出血の初期症状を知る
頭痛、意識障害、嘔吐など症状について分かる
症状の早期認識と適切な対処が生死に関わることが分かる

くも膜下出血は3人に1人が亡くなる病気です。
初期症状には軽い頭痛を起こす「警告頭痛」があり、動脈瘤からの少量の出血や動脈解離が原因と考えられています。
その他神経の圧迫により吐き気やめまい、まぶたが落ちる、物が二重に見えるなどの初期症状が知られています。
くも膜下出血発症の数時間~数週間前に起こることがあります。

脳を覆うくも膜と軟膜のすき間に起こるくも膜下出血。
多くは脳動脈瘤が原因になるのはご存知の通りです。
出血を起こすと、突然バットで殴られたような激しい頭痛を感じます。
さらには吐き気や嘔吐を伴い、意識がもうろうとするといった症状が出現します。
これだけ強い症状がでてしまえば緊急事態ということはおのずとわかるもの。
できれば発症前の初期症状に気づき、事前に対応したいですよね。
ここではくも膜下出血の初期症状について解説します。

くも膜下出血の怖さを再確認しましょう

くも膜下出血は致死率の高い疾患
くも膜下出血は日本では年間に人口10万人あたり20人が発症していると言われます。
つまり単純計算で年間2-3万人程度発症していることになります。
また厚生労働省のデータでは、くも膜下出血で亡くなるのは年間1万2000人となっています。
この数字の比だけでも、どれだけ致死率の高い疾患であるかを伺い知ることができます。
一般的にくも膜下出血になると3分の1が回復し社会復帰、3分の1が生命は保たれるものの社会復帰は困難、3分の1は死亡すると認識されています。
新しいデータでもくも膜下出血での早期死亡率は30%程度と報告されています。
生命は保たれていても意識がなく、重篤な後遺症を残すケースが少なくありません。
くも膜下出血は依然として怖い疾患であることが分かります。

こんな人はくも膜下出血に要注意

くも膜下出血で突然倒れた女性を救急車に担ぎ込む
くも膜下出血に早く気づくために、自分や家族がどれくらいリスクを持っているのか認識しておきましょう。
「脳卒中治療ガイドライン2009」にはくも膜下出血をきたす危険因子が次のように挙げられています。

  • 脳動脈瘤や脳動静脈奇形を有する
  • 喫煙習慣
  • 高血圧
  • 過度の(1週間に150g以上)飲酒

中でも過度の飲酒は相対危険率が4.7とされており、最も危険な因子とされています。
「これらの生活習慣を持つ人では、その改善を行うよう強く勧められる」とも記載されています。
参考ですが、アルコールが週で150gですから、週5日飲酒するとしたら1日30g。
30gというのはビールで言えばだいたい350mlのレギュラー缶2本、日本酒で言えば約1.5合、ワインで言えばグラス(120ml)2杯ちょっとくらいです。
くも膜下出血の怖さを再確認して、生活習慣の改善につなげたいですね。

くも膜下出血の警告頭痛への緊急対応

警告頭痛とは
くも膜下出血は突然起こる病気というイメージがあると思いますが、時に前兆とも言える初期症状を起こすことがあります。
代表的なものは「警告頭痛」と呼ばれる片頭痛に似た軽い頭痛です。
はっきりした原因がなく頭痛が起きて、吐き気を伴うことがあります。
休んでも良くならず、頭痛薬もあまり効果がありません。
頭痛とともに意識がもうろうとするなどの症状がでる場合もあります。
動脈瘤からの少量の出血や動脈解離が原因と考えられていますが、はっきりとは解明されていません。
その他血圧が急に高くなったり低くなったりする、動脈瘤が神経を圧迫し眼の「まぶたが落ちる」、「めまい」や「物が二重に見える」などの症状が起きることもあります。
これらの初期症状はくも膜下出血を発症する数時間から数日、場合によっては数週間前に見られます。

くも膜下出血の初期症状がでたらどうすればいいのか

くも膜下出血の初期症状が出た場合、それは緊急事態と考えて良いでしょう。
くも膜下出血は発症すると3人に1人が命を落とす病気です。
発症が近づいている可能性があり、一刻も早く病院を受診する必要があります。
ただ普段から片頭痛を持っている方は、警告頭痛に気付きづらい可能性があります。
今日もいつもの頭痛か、と思っているうちに状況が進んでしまっているかもしれません。
いつもと違う頭痛には注意が必要です。
くも膜下出血の初期症状を疑う場合、注意するべき点を再度挙げておきます。

  • 吐き気を伴う頭痛
  • いつもの薬を飲んでも良くならない頭痛
  • まぶたが落ちる、物が二重に見えるなど目に異常が起きる
  • その他の神経症状(顔の動きがおかしい、手足の麻痺が起きる、ろれつが回らないなど)

以上に一つでもあてはまる場合は、緊急事態としての対応が必要です。

まとめ

くも膜下出血の初期症状について説明しました。
くも膜下出血は数ある病気の中でも、最も怖い部類に入る病気の一つです。
自分が危険因子を持っていると気づいた方は、ぜひ今日から生活習慣の改善を始めましょう
くも膜下出血の初期症状を自覚した場合、周囲の人がそのような症状を起こしていた場合には、緊急の対応をしましょう。

よくあるご質問

くも膜下出血はどんな人がなりやすい?
脳動脈瘤破裂に起因するくも膜下出血は40代~50代の方に多いとされていますが、小児~高齢者まで全年齢で発症します。
その中でも、日常的に喫煙する方、高血圧の方、飲酒する方などは発症リスクが高いという報告もあり注意が必要です。

外傷くも膜下出血の死亡率は?
外傷性くも膜下出血は、落下や衝突等の外的要因によって起きるくも膜下出血で、非常に重篤な疾患です。
死亡率は非常に高く、約25%の方が発症後24時間以内に亡くなっており、入院しても約40%は入院して1ヶ月、さらに約50%は6ヶ月で死亡しているという報告もあります。

<参照元>
くも膜下出血(SAH) – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気|MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/

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