点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脳卒中

 脳幹出血後に発症する視床痛とその特徴

<この記事を読んでわかること>

視床痛の原因とメカニズムがわかる。
視床痛の症状と特徴がわかる。
視床痛の診断と治療法がわかる。


脊髄損傷の原因として多い交通事故やスポーツ、高齢者の転倒などの具体例を挙げながら、その影響や症状を詳しく解説します。
さらに、脊髄損傷が引き起こす麻痺や自律神経の障害、日常生活への影響についても触れていきます。
予防策や損傷後のサポート方法についても具体的にご紹介し、リスクを減らすための知識についても説明していきます。

脳幹出血が引き起こす視床痛の原因とは?

脳幹出血が引き起こす視床痛の原因とは?
脳幹出血による視床痛は、視床内の感覚経路の損傷脳幹は脳内の感覚情報の中継局として機能しています。
しかし、脳幹の出血によりその正常な機能が妨げられ、異常な痛みの信号が皮質に送られ、体の反対側に激しい、多くの場合は焼けるような、または刺すような感覚を引き起こします。
脳幹出血による視床痛は、以下の様なメカニズムにより引き起こされているのではないかと考えられています。
(参照サイト:Q&A Vol.82 視床痛の発生メカニズムについて|日本離床学会)
(参照サイト:Thalamic Pain Syndrome – StatPearls – NCBI Bookshelf.)

  • 感覚経路の障害
    脳幹には、痛みや温度の情報を視床に伝える脊髄視床路などの重要な感覚経路があります。
    脳幹出血中にこの経路が損傷すると、感覚処理や痛みの知覚に異常が生じる可能性があります。
  • 中継センターとしての視床の損傷
    視床は感覚情報の中心ハブとして機能するため、この領域が損傷すると、脳が感覚信号を解釈する方法が著しく損なわれ、明らかな末梢刺激がなくても痛みが生じる可能性があります。
  • 中枢感作
    視床が損傷すると、入ってくる感覚信号に対して過敏になり、中枢感作と呼ばれる現象を引き起こし、過剰な痛み反応につながります。

視床痛については、まだ完全にその原因がわかっているとは言えませんが、現時点ではこのようなメカニズムではないかと考えられています。

視床痛の症状と患者が訴える主な痛みの特徴

視床痛は脳の視床の反対側の身体の片側に起こる、激しい灼熱感や締め付けられるような痛みを特徴とします。
しばしば「焼けるような」または「凍りつくような」痛みと表現されます。
この痛みは、典型的にはその部位の脳卒中後に起こります。
(参照サイト:Thalamic Pain Syndrome – StatPearls – NCBI Bookshelf.)
(参照サイト:Henry JL, Lalloo C, Yashpal K. Central poststroke pain: an abstruse outcome. Pain Res Manag. 2008 Jan-Feb;13(1):41-9. doi: 10.1155/2008/754260. PMID: 18301815; PMCID: PMC2670809.)
自発的な痛み発作、触覚過敏(異痛症)、温度知覚障害により、軽い刺激でも激しい痛みを感じることがあります。
視床痛患者が報告する主な痛みの特徴は以下の様なものです。

  • 灼熱感
    これは視床痛の最も一般的な症状であり、しばしば持続的な灼熱感または火傷のような感覚として感じられます。
  • うずくような痛み:
    患者によっては、灼熱感に加えて、深くうずくような痛みを感じることもあります。
  • 発作性疼痛:
    突然の鋭い刺すような痛みが断続的に発生することがあります。
  • 異痛症:
    軽く触れるだけでも激しい痛みを引き起こすことがあります。
  • 痛覚過敏:
    既存の痛みは刺激を受けると著しく悪化します。
  • 温度知覚の問題:
    熱さと冷たさの感覚を区別することが困難、または異常な温度感覚を経験する。
  • 誘発性疼痛:
    衣服が患部に触れるなど、特定の動きや刺激によって引き起こされる痛み。

視床痛に関する重要なポイントとしては、痛みは通常、視床病変の反対側の体の側面に現れることや、生活の質に重大な影響を及ぼすことがあります。

視床痛の診断と治療法の選択肢

視床痛の診断は、通常、視床に影響を及ぼす脳卒中の既往歴、灼熱感、刺すような感覚、異痛症などの特徴的な疼痛症状に基づいて行われます。
損傷部位を確認するために神経学的検査や脳画像診断(MRIまたはCTスキャン)が伴うことが多いです。
治療の選択肢には以下が含まれます。
(参照サイト:Thalamic Pain Syndrome – StatPearls – NCBI Bookshelf.)
(参照サイト:Henry JL, Lalloo C, Yashpal K. Central poststroke pain: an abstruse outcome. Pain Res Manag. 2008 Jan-Feb;13(1):41-9. doi: 10.1155/2008/754260. PMID: 18301815; PMCID: PMC2670809.)
(参照サイト:標準的神経治療:慢性疼痛|日本神経治療学会)

  1. 薬物療法:
    • 抗うつ薬:アミトリプチリン、デュロキセチンなどの薬
    • 抗けいれん薬:ガバペンチン、プレガバリン
    • オピオイド:依存性の可能性があるため慎重に使用
  2. 非薬物療法:
    • 理学療法:関連する運動障害の管理に役立つ可能性がある
    • 認知行動療法(CBT):痛みの知覚と対処メカニズムの管理に役立つ可能性がある
    • 経皮的電気神経刺激(TENS):場合によっては痛みを和らげる効果がある可能性がある
  3. 神経調節技術:
    • 深部脳刺激療法(DBS):重篤で治療に抵抗性のある症例に考慮され、電極を視床に直接埋め込む。
    • 経頭蓋磁気刺激(TMS):一部の患者に有効な非侵襲性脳刺激法。
    • 脊髄刺激(SCS): 特定の状況で使用される場合がある。

視床痛の問題としては、疼痛により抑うつ傾向となる場合も多いことがあります。
離床・リハビリテーションの妨げとなるため、心理面も含めたアプローチも大切です。
多職種で協力して、対応、介入していくことが重要です。

まとめ

脳幹出血後の視床痛は患者のQOL(生活の質)を著しく低下させる要因となります。
しかし、適切な診断と治療を受けることで、痛みの軽減や管理が可能になります。
当院では、ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックなどでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
視床痛に対しても、再生医療による神経回復によって、その症状が和らいだり、改善したりする効果が期待できます。
脳卒中後の痛みに悩む方は、ぜひ当院までご相談ください。

よくあるご質問

視床出血による視床痛とは?
視床出血によって視床やその周囲の感覚経路が損傷し、痛みの信号が異常に伝達されることで発症する痛みです。
脳卒中後に起こることが多く、体の反対側に焼けるような痛みや刺すような感覚が生じます。
感覚の過敏や異常な温度知覚も特徴です。

視床痛の特徴は?
視床痛は灼熱感や刺すような痛みが持続し、軽い触覚刺激でも強い痛みを感じる異痛症が見られます。
痛みは体の片側に集中し、特に脳卒中後に多く発症します。
温度感覚の異常や自発的な痛み発作が日常生活に影響を与えることがあります。

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