点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

リハビリ・その他

 片麻痺リハビリ徹底解説

<この記事を読んでわかること>
片麻痺とは
片麻痺の症状について
片麻痺のリハビリ

片麻痺とは人体の半分の左右どちらか一方が、思うように動かなくなる状態のことです。
この症状は通常、脳の特定の部分に障害が生じた場合に見られ、障害は左右の脳がそれぞれ身体の反対側を制御しているという神経系の特性に起因します。
したがって、右脳が損傷を受けると左側が麻痺し、左脳が損傷すると右側が麻痺します。
また、麻痺の度合いは軽度から重度まで様々で、左麻痺と右麻痺ではそれぞれ独特の症状が表れます。

片麻痺の原因

片麻痺の原因

片麻痺の主要な原因は、脳内の血液循環が阻害される結果、発生します。
この阻害は、血管が詰まり脳梗塞が生じたり、血管が破れて脳出血やくも膜下出血が起きたりすることで引き起こされます。
これらの状況は脳の神経細胞に障害を引き起こし、片麻痺の症状を発生させてしまうのです。

また、頭部の外傷も、時間を経てから片麻痺の原因となることがあります。
例えば脳を覆っている硬膜(頭蓋骨の内側で脳を包む膜)と脳表面の間に少しずつ血が溜まる状態(慢性硬膜下血腫)を引き起こすことがあります。

片麻痺の症状について

片麻痺の症状について

片麻痺には一部共通の症状があります。
その一つに、麻痺が出る片側の手足や顔の感覚異常があり、顔の半分が感じない、手に持った物をうまく掴めない、足がもつれて歩きにくくなる、などの症状が起こります。
さらに、麻痺側の視野の欠けや正確な発音が難しくなる構音障害が起こることもあります。

そして、左右の麻痺ではそれぞれ異なる症状が現れます。
左脳が損傷した場合の右麻痺では、聞く、話す、読む、書くことが難しくなる失語症の症状が出ることが多いです。
さらに、怒りやすくなったり興奮しやすくなったりするなどの性格の変化も見られることがあります。

一方、右脳が損傷した場合の左麻痺では、空間認知の機能が影響を受けるため、自分と物の距離感がわかりにくくなります。
このため、転倒や怪我をすることによるリスクが高まる可能性があります。

片麻痺のリハビリ

片麻痺リハビリの3つの段階

片麻痺になると、日常生活やコミュニケーションが難しくなることもありますが、諦める必要はありません。
幸い私たちの脳には驚くべき再生能力が備わっています。
脳のある部分が損傷しても、他の部分がその役割を引き継いでくれる可能性があるのです。
この能力を最大限に引き出すためには、専門的なリハビリテーションが必要となります。
また、当院独自の「同時リハビリ×神経再生医療™」はリハビリの下地を作り、再生力を強化する治療などもあります。

一般的な片麻痺のリハビリは大きく分けて三つの段階がある

最初のステージは、発症直後から約4週間を対象とした「急性期リハビリテーション」です。
次に、発症後3~6ヶ月間を対象とした「回復期リハビリテーション」があります。
そして最後に、発症後6ヶ月以降を対象とした「生活期リハビリテーション」があります。
それぞれの段階で適切なリハビリを受けることで、回復への道を切り開いていきます。

急性期リハビリテーション(発症後から2~4週間)

急性期リハビリテーション

片麻痺の治療における発症後2~4週間を対象とした「急性期リハビリテーション」は、とても重要なフェーズです。
なるべく発症後48時間以内にリハビリを始めるのが理想的で、その理由は二つあります。

一つは、体が動かない時間が長くなることで起こる可能性のある二次的な問題の予防です。
これは、身体が動かない状態が続くことで筋肉や関節が硬化発生するという問題を指します。
さらに、麻痺していない側の筋力が衰えるリスクもあるため、それらを防ぐためにも早期の動作が重要となります。
もう一つの理由は、早期にリハビリを始めることで、身体の機能や精神状態の低下を防ぐためです。
特に、精神的な側面ではうつなどのリスクを減らすことが可能です。

しかし、急性期のリハビリは、病状がまだ安定していない可能性があるため、体調を見守りながら行われます。
具体的には、麻痺した手足の関節の拘縮を予防するためのストレッチや、ベッドからの起立訓練など、体への負担が少ないリハビリが主に行われます。
早期の離床を目指していくのが、この段階のリハビリテーションの特徴です。

回復期リハビリテーション(発症後3~6ヶ月まで)

回復期リハビリテーション

「回復期リハビリテーション」は、発症から約3~6ヶ月までの間に行われ、この時期は脳の神経ネットワークの再建と再調整が中心的なテーマとなります。
このフェーズでは、患者様の脳がご自身の動作とそれに対応するイメージとの一貫性を再度確立するために試みます。
この過程は、多くの場合、発症から6ヶ月ほどで終了するとされています。

この段階のリハビリテーションでは、在宅復帰と社会復帰を目標に設定します。例えば、食事や着替え、トイレなど、日常生活の中で必要となる動作に対する訓練が行われます。
また、これらの動作訓練と並行して、歩行訓練や個々の障害を改善するためのリハビリも進行します。

生活期リハビリテーション(発症後6ヶ月以降)

生活期リハビリテーション

「生活期リハビリテーション」または「維持期リハビリテーション」とも言われており、発症から6ヶ月以降に行われます。
この期間の目標は、これまでに取り戻した身体の機能と日常生活動作のスキルを長期にわたり維持し、さらに可能な限り改善することです。
自宅での訓練の継続や、特定の動作の定着に必要な反復練習が行われます。

そして、退院後も訓練は継続され、身体機能の低下を防ぐために日々の活動を通じたリハビリが重要となります。

片麻痺のリハビリは、患者様が再び自立し、より良い生活の質を実現するために、非常に重要な過程です。
それは、適切な治療とともに、患者様ご自身の意志と努力が求められる長期的な取り組みです。

片麻痺リハビリ徹底解説のまとめ

近年では、再生医療の進歩もリハビリテーションの効果を高める可能性を秘めています。
幹細胞点滴療法や幹細胞培養上清液療法などは、損傷した神経組織の回復を促進し、リハビリテーションによる機能回復を更に進めることが期待されています。

これらの治療法はまだ開発段階にありますが、脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、骨髄由来幹細胞を用いた再生医療の実績は国内トップクラスです。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

脳卒中や脊髄損傷の後遺症を抱える患者様へ。リハビリテーション専門医として神経再生リハビリ®に力を入れています。SNSでも情報や症例を積極的に発信中です。ぜひご覧ください。




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