・脳梗塞予防に効果的な食事法がわかる。
・コレステロール値を改善する運動の取り入れ方がわかる。
・日常生活でコレステロール管理を続けるコツがわかる。
脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまう病気のことです。
危険因子には、高血圧、不整脈(心房細動)、糖尿病、喫煙、肥満などが挙げられます。
特にコレステロール値の管理は脳梗塞の予防において重要なポイントとなります。
本記事では、コレステロール値を下げるための食事法や運動の取り入れ方、日常生活での管理のコツについて解説します。
脳梗塞予防に効果的な食事法とは?
脳梗塞は、脳血管障害(脳卒中)の一つであり、脳の血管が詰まってしまうことで脳の血流が阻害され、脳の神経細胞が死んでしまう病気のことです。
主な原因は、高血圧であると言われています。
(参照サイト:脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省))
脳梗塞の予防には、生活習慣の改善が不可欠です。
特に食事療法は、コレステロールや血圧の管理に役立ちます。
1. 高血圧予防のための食事
高血圧は脳卒中の主要な危険因子の一つです。
以下のような食事の工夫が、血圧低下や脳梗塞予防に効果的とされています。
(参照サイト:脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕)
- 減塩:1日の塩分摂取量を6g未満に抑える。
- 代替塩の活用:低ナトリウム塩を使用する。
- 野菜や果物の積極的摂取:カリウムを多く含む食品(バナナ、ほうれん草など)は血圧を下げる効果が期待できる。
- 飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控える:バターや動物性脂肪を減らし、魚(特に青魚)を積極的に摂る。
- 適切なカロリー摂取:肥満を防ぐため、摂取カロリーを適正範囲に抑える。
- 節酒:アルコールの摂取量を適度に制限する。
こうした工夫が、高血圧を予防し、脳梗塞を含む脳卒中の予防に役立つと考えられています。
2. 糖尿病予防と食事
2型糖尿病は動脈硬化を進行させ、脳梗塞リスクを高めます。
糖尿病の予防・管理のために、以下の食事法が推奨されます。
- 食物繊維の豊富な炭水化物を摂る:玄米や全粒粉パン、野菜、豆類を取り入れる。
- 赤身肉を控える:特に加工肉(ソーセージ、ベーコンなど)は避ける。
- 地中海風の食事を取り入れる:オリーブオイル、ナッツ類、魚、野菜、果物を多く含む食事が心血管イベントの抑制に有効とされています。
コレステロール値を改善する運動の取り入れ方
運動はコレステロール値の管理にも重要な役割を果たします。
適度な運動を習慣にすることで、LDL(悪玉)コレステロールを減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やす効果が期待できます。
(参照サイト:脂質異常症を改善するための運動 | e-ヘルスネット(厚生労働省))
- 有酸素運動(週150分以上):ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などを週に150分以上行う。
- 筋力トレーニング(週2回以上):スクワット、腕立て伏せ、ダンベル運動などを取り入れる。
- 日常生活での活動量を増やす:エレベーターではなく階段を使う、歩く機会を増やす。
運動を継続することで、脂質異常症の改善や血管の健康維持につながります。
日常生活でコレステロール管理を続けるコツ
とはいえ、日常生活においてはどのようにコレステロール値を管理すれば良いのか疑問に思うかもしれません。
そこで、以下のようなことを心掛けてみましょう。
(参照サイト:【脂質】 ちょっとした工夫で脂質をコントロール | 健康サポート | 全国健康保険協会)
日常生活のちょっとした工夫でもコレステロール値の管理をサポートできます。
- 脂質の摂取バランスを考える:動物性脂肪を控え、オメガ3脂肪酸を含む青魚やナッツ類を積極的に摂る。
- 調理法を工夫する:揚げ物を避け、焼く・蒸す・煮るなどの調理法を活用する。
肉を食べる際には、脂肪が少ない部分を選び、調理前に脂身や皮を取り除く。 - 外食や市販の惣菜を食べる際は注意:こうした食事では油が多くなりがちなので、揚げ物(天ぷら、フライ)をなるべく控えるようにする
- 食事のリズムを整える:朝食をしっかり食べ、夜遅い食事を避ける。
- 間食を見直す:スナック菓子や洋菓子を減らし、ナッツやヨーグルトなどヘルシーな選択をする。
- 適正体重の維持:BMIが適正範囲内(18.5〜24.9)になるよう体重を管理する。
- 禁煙:タバコはLDLコレステロールを増やし、血管の炎症を引き起こすため、禁煙を心がける。
- ストレス管理:慢性的なストレスは血圧や血糖値を上げるため、リラクゼーションや趣味の時間を大切にする。
- 定期的な健康診断:血液検査でコレステロール値や血糖値をチェックし、異常があれば早めに対策を講じる。
こうした工夫が、コレステロール値を適正に保つために役立ちます。
まとめ
コレステロール値を適正範囲に保つことは、脳梗塞のリスクを低減する重要な方法の一つです。
食事の改善、適度な運動、健康的な生活習慣を継続することで、脳血管の健康を守ることができます。
日々の生活に無理なく取り入れられる工夫をしながら、脳梗塞予防に取り組みましょう。
脳梗塞を予防するために悪玉コレステロール値を下げることは大切ですが、それでも脳梗塞を発症してしまうことはあるかもしれません。
そのような場合、手足の麻痺や言葉が出にくくなる症状などが後遺症として残ってしまうこともあります。
そうした方に対して、ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックなどでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
ご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談くださいね。
よくあるご質問
- コレステロールが脳梗塞の原因になるのはなぜ?
- コレステロールが血液中に多くなると、動脈硬化を引き起こし、血管が狭くなったり詰まりやすくなります。
特にLDL(悪玉)コレステロールが増えると、血管内にプラークが形成され、血流が悪化します。
この状態が続くと血栓ができやすくなり、脳の血管が詰まることで脳梗塞を引き起こすリスクが高まります。 - トマトジュースにリンゴ酢を入れるとどんな効果があるの?
- トマトジュースにリンゴ酢を加えることで、抗酸化作用が強化され、血流改善や血圧低下が期待できます。
トマトに含まれるリコピンには動脈硬化予防効果があり、リンゴ酢には血糖値の上昇を抑えたり、脂質代謝を促進する働きがあります。
両者を組み合わせることで、心血管疾患のリスク軽減に役立つとされています。
<参照元>
・(1)脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
・(2)脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕:https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf
・(3)脂質異常症を改善するための運動 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-003.html
・(3)【脂質】 ちょっとした工夫で脂質をコントロール | 健康サポート | 全国健康保険協会:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat450/sb4501/p004/
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高血圧が最も重要な要因です。高血圧は血管壁に過剰な圧力をかけ、脆くなった血管が破裂する危険性を高めます。また、喫煙や過度の飲酒は、動脈硬化を促進し、リスクを増大させます。さらに、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病、肥満、不適切な食生活、運動不足も関連します。予防には生活習慣の改善が欠かせません。
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