点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脳卒中

 脳梗塞後遺症の軽症・中程度・重症の違いとは?

<この記事を読んでわかること>
脳梗塞後遺症の軽症・中程度・重症の定義がわかる
脳梗塞後遺症の重症度別のリハビリ内容がわかる
脳梗塞後遺症の重症度別に、日常生活に与える影響がわかる

脳はさまざまな機能を担う臓器であり、脳梗塞などによってその一部が損傷すると、さまざまな後遺症が出現します。
それによって日常生活にもさまざまな支障をきたし、これまで送れていた生活が送れなくなる可能性もあります。
この記事では、脳梗塞後遺症の重症度別の症状や生活への影響、行うべきリハビリについて紹介します。

脳梗塞後遺症の軽症・中程度・重症、それぞれの特徴

脳梗塞後遺症の軽症・中程度・重症、それぞれの特徴
現代の医療技術をもってしても、脳の機能の全容を明らかにすることは困難であり、それだけ多くの機能を担っている臓器でもあります。
そのため、脳梗塞を発症して脳の一部が壊死すると、さまざまな後遺症が出現してしまいます。
麻痺やしびれ、言語障害、認知機能障害など、出現する可能性のある後遺症はさまざまであり、多くの場合、複数の後遺症が複合的に残ってしまうため、日常生活に与える影響は甚大です。
後遺症が日常生活にどれほどの影響を与えるかによって、「modified Rankin Scale」では脳梗塞の後遺症を軽症・中等症・重症の3つに分類しています。

  • 軽症:発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしで行える
  • 中等症:何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
  • 重症:寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りが必要

軽症の場合、発症以前から行っている仕事や活動に制限はありますが、日常生活は自立している状態です。
中等症の場合、買い物や公共交通機関を利用した外出には介助が必要となりますが、歩行や食事、入浴や排泄などの日常生活動作に介助を必要としない状態です。
これらの日常生活動作に介助が必要となると重症に近くなり、常に誰かの介助が必要となると重症に分類されます。

軽症の場合:感覚の異常や疲れやすさの対処法

軽症の脳梗塞の場合、軽度で部分的な麻痺やしびれ、構音障害などが主な後遺症であることが多いです。
本人しか自覚できない感覚の異常などが残り、日常生活のさまざまなシーンで以前より困難に陥ることが増えるため、疲れやすくなりますが、周囲から見た時に脳梗塞の後遺症があることを認識されません。
しかし、この段階であれば発症早期から適切なリハビリを行うことで、支障の出ている日常生活動作の改善を図ることも可能です。
身体機能の改善のためには体力強化訓練(心肺機能強化のためのトレーニング)や、基本動作練習などが有用であり、繰り返し行うことで身体機能を維持・改善でき、疲れにくい身体づくりを目指すことができます。

中程度の場合:言語や運動能力のリハビリ事例

中程度の場合:言語や運動能力のリハビリ事例
中等症の脳梗塞の場合、麻痺やしびれ・さらには言語機能の低下によって屋外での行動に著しく制限がかかります。
この段階では、麻痺やしびれによって歩行などの基本動作に支障が出ており、周囲の人から見ても後遺症が認知される状態です。
特に、口腔内の筋肉が麻痺することで生じる構音障害や四肢の麻痺によって、周囲の人とのコミュニケーションに支障をきたしたり、外出や仕事にも支障が出るため、やはりリハビリによる改善を目指す必要があります。
麻痺のリハビリとしては、関節の拘縮を予防する関節可動域訓練や、座位からの立ち上がりのための立ち上がり訓練、歩行訓練などが主です。
言語障害は具体的には下記のような症状が挙げられます。

  • 構音障害:口腔内の筋肉が麻痺することでうまく呂律が回らない
  • 嚥下障害:飲み込みに関わる筋肉が障害されることで嚥下機能が低下
  • 失語症:言語の理解や表出の能力が低下

嚥下訓練や口の体操など、症状によってリハビリ内容もさまざまであり、症状に合わせて言語聴覚士が適切なリハビリ内容を選択します。

重症の場合:日常生活での介助が必要な症状とは?

重症の脳梗塞の場合、寝たきりで日常生活動作を通常通り行えなくなるため、日常生活のありとあらゆる場面で介護が必要です。
具体的には、下記のような点で介護が必要となります。

  • 褥瘡予防
  • 排泄管理
  • 気道管理
  • 食事管理
  • 清拭

ほとんど動かなくなるため、坐骨や踵骨、肩甲骨など地面に接する部位においては褥瘡ができやすく、適宜体位変換を行うことが介護において重要です。
もちろん排尿や排便も自身で適切に調整できず、不潔にならないように清拭など徹底し、排泄を管理する必要があります。
ほかにも、嚥下能力の低下によって食事や唾液の飲み込みがうまくいかなくなるため、誤嚥しないように正しい姿勢で食事を摂らせる必要があります。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞後遺症の軽症・中程度・重症の違いについて詳しく解説しました。
脳梗塞後遺症は、modified Rankin Scaleによって軽症・中程度・重症の3段階に分類され、それぞれのフェーズで日常生活に与える影響やリハビリも異なります。
現状では、後遺症を完全に根治する治療は存在せず、極力発症早期からリハビリテーションを実施することが基本です。
また、近年では新たな治療法として再生医療とリハビリの併用が注目されています。
ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、脳梗塞後の後遺症改善が期待できます。

よくあるご質問

軽症と中等症と重症の違いは何ですか?
脳梗塞後遺症の軽症と中等症と重症の違いは、日常生活にどれほどの影響を与えるかです。
軽症であればほぼ影響はないですが、中等症なら特に屋外では介護が必要となり、重症であればほぼ全ての場面で介護が必要となります。

重度の脳梗塞とはどういうものですか?
重度の脳梗塞とは、梗塞範囲が広く、重篤な神経症状をきたす状態です。
麻痺やしびれはもちろんのこと、意識障害や呼吸停止など、命に関わる病態であり、仮に救命されてもその後の生活に介護が必要となる可能性が高いです。

<参照元>
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/other1-1-5.pdf
日本言語聴覚士協会:https://www.japanslht.or.jp/what/

関連記事

外部サイトの関連記事:【再生医療|脳出血(右片麻痺)】60代男性 車椅子からの回復!上肢下肢の改善の様子

治療後の症例のご案内




    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。




    • お名前

    • Email・TEL

    • 年齢・内容

    年齢の選択

    地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。

    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。

    公式Instagram

    関連記事

    PAGE TOP
    貴宝院医師