点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脊髄損傷

 脊髄損傷急性期に気を付けること

<この記事を読んでわかること>
過剰な身体運動のリスク
脊椎の不用意な動かし方で注意すること
適切な安静の重要性

脊髄損傷急性期は患者の動作と安静が重要です。過剰な身体運動は神経損傷を拡大し合併症を引き起こすリスクが増大します。不用意な脊椎の動かし方も神経損傷を悪化させる可能性があり、適切な安静が重要です。医療専門スタッフの指示のもと、慎重な動作と休息を守りながら回復に専念することが大切です。

過剰な身体運動のリスクとは

脊髄損傷急性期において適切な安静は極めて重要
脊髄損傷急性期では、脊柱の安定性に重点がおかれるとともに神経の機能回復に対する慎重なアプローチが必須です。
神経組織が損傷しているため、患者自身が感覚や運動の機能喪失を経験する非常にデリケートな時期です。
そのため、身体に対する外部刺激や運動が慎重に管理されなければなりません
過剰な身体運動は、損傷した脊髄にさらなる圧力や負荷がかかるため神経損傷を悪化させます。
急激な運動や無理な動きは、損傷した神経組織に追加の負荷を与えてしまうため神経の修復を妨げるばかりでは無く、筋肉や関節に過度の負荷を与えるため患者の回復を遅らせる可能性があります。
筋肉の過剰な緊張が痛みを引き起こし関節の可動域を制限するのがその一例です。
運動障害以外の悪影響もあります。
過剰な身体活動は血行障害のリスクが増加し傷口や損傷した組織の修復を妨げます。
急激な運動は免疫系に悪影響を与えるため感染に対する抵抗力を低下させる可能性もあります。

脊椎の不用意な動かし方で注意すること

脊髄損傷急性期において、脊椎の不用意な動かし方は重大な懸念事項であり、不用意に動かすことで損傷の拡大や合併症のリスクを増加させます。
なぜなら、脊椎は中枢神経系を保護する役割を果たしており、誤った動きは神経組織に更なる神経損傷をもたらす可能性があるからです。
まず守ることは脊椎の正しい位置や姿勢を維持することです。
急激で不自然な動きや体勢の変更は損傷した脊髄に対して過度な圧力をかけ神経組織に追加の損傷を引き起こす可能性があります。
脊椎の動かし方として重要な点は一気に動かすのではなく、ゆっくりかつ慎重に動かすことです。
急激な動きは脊椎に衝撃を与え既存の損傷を悪化させる恐れがあります。
例として、寝返りを打つ際やベッドからの移動などは十分な注意が必要です。
加えて、脊椎の曲げや回転にも慎重なアプローチが必要です。
不用意な動きを防止するためには補助具(車椅子、歩行補助具など)の利用が検討されますが、患者自身を含め医療スタッフが適正な使用方法を実践し安全かつ効果的に移動できるようにすることが不可欠です。

適切な安静の重要性について

脊髄損傷急性期において適切な安静は極めて重要です。
なぜなら、この期間は神経組織の損傷が最も顕著でかつ最も脆弱であるため障害を受けやすいからです。
適切な安静は損傷した脊髄にかかる負担やストレスを最小限に抑え更なる神経組織の損傷を防ぐためには基本的な要素です。
炎症の軽減や治癒プロセスを促進させる働きもあります。
適切な安静を守ることで炎症が収束しやすくなり、神経組織の修復のスピードが向上し回復が効果的に進みます。
適切な安静は神経機能の回復ばかりではなく精神面にも好影響を与えます。
心身のリラックスにつながり回復に向けたポジティブなエネルギーが生まれやすくなります。
治療の一環として患者の全体的な健康と回復に寄与する不可欠な行為です。

まとめ

今回の記事では、脊髄損傷急性期に気を付けることについて解説しました。
脊髄損傷は重篤な疾患であり、急性期は医療チームで対応することが重要です。
将来的には損傷した神経を蘇させる先端医療として再生医療が期待されています。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害は治るを当たり前にする取り組み」も盛んです。
脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、脳脊髄損傷部位の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「再生医療×同時リハビリ™」によって後遺症からの再生が期待できます。

よくあるご質問

脊髄はどのような働きがありますか。
脊髄とは脳と体を繋ぐ太い神経の束のことをいいます。脊髄は背骨の中を通り、身体の感覚・運動・自律神経の機能に影響する重要な部分です。それぞれ、知覚神経、運動神経、自律神経が役割を担っています。

脊髄損傷はどんな病気ですか。
脊髄損傷とは、脊椎が脱臼や骨折などによって傷害をうけることにより脊椎の中で保護されている脊髄が損傷を受け、麻痺や知覚障害などが出現する病気です。原因として、交通事故、高所転落、転倒などの外傷が多いですが、腫瘍や血行障害など非外傷性のものもあります。

<参照元>
脊髄損傷のリハビリテーション治療:https://www.jarm.or.jp/civic/rehabilitation/rehabilitation_03.html
脊髄損傷者、 頸髄損傷者のリハビリテーション:http://www.rehab.go.jp/rehanews/japanese/No361/2_1_story.html

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