点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

リハビリ・その他

 幹細胞治療による失語症の改善結果

<この記事を読んでわかること>
幹細胞治療による失語症改善の糸口
治療後の効果発現期間と持続性
脳卒中後の失語症改善率と期待値

幹細胞とは様々な臓器や組織になることが可能な細胞です。そのため、幹細胞移植により、損傷を受けた神経の再生・修復が可能となり失語症の改善が期待できます。具体的には、言語理解の向上、表出言語や構音障害の改善などの効果が報告されています。現段階では確立された治療法とは言えませんが期待がもてる治療法です。

幹細胞治療による失語症改善の糸口

幹細胞治療による失語症改善の糸口
失語症は、脳卒中や頭部外傷などが原因となり神経が損傷され言語機能が障害される病状です。
近年、新たな治療法として幹細胞治療が注目されています
幹細胞とは、臓器や組織を作り出すことができる自己複製能と分化能を持つ細胞です。
幹細胞を脳に移植することにより損傷を受けた神経細胞の再生や修復が期待できます。
動物実験において有効性が報告されています。
例えば、ラットを用いた研究では、幹細胞移植により言語機能に関わる脳領域の神経細胞の再生が促進されて改善が認められました。
臨床試験も開始されていますが、現時点では有効性と安全性について十分に検証されていない段階です。
移植後の腫瘍形成などのリスクに対する安全性、治療効果の個人差、倫理的問題、高額な治療費が検討課題となるでしょう。
しかしながら、幹細胞治療は、失語症改善の糸口として将来有望な治療法です。
今後の研究開発によって、安全性や有効性が確立されれば失語症患者にとって大きな福音となるでしょう。

治療後の効果発現期間と持続性

幹細胞治療後の効果発現期間と持続性は、治療法、患者の病状、治療部位などにより異なるため一律な回答はできません。
治療法には、幹細胞培養上清液を利用した治療、自家幹細胞移植、他家幹細胞移植などがあります。
幹細胞培養上清液とは幹細胞を培養した際に生じる液体のことです。
幹細胞から分泌され、成長因子、細胞間相互作用因子、サイトカイン、およびその他の生体活性物質が含まれます。
これらの物質は神経組織修復や再生を促す働きがあり、この作用を利用する治療です。
効果発現期間は2〜3週間、持続期間は数ヶ月〜1年と報告されています。
自家幹細胞移植は、患者から採集した幹細胞を再利用して治療する方法です。
効果発現期間は3〜6ヶ月、持続期間は数ヶ月〜数年と報告されています。
他家幹細胞移植は、他人から提供された幹細胞を利用する治療法です。
通常、患者から自己の幹細胞を利用することができない場合に選択されます。
効果発現期間は6ヶ月〜1年、持続期間は数年〜数十年と報告されています。
安全性の観点からは自家移植が高いと考えられています

脳卒中後の失語症改善率と期待値

脳卒中後の失語症を改善することは生活の質を向上させる観点より重要です。
幹細胞は損傷した組織を再生し、炎症を軽減する成長因子やその他の生理活性物質を分泌することができます。
そのため、幹細胞治療は脳の障害部位の再生や修復を促進する可能性があり期待される治療です。
近年、本治療は失語症においても研究がなされています。これまでの研究結果では30〜60%の改善率と報告されており幅があります
というのは、患者の年齢や症状の程度、治療開始時期などに影響されるからです。
しかしながら、従来の治療法では完治が難しい症例を中心として今後の研究開発により有効な治療法となることが期待されます。
治療効果の個人差、長期的な安全性や有効性、治療費などの問題が解決できれば有効な治療法として選択肢の1つとなるでしょう。
さらなる研究や臨床試験により、幹細胞治療の失語症改善効果に関する詳細な情報が提供されることを期待します。

まとめ

今回の記事では、幹細胞治療による失語症の改善結果について解説しました。
失語症は左側脳半球の特定部位の神経細胞が死滅や損傷することにより起こります。
一般的に死滅した神経細胞は再生が難しいことが分かっています。
でも再生が可能となれば患者の症状の軽快が期待できます
そのため、神経の再生医療は希望をもたらす可能性を秘めています。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、脳脊髄損傷部位の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」によって幹細胞治療による失語症の新たな治療に光明がさすことを期待したいです。

よくあるご質問

失語症はどのくらいで回復しますか?
個人差が大きいので明確な回答はできません。脳卒中発症後の回復期間を例にとると、2週間で最も顕著な改善が見られ、約1年で40%改善するという報告があります。一方で完治しないケースもあります。しかしながら、リハビリによって日常生活に支障なく改善する症例も多々あります。

脳出血による失語症は回復しますか?
個人差が大きいので明確な回答はできません。出血部位や損傷の大きさ、年齢、基礎疾患などが個人によって異なるからです。脳卒中ガイドラインによると、脳卒中発症後2週間で著明な改善が見られることが多いと報告されています。

<参照元>
日本脳卒中学会:https://www.jsts.gr.jp/
再生・細胞医療・遺伝子治療研究開発2023:https://www.amed.go.jp/content/000110446.pdf/

関連記事

あわせて読みたい記事:神経再生リハビリ®

外部サイトの関連記事:失語症のリハビリとは?症状や原因と効果的な方法




    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。




    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    年齢の選択

    地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。

    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。

    関連記事

    PAGE TOP