<この記事を読んでわかること>
脳梗塞の後遺症として出現する症状
退院後にリハビリを続けるための選択肢
自費リハや復職をする前に確認しておくべき項目
脳梗塞を発症すると後遺症として身体症状や高次脳機能障害が出現します。
リハビリを継続することで後遺症は改善する可能性がありますが、退院後のリハビリや復職をする際には注意点がいくつかあります。
この記事では退院後に自費リハビリや復職をする前に確認しておいた方がいいポイントについて解説します。
脳梗塞の後遺症として現れやすい代表的な症状
脳梗塞では脳の血管が詰まることによって、様々な症状が出現します。
代表的な症状は運動麻痺やしびれなどの身体症状と、言葉が出づらくなったり集中することが難しくなったりする高次脳機能障害があります。
運動麻痺やしびれなどの身体症状
脳梗塞で運動の指令を出す部位や感覚の情報を処理する部位、情報を伝える神経がダメージを受けると運動麻痺やしびれなどの症状が出現します。
運動麻痺は手足に力が入らなくなったり、逆に突っ張ってしまったり、筋力が低下するなどの症状が出現します。
このような症状が出現すると歩けなくなったり、着替えといった日常生活で行う動作ができなくなることがあります。
しびれや触られた感触などが感じにくくなる感覚障害が出現すると、字を書くなどの細かい作業を行うことが難しくなる問題が起こることがあります。
どちらの症状も脳梗塞を発症して約6ヶ月までは改善するペースが比較的早く、その後は症状の変化がゆっくりになることが一般的です。
外見からは分からない仕事や生活に影響を与える高次脳機能障害
高次脳機能障害とは脳がダメージを受けることによって記憶や注意、言葉などの機能が障害される症状のことです。
代表的なものとして、集中することが難しくなる注意障害や言葉の理解や話すことが難しくなる失語症などがあります。
高次脳機能障害は長い期間をかけて訓練を継続するとゆっくり改善する可能性があります。
外見では障害があるように見えないため、復職や復学する前に周囲の理解を得て適切な支援を受けられる環境を整えることが重要です。
そもそも退院後のリハビリはどうしたら受けられる?

リハビリテーション病院を退院した後、リハビリを継続するための選択肢は保険を使用するものと自費で行うものに分かれます。
リハビリの継続を希望する際は生活スタイルや費用面などによって、最適な方法を選びましょう。
費用を抑えて受けられる医療保険や介護保険のリハビリ
退院後にリハビリを受ける一般的な方法として、医療保険で病院やクリニックで受けるリハビリと介護保険を使用する訪問リハビリやデイケアがあります。
医療保険のリハビリは通院して受ける外来リハビリです。
病院での外来リハビリは歩く練習などを行う理学療法、日常動作や手の細かい動作の練習をする作業療法、失語症や高次脳機能障害の訓練を行う言語療法を受けられます。
外来リハビリは病院やクリニックにある医療機器などを使用でき、専門的なリハビリを受けられます。
一方、介護保険での訪問リハビリテーションは自宅でリハビリを行うことで日常生活や復職の支援を行います。
デイケアは自宅まで送迎がある通所型のサービスで、リハビリや入浴などを受けることができます。
訪問リハビリテーションは自宅での生活を直接改善しやすく、デイケアは継続することで身体機能の維持が期待できます。
保険下でのリハビリは自己負担額は年齢や所得区分、利用するサービスなどによって異なりますが、費用負担が少なくサービスを長期間継続しやすいことが特徴です。
保険外で回数や内容をオーダーメイドできる自費リハビリ
保険を使用したリハビリ以外では、自費を使用したリハビリを受けることも選択肢の一つになります。
自費リハビリは保険を使用できないため、全額が自己負担になり費用が高額になりやすいことがデメリットです。
しかし、最新のロボットリハビリテーションを受けられる施設や再生医療とリハビリの組み合わせをしている施設など、施設によっての強みがあります。
また、時間や回数制限がない場合もあり、利用する方の希望に合わせたプランでリハビリを受けることができます。
例えば、仕事で使用するパソコンの練習やスポーツに復帰するための走る訓練などができることがあります。
自費リハビリはオーダーメイドでリハビリを行えることが最大のメリットです。
自費リハビリや復職の前に確認すべき項目

退院後に自費リハビリや復職をする前には確認すべきポイントがあります。
現在の状況を確認してから自費リハビリや復職を行いましょう。
自費リハを契約する前に確認するべきポイント
自費リハを契約する前には以下のポイントを確認しておきましょう。
- 今の収入や資産から支払って、今後の生活費に余裕が残る料金設定になっているか
- ご自身が望むリハビリ内容になっているか
- 施設までの移動手段はどうするのか
特に、料金を支払った後に生活が大変にならないように事前に確認しておきましょう。
また、見落としがちですが施設までの移動手段は要確認です。
リハビリ内容を決める際は何ができるようになりたいかを伝え、リハビリではどんな効果が期待できるかを事前に聞いておくと安心です。
これらのポイントを抑えておくことで、契約後の後悔を防ぐことができます。
復職の前に整理しておきたい現在の能力や会社への配慮の依頼
復職の前には現在の能力を把握した上で、職場にどのような配慮をお願いするかを事前に伝える必要があります。
通勤や業務に影響する症状については、主治医や産業医と相談しながら、職場の担当者に伝える内容を整理しましょう。
また、高次脳機能障害は会社側もイメージがしづらく、怠けていると誤解されるリスクがあります。
必要であれば診断書や医療者との面談をお願いして、配慮が必要なポイントを事前に整理することで働きやすさにつながる場合があります。
職場に事前に何が必要かを伝えておくことで、ご本人も職場側も負担や不安を少なく業務に戻ることができます。
まとめ
この記事では自費リハビリや復職をする前に確認しておくべき項目について解説しました。
脳梗塞の後遺症は身体的な症状と高次脳機能障害があります。
退院後のリハビリは医療保険・介護保険を利用したリハビリと自費リハビリが選択肢に挙がります。
自費リハビリを利用する場合は無理がないか、希望に添っているかを確認し、復職する場合は事前に現在の能力を職場に伝えておきましょう。
事前にしっかり準備しておくことでリハビリも復職もスムーズに行えるようにしましょう。
よくあるご質問
- 医療保険の外来リハビリと、介護保険の訪問リハビリは同時に受けられますか?
- 基本的には同一疾患(脳梗塞など)に対して、医療保険によるリハビリと介護保険のサービスを並行して利用することは制度上認められておりません。
退院直後のごく限られた期間であれば併用可能なケースも存在しますが、原則としていずれかの保険制度を選択して継続することとなります。
- 営業職で車の運転が必須なのですが、いつから運転を再開していいですか?
- ご自身だけの判断で運転を再開することは、重大な事故を招く危険があるため厳禁です。
身体的な回復だけでなく、注意力の低下や反応の遅れといった高次脳機能障害のリスクがあります。
まずは主治医へ相談し、専門的な評価を受けた上で、免許センターでの適性試験や臨時認知機能検査をパスすることが必要条件となります。
(1)脳卒中の病態と最新治療|J-stage 北園孝成 日本内科学会雑誌 110 巻 9 号 2021年:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/110/9/110_1750/_pdf
(2)高次脳機能障害の理解とリハビリテーションアプローチ|J-stage 平山和美 作業療法 41 2022:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/41/2/41_145/_pdf/-char/ja
(3)脳卒中治療後患者に対する就労支援リハビリテーションプログラム—回復期リハビリテーション病院における取り組みと短期追跡結果の報告—|J-stage 松谷雅生 脳卒中 J-stage 2022 doi:10.3995/jstroke.11031:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/advpub/0/advpub_11031/_pdf
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