点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脊髄損傷

 頸椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと

<この記事を読んでわかること>
頚椎椎間板ヘルニアの概要
頚椎椎間板ヘルニアの生活の注意点

頚椎椎間板ヘルニアとは、頚椎の椎間板が飛び出て神経を圧迫などすることで痛みやしびれを生じる疾患です。診断がついた後、多くは保存療法がなされます。生活の中で少しでも楽な方法はないか、できることはないかと思う人も多いことでしょう。この記事では頚椎椎間板ヘルニアの生活での注意点について解説します。

頸椎椎間板ヘルニアとは

人の脊椎(背骨)は上から頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)、仙骨(1個)、尾骨(2-3個)で構成されています。
身体を支える、曲げる・伸ばすなどの動作を行う、脊髄や臓器を保護するなど重要な役割を担っています。
脊椎と脊椎の間には椎間板があり、クッションの役割をしています。
この椎間板が外に飛び出していることを椎間板ヘルニア(ヘルニアとはラテン語で穴を通って飛び出した状態を指します)と言います
飛び出した椎間板が脊髄もしくは神経根(脊髄から全身へ向かう神経の根元)を圧迫することで症状が出ます。
頚椎椎間板ヘルニアは30-50代で最も多く見られ、腰部脊柱管狭窄症などの他の疾患よりも比較的年齢が若いです。
男女ともに起こる可能性がありますが、全体の60%が女性と報告されています。
スポーツや長時間の良くない姿勢が原因となることもありますが、誘因なく発症することもあります。
頚椎椎間板ヘルニアの症状で代表的なものは、首や肩甲骨周り、肩から腕にかけての痛みです。
進行するとしびれや麻痺(手の動きが悪くなる)を生じることもあります。
椎間板が脊髄を圧迫していた場合には、足の動かしにくさ・歩きにくさや、排尿・排便がしにくいということもあり得ます。
治療はまずは安静と対症療法(痛み止めやしびれの薬)が主体になります。
必要に応じて、頚椎カラーで首を支えたり、牽引療法を行ったりします。
急速に神経症状が進む場合、治療に無効で症状が長く続く場合には手術療法も選択されます。

頚椎椎間板ヘルニア患者が避けるべき行動や習慣

頚椎椎間板ヘルニア患者が避けるべき行動や習慣
頚椎椎間板ヘルニアになった場合、激しい運動や首や肩に負担が大きい動作は避けるようにしましょう
スマートフォンやパソコンの使用や他デスクワークなどで同じ姿勢をずっととり続けるのも避けた方が良いです。
また、喫煙は椎間板の変性に関わっており、喫煙者は非喫煙者と比較して椎間板ヘルニアを3倍ほど増やすと言われています。
既に頚椎椎間板ヘルニアと診断された人は禁煙することで少しでも進行を止められるかもしれません。

頚椎椎間板ヘルニアのための適切な枕の選び方

頚椎椎間板ヘルニアのための適切な枕の選び方
頚椎椎間板ヘルニアの症状が朝起きた時が一番強い人もいるかもしれません。
そのような場合は、枕の検討をしてみてもよいでしょう。
枕の高さは高すぎても、低すぎても首や肩に負担が大きくなります。
敷き布団と首の角度が5-15度になるのがよいと言われており、最も首の痛みを軽減するのは15度という報告もあります。
実際に角度を測るのは難しいので、布団から首までが5cm程度と考えると良いです。
寝返りしても首や肩に力が入らなくてすむような硬さ、大きさの枕を検討しましょう。

効果的なストレッチ

ストレッチやエクササイズも、発症直後で痛みが最大に近いときやどんどん悪くなっているときには行わないようにしましょう。
痛みが少し落ち着いたときに開始すると良いです。

首のストレッチ

頚椎椎間板ヘルニアでは頚部の緊張が高い事も多いです。
首首を前後、左右にゆっくりと動かしましょう。
痛みがある場合には、痛くない範囲での運動でよいです。
無理に自分や他人の手で大きく動かす必要はありません。

肩のストレッチ

首と肩は筋肉が筋膜を介して繋がっているため、肩のストレッチも首の症状に有効な時があります。
それぞれの腕を大きく動かすだけでもストレッチになります。
大胸筋や三角筋のストレッチも有効です。

脊柱のストレッチ

ドッグキャットや回旋運動、前屈運動など、脊椎全体の可動性を高めることで、頚椎にかかる負担を軽減できる可能性があります。
腰が痛い人は、痛くない範囲での運動を心掛けましょう。

まとめ

この記事では頚椎椎間板ヘルニアの生活習慣について解説しました。
椎間板の変性は国民の約半数にあるので、頚椎椎間板ヘルニアの症状で悩む人も多いことが推測されます。
一般的に1-2か月で良くなることが多い疾患ではありますが、中には後遺症となってしまう人もいるでしょう。

特にヘルニアで脊髄が障害されてしまった際には症状が重篤になりますが、一方で脊髄は非常に再生に乏しい神経です。
そういった後遺症に悩む方に向けて、当院ではニューロテック®という神経障害は治るを当たり前にする取り組みを行い、特に脊髄損傷の方に対して治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。

リニューロ®では、同時刺激×再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリをおこなうことで神経障害の軽減を目指します。
後遺症に悩む方が少しでも減るように、今後も医療の発展に期待しつつ、目の前の患者さんに向き合っていきたいものです。

Q&A

頸椎椎間板ヘルニアになったら気をつけることは?
頚椎椎間板ヘルニアになった際は、激しい運動や首に負担がかかる作業、長時間の同一の姿勢などに気をつけましょう。症状が増悪したり、排尿・排便がしにくくなったりした際は医療機関を受診しましょう。

椎間板ヘルニアの日常生活での注意点は?
椎間板ヘルニアになった際は、激しい運動やずっと同じ姿勢での作業は避けるのが良いでしょう。診断を受けた後は絶対安静というわけではなく、症状の出ない範囲でゆっくり動くのであれば負荷が少なく生活できます。
<参照元>
頚椎症性脊髄症診療ガイドライン2020(改訂第3 版):https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001232/4/Cervical_spondylotic_myelopathy.pdf
Cervical Disc Herniation:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK546618/
快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html
あわせて読みたい記事:脊髄損傷の後遺症の治療

関連記事

PAGE TOP