点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

リハビリ・その他

 再生医療とリハビリテーションの相乗効果で目指す機能回復

<この記事を読んでわかること>

再生医療とリハビリテーションの併用の重要性がわかる
再生医療とリハビリテーションの併用の現状がわかる
再生医療とリハビリテーションの併用のメリット・デメリットがわかる


近年、さまざまな分野で急速に拡大しつつある再生医療ですが、神経疾患においてはその効果を最大限活かすにはリハビリテーションの併用が重要です。
リハビリテーションを併用することで破壊された神経回路の再修復が促進され、最大限の機能回復が期待できます。
この記事では、再生医療とリハビリテーションの相乗効果について詳しく解説します。

再生医療後のリハビリテーション計画とその重要性

再生医療後のリハビリテーション計画とその重要性
再生医療というと、何かの漫画や映画のキャラクターが失った手足をトカゲの尾のように再生させるシーンを思い描く方も多いと思いますが、実際にはそうも簡単な話ではありません。
確かに、再生医療の技術を用いて幹細胞を損傷した臓器や組織に分化させることで、解剖学的な再生を果たすことができますが、単に形だけが再生しても意味がなく、その機能までも再生しないと意味がないのです。
仮に臓器の場合、自分の意思と関係なく動いたり、自動でホルモンを分泌するなど、身体の恒常性維持をする中で徐々に機能を獲得する可能性もありますが、神経細胞はそうはいきません。
脳や脊髄などの神経細胞が損傷し、再生医療で治療したとしても、すぐに損傷前のようにスムーズな歩行ができるようになるわけではないのです。
複雑な歩行の制御システムを再生した神経細胞に再取得させるためには、ただ見た目を再生させただけでは困難であり、繰り返しリハビリテーションを行ってその動作を神経細胞に教え込む必要があります。
だからこそ、再生医療を行った後には、リハビリテーションが非常に重要なのです。

物理療法と再生医療の組み合わせによる効果的なアプローチ

実際に、国内でも再生医療とその後のリハビリテーションによる機能回復を目指す試みが行われています。
ここでは、2つの臨床研究を紹介します。

自家嗅粘膜移植の研究

大阪大学医学部附属病院では、自身の嗅粘膜から採取した幹細胞を損傷した脊髄に直接移植するという再生医療を行っていますが、運動・感覚機能の改善においては明確なデータが得られていないのが現状でした。
そこで、慢性期脊髄損傷患者に対して嗅粘膜移植から1年間リハビリテーションを併用したところ、3症例中全例で感覚機能の改善と、麻痺領域にあった中殿筋の機能改善を認めました。
特に身体機能の改善を認める客観的データはこれまでの報告で認められなかったことからも、リハビリテーションの併用が機能回復に一定の効果をもたらしていることが示唆されます。

骨髄由来間葉系幹細胞の研究

札幌医科大学病院で行われている再生医療は、亜急性期の脊髄損傷患者に対し、自身の骨髄から採取した間葉系幹細胞を培養・増幅させ、点滴を用いて静脈に投与する再生医療です。
この研究では治験患者数が少なく、また対象が亜急性期の患者であるため、身体機能の改善がリハビリによるものなのか、移植した幹細胞によるものなのか評価しにくいという問題を抱えていました。
そこで、国立障害者リハビリテーションセンターの研究では慢性期の脊髄損傷患者に骨髄由来間葉系幹細胞を投与し、その後リハビリを併用する臨床研究を実施しています。
現状では、胸髄損傷、頸髄損傷1例ずつリハビリテーションが実施され、運動・感覚機能の改善を示唆する良好な結果を得られているそうです。

再生医療とリハビリ治療による身体的精神的なメリットとデメリット

再生医療とリハビリ治療を併用することで、身体的精神的にさまざまなメリット・デメリットをもたらします。
まず、メリットとしては下記の通りです。

  • 身体機能の改善が再生医療単体よりも促進される可能性が高い
  • 身体機能の改善を実感しやすく、精神的落胆が軽減される

一方で、下記のようなデメリットも挙げられます。

  • 効果に個人差があるため、治療効果に乏しい可能性がある
  • 効果が少ない場合、実感しやすく落胆の原因となる
  • リハビリによる転倒などで外傷リスクがある
  • リハビリによって構築された新たな神経回路が正常な運動をもたらさない

デメリットもありますが、基本的には再生医療とリハビリ治療を併用することで、再生医療単体よりも高い効果が得られると考えられています。
しかし、まだ再生医療とリハビリ治療の併用についてはデータも少なく、いつ、どのような患者に、どのようなプログラムを実施するのが最適かという検討は不十分であり、今後の検討が待たれるところです。

まとめ

今回の記事では、再生医療とリハビリテーションの相乗効果で目指す機能回復について詳しく解説しました。
脊髄損傷や脳血管障害による後遺症は再生医療単体で改善するのは困難であり、リハビリテーションを行うことで幹細胞に複雑な神経回路としての機能を習得させる必要があります。
さまざまな医療機関でも取り組みが盛んですが、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善の困難であった神経学的後遺症の改善が期待できます。

よくあるご質問

回復期リハビリテーションはなぜ重要か?
回復期リハビリテーションが重要な理由は、急性期を超えて、病状が安定した状態でリハビリに取り組むことで最も効果的に日常生活動作の改善や身体機能の回復を見込めるためです。

回復期リハビリテーションの特徴は?
回復期リハビリテーションの特徴は、その後の自宅での生活をスムーズにするための訓練である点です。
身体機能の回復はもちろん、衣服の着脱や食事、歩行、排泄など、日常生活動作の回復に重点を置きます。

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