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脳卒中

 くも膜下出血の生存率や入院期間について

<この記事を読んでわかること>
くも膜下出血の生存率や入院期間に関する情報を提供
生存率や入院期間の要因や予測方法について
早期発見と適切な治療の重要性も強調される

くも膜下出血は、死亡率が高く、重い後遺症が残ってしまう方も多い重篤な病気のひとつです。
くも膜下出血の症状や治療、生存率、ご家族ができることなどをご紹介します。
くも膜下出血について知りたい方は、読んで参考にしてください。

くも膜下出血とは

くも膜下出血は後頭部を殴られたような感じ
脳は頭蓋骨に囲まれていますが、頭蓋骨は髄膜で覆われています。
髄膜は脳側から軟膜、くも膜、硬膜と3膜で構成されています。
くも膜と軟膜の間には、脳髄液や脳動脈、脳静脈が存在しているくも膜下腔と呼ばれる隙間があります。
この隙間に出血を起こしたことをくも膜下出血といいます
くも膜下出血を発症すると、およそ3分の1の方が亡くなり、3分の1の方に後遺症が残り、残り3分の1の方しか以前のように社会復帰できないといわれている重篤な病気です。
くも膜下出血は男性よりも女性に多くみられ、40歳以上の方が比較的多く発症しますが、30代以下の方も発症する可能性はあります。
くも膜下出血は、突然経験したことがないような頭痛で発症します。
頭痛は、「後頭部をハンマーやバットで殴られたようだ」と例える方がいるほどの強烈な痛みです。
このとき吐き気を伴うことが多く、意識を失ってしまう方もいます。
くも膜下出血の原因として最も多いのは、脳動脈の一部が瘤のように膨らんでしまった脳動脈瘤の破裂です。
脳動静脈奇形や外傷などもくも膜下出血の原因となることがあります。
くも膜下出血の治療では、呼吸や血圧の管理を行い患者の状態を安定されることが重要です。
再出血予防のために、開頭手術(クリッピング術)や血管内治療(コイル塞栓術)などの外科治療を行うこともあります。

くも膜下出血の生存率は?

くも膜下出血が再出血してしまった場合の死亡率は?
くも膜下出血は、致命率が約50%ともいわれている病気です。
致命率とは、その病気にかかった人のうち、どのぐらいの人がその病気が原因で亡くなったかの割合を表しています。
最初の出血で約30%の方が亡くなってしまうといわれています。
また、くも膜下出血は、2~3週間以内に再出血する可能性は約30%、特に24時間以内に再出血を起こすことが多いため予防処置が大切です。
再出血してしまった場合の死亡率は約50%、再々出血してしまった場合の死亡率は80%以上という報告があります。

くも膜下出血の入院期間

くも膜下出血の入院期間は、軽症で治療が順調に行われた場合で2~3週間、一般的には2~3ヶ月かかることが多いようです。
若い方ほど入院期間は短く、高齢になるほど長くなる傾向があります。
後遺症が残ってしまった方は、退院できたとしてもリハビリのための専門施設に再入院したり、通院したりしなければいけないため治療が長引く傾向があります。

くも膜下出血患者のご家族の方にできること

くも膜下出血患者のご家族は、どのようなことができるのか知りたい方が少なくないはずです。
患者のご家族ができることは、発症前、入院中、退院後にわけることができます。

くも膜下出血発症前と入院中にご家族の方ができること

くも膜下出血の前兆は、本人でも気づかないことが多いため、ご家族の方が気づくのはさらに難しいです。
くも膜下出血発症の数日前に、血圧の乱れ、めまい、吐き気、頭痛などの前兆症状が一時的に出ることがあります。
本人からこのような症状があらわれたと聞いたら、病院に行くように勧めましょう。
くも膜下出血が発症したときに側にいたら、すぐに救急車を呼んでください
くも膜下出血は、発症から治療を始めるまでの時間が症状や後遺症に大きく影響します。

入院後にご家族の方ができること

状態が安定し命の危険を脱したら、専門家と協力して出来るだけ早くリハビリを始めることが、機能の回復にはよいといわれています。
また、廃用症候群予防のためにも、ベッドの上で行えるリハビリは出来るだけ早くを始めた方がよいでしょう。
※廃用症候群:長期間に渡り安静に過ごしたため活動性が低下したことで、身体能力の低下や精神状態の悪化をもたらすことです。
リハビリは、患者と専門家だけではなくご家族の方も力を合わせ行うことが大切です。
そのため、ご家族の方は後遺症やリハビリに対しての正確な知識と理解から始めることをおすすめします。
後遺症やリハビリの意味を正確に知ることで、どのようなサポートをすればよいのかわかるようになるはずです。
また、大きな後遺症が残ってしまい介護が必要な場合は、利用できるサービスの情報を調べましょう。
介護は長期間に及ぶため、ご家族の精神的・肉体的な負担は非常に大きいです。
ご家族の負担が限界を超えてしまうと、適切な介護ができなくなってしまうだけではなく、ご家族の方の体調不調につながってしまう可能性があります。
そのため介護は、介護保険などのサービスを利用してご家族の負担を減らすことも重要です。

くも膜下出血は予防が大切です

ご紹介したようにくも膜下出血は、非常に致命率が高い病気です。
そのため、発症してからの治療も大切ですが、日頃から予防に努めることも大切です。
くも膜下出血の主な原因である脳動脈瘤は、自覚症状がほとんどないため自分で気づくことは難しいでしょう。
そのため、一度脳ドックを受けてみてください
脳動脈瘤が見つかった場合は、破裂しないように開頭手術や血管内治療を受けることができます。
特にくも膜下出血を起こしたことがある家族がいる方は、脳ドックを受けることをおすすめします。

よくあるご質問

外傷くも膜下出血の死亡率は?
外傷性くも膜下出血は、落下や衝突等の外的要因によって起きるくも膜下出血で、非常に重篤な疾患です。
死亡率は非常に高く、約25%の方が発症後24時間以内に亡くなっており、入院しても約40%は入院して1ヶ月、さらに約50%は6ヶ月で死亡しているという報告もあります。
くも膜下出血でなぜ肺水腫になるの?
くも膜下出血で肺水腫になる原因は大きく2つあります。
①頭蓋内圧が上昇すると交感神経が過剰に緊張し急激に血圧が上昇する→肺への体液の移動と肺血管透過性が亢進し肺水腫となる
②循環器系への負担が高まり、移動静脈圧が上昇し肺水腫となる

<参照元>
原因不明のくも膜下出血症例の予後と対策|J-Stage:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke1979/7/2/7_2_136/_pdf
【患者体験談】くも膜下出血の前兆「ある朝、突然意識を失って・・・」:https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_982.html

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