点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脊髄損傷

 脊髄空洞症の予防と早期発見のポイント

<この記事を読んでわかること>
脊髄空洞症の原因がわかる
脊髄空洞症の予防方がわかる
脊髄空洞症の原因がわかる

脊髄空洞症とは、脊髄内に形成された空洞に貯留した脳脊髄液によって、神経細胞が圧迫されることでさまざまな神経症状をきたす疾患です。
原因に合わせて早期から適切に対処しない限り、基本的に空洞は拡大して症状が悪化していくため、早期発見が重要となります。
この記事では、脊髄空洞症の予防と早期発見のポイントについて詳しく解説します。

脊髄空洞症を早期に発見し進行を防ぐために

脊髄空洞症を早期に発見し進行を防ぐために
脊髄空洞症とは、その名の通り脊髄内に空洞が形成されて、空洞内部を脳脊髄液が満たすことで脊髄そのものが圧迫を受けてさまざまな神経症状をきたす疾患です。
そもそも脊髄は脳から連続する神経細胞の束であり、非常に密な組織であるため、内部には中心管と呼ばれる直径1〜2mmの空洞が存在するのみです。
外部からの衝撃から保護するために、脊髄や脳はその周囲を脳脊髄液と呼ばれるプールで保護されており、この中心管内部も脳脊髄液で満たされています。
しかし、なんらかの原因でこの中心管が拡張したり、なんらかの疾患が原因で中心管とは別の部位に空洞ができてしまうと、そこに脳脊髄液が貯留して正常な神経細胞や脊髄を圧迫してしまいます。
その結果、温痛覚障害や麻痺などの運動障害をきたすわけです。
一度形成された空洞を元に戻すことは困難であるため、いかに早期発見して症状の進行を防げるかが鍵となります。
そこで重要なのが下記の2点です。

  • 定期的に検診受診し評価する
  • 脳脊髄圧上昇を予防する

まず、定期受診してMRIなどで空洞の大きさを評価し、拡大傾向であれば早期に手術を行うことで神経症状の出現・悪化を予防できます。
さらに、不用意に咳やくしゃみを行うと一気に脳脊髄圧が上昇し、空洞拡大のリスクとなるため、注意が必要です。

初期症状を見逃さない!頻繁に起こる違和感に注目

脊髄空洞症の初期症状は、主に片側上肢の解離性感覚障害と宙吊り型温痛覚障害です。
人の感覚は温痛覚や深部知覚に細分化され、温痛覚であれば熱さや痛み、深部知覚であれば位置覚や振動覚を指します。
温痛覚と深部知覚はそれぞれ、身体から脊髄を経由して脳に伝達されますが、脳に至るまでの経路が異なります。
脊髄空洞症では主に脊髄中心部に病変が生じることが多いため、中心部を走行する温痛覚だけが障害されることが多く、深部知覚は保たれることが多いです。
(これを解離性感覚障害と呼ぶ)
また、病変は頸髄や上位胸髄で生じることが多く、温痛覚障害が上肢や体幹にのみ生じる状態を宙吊り型温痛覚障害と言います。
何かを掴んだり触った時に普段と感覚が異なったり、気づいたら外傷していたり火傷していた場合には脊髄空洞症の可能性があるため、注意が必要です。

リスク因子を減らすための健康管理のポイント

これをすれば脊髄空洞症を予防できる、といった明確な予防法は存在しませんが、下記のような点に注意して日常生活を過ごすことで重症化を予防できます。

  • 医療機関で定期的に状態を評価
  • 咳やくしゃみを抑える
  • 筋力低下を認めたら運動療法に取り組む

上記2つはすでに先述した通りですが、脊髄空洞症は進行すると運動神経も障害され、上肢や下肢の麻痺が出現する可能性があります。
症状が進行すれば歩行や体位変換など、基本的な日常動作も困難となってしまい、転倒や転落のリスクも上がるため、早期から筋萎縮や筋力低下に対して運動療法を行うことが重要です。

定期的な検診と専門医受診の重要性

定期的な検診と専門医受診の重要性
脊髄空洞症を発症した場合、まずは専門医の受診と定期的な検診が重要です。
既出の通り、定期的な検診によって空洞の状態を評価し、もし拡大傾向や神経症状の増悪を認めた場合は、空洞に貯留した脳脊髄液をくも膜下腔に逃すための手術が必要となります。
また、脊髄空洞症は単独で発症することもあれば、背景になんらかの原因(炎症・腫瘍・梗塞・出血・外傷・キアリ奇形などの先天奇形)が隠れている可能性があります。
なんらかの原因を認める場合、原因に適切に対処することで空洞が縮小することもあるため、正確な診断と治療が求められ、専門医受診がとても重要です。

まとめ

今回の記事では、脊髄空洞症の予防と早期発見のポイントについて詳しく解説しました。
脊髄空洞症では左右どちらかの上腕の温痛覚が最初に障害されることが多いため、気付いたら火傷や怪我をしていることが増えたという方は要注意です。
放置すれば空洞が拡大し神経症状が悪化していく可能性があるため、早期発見と定期的な検診受診が重要です。
治療が遅れて後遺症が残ってしまうと、症状改善の唯一の策はリハビリテーションですが、根治することが困難であり、あくまで症状の緩和が主な治療目的となります。
そこで、近年では脊髄空洞症に伴う重篤な神経学的後遺症に対する再生医療の効果が大変注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善の困難であった脊髄空洞症による神経学的後遺症の改善が期待できます。

よくあるご質問

脊髄空洞症の初期症状は?
脊髄空洞症の初期症状は脊髄内のどこに空洞ができるかでも異なりますが、一般的には左右いずれかの上腕における温痛覚障害が先行します。
その後、空洞の拡大につれて症状は体幹・下肢・顔面などに広がることが多いです。

延髄空洞症の症状は?
延髄空洞症とは延髄内に空洞が形成される病気であり、感覚障害や麻痺はもちろんのこと、下位の脳神経核が障害されることで嚥下障害や構音障害などの顔面症状もきたします。

<参照元>
難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/133
脊髄空洞症:https://www.neurospine.jp/original34.html
MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/

関連記事

あわせて読みたい記事:感覚障害のリハビリ徹底解説

外部サイトの関連記事:脊髄空洞症の治療と予後

治療後の症例のご案内




    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。




    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    年齢の選択

    地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。

    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。

    公式Instagram

    関連記事

    PAGE TOP
    貴宝院医師