<この記事を読んでわかること>
全身性エリテマトーデス(SLE)の特徴や主な症状がわかる。
SLEの病状に応じた通院頻度や受診間隔の目安がわかる。
検査・治療の流れや、日常生活で注意したいポイントがわかる。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫の異常によって全身に炎症が起こる膠原病の一つです。病状が安定している時期と活動性が高い時期では、通院頻度や治療内容が異なることがあります。この記事では、SLEの特徴や主な症状、検査・治療の流れ、通院頻度の目安、日常生活で気を付けたいポイントについて解説します。
全身性エリテマトーデス(SLE)とは
全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus:SLE)は、本来は細菌やウイルスなどから体を守る免疫の仕組みが、自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。
膠原病の一つに分類され、日本では指定難病となっています。
SLEは全身に症状が現れる可能性があります。
発熱や倦怠感、関節痛、皮疹などのほか、腎臓・肺・心臓・血液・神経などに影響することもあります。
代表的な皮膚症状としては、頬から鼻にかけて赤みが現れる蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)や、紫外線を浴びた後に皮膚症状が悪化する光線過敏などがあります。
ただし、現れる症状や重症度は人によって異なります。
比較的軽い症状が中心の方もいれば、ループス腎炎(SLEによって腎臓に炎症が起こる合併症)など臓器障害を伴う方もいます。
また、症状が落ち着く時期と病気の活動性が再び高くなる「再燃」を繰り返す場合もあります。
そのため、SLEでは現在の症状だけでなく、血液検査や尿検査などを定期的に行いながら病状を確認していくことが大切です。
SLEの通院頻度はどれくらい?
SLEの通院頻度は一律ではなく、病状や治療内容に応じて設定されます。
診断されたばかりの時期や症状が悪化している時期、薬を開始・変更した直後などは、比較的短い間隔で通院することがあります。
ただし、体調がよくても自己判断で通院を中断するのは避けましょう。
SLEでは自覚症状が少なくても、血液検査や尿検査で病気の活動性や腎障害の兆候が見つかる場合があります。
ループス腎炎など重要な臓器障害がある場合は、よりこまめな診察や検査が必要です。
ステロイド・免疫抑制薬などの調整中も、受診間隔が短くなることがあります。
通院頻度について不安がある場合には、「今は病気がどの程度安定しているのか」「今後、受診間隔を延ばせる可能性があるか」を主治医に確認してください。
SLEの検査と治療はどのように進む?
SLEは、一つの検査だけで診断できる病気ではありません。
症状や診察所見に加えて、血液検査や尿検査などを組み合わせながら総合的に判断します。
血液検査では抗核抗体や抗DNA抗体などの自己抗体を確認します。
なお、抗DNA抗体は、自分の細胞にあるDNAに対して反応する「自己抗体」の一つです。
また、補体(免疫反応に関わる血液中のたんぱく質)や白血球・赤血球・血小板なども調べます。
さらに、腎臓への影響を調べるために腎機能や尿蛋白、尿潜血なども確認します。
必要に応じて画像検査や腎生検(腎臓の組織を採取して調べる検査)などを行う場合もあります。
治療内容も病気の状態によって異なります。
ヒドロキシクロロキン・ステロイド・免疫抑制薬・生物学的製剤(免疫反応に関わる特定の物質に作用する薬)などを使用します。
疾患活動性を抑え、臓器障害や再燃の予防を目指します。
疾患活動性とは、病気の勢いや炎症の程度を示す言葉です。
なお、ヒドロキシクロロキンは免疫調整薬で、過剰な免疫反応や炎症を抑える働きがあります。
近年では、病気の活動性をできるだけ低く保つことが重視されています。
症状を抑えるだけでなく、長期的なステロイドの使用量を減らすことも重要です。
症状が改善したからといって、薬を減らしたり中止したりすると再燃する可能性があります。
治療内容の変更や減量は必ず主治医と相談しながら進めましょう。
SLEで通院中に気を付けたいこと

SLEでは、治療や定期受診を続けながら、日常生活でも体調の変化に注意することが大切です。
特に紫外線はSLEの皮膚症状や全身症状を悪化させる要因となることがあります。
外出時は日焼け止め・帽子・日傘・長袖の衣類などを活用します。
強い紫外線を避けることも重要です。
また、疲労や感染症をきっかけとして体調を崩すこともあります。
無理のない生活を心掛け、十分な休息や睡眠を確保することも重要です。
仕事についても、SLEだから必ず続けられなくなるわけではありません。
病状が安定していれば、治療を受けながら仕事を続けている方もいます。
活動性が高い時期には倦怠感や関節痛などが強くなる場合があります。
その際には勤務時間や仕事内容、通院日の調整が必要になることもあります。
また、SLEのある女性でも、病状が安定していれば妊娠・出産を目指せる場合があります。
しかし、妊娠中に使用できない薬もある点には注意が必要です。
将来的に妊娠を希望する場合には、早めに主治医へ相談することが大切です。
定期通院中であっても体調の変化には注意が必要です。
原因のわからない発熱が続く場合や、急にむくみが強くなった場合には放置しないようにしましょう。
息苦しさや胸痛がある、尿量の減少がみられる場合も、次回予約まで待たず医療機関へ相談しましょう。
まとめ
SLEの通院頻度は病状によって異なります。
診断直後や活動性が高い時期は、受診間隔が短くなることがあります。
一方、症状がなくても検査で変化が見つかることがあるため、自己判断で通院や治療を中止しないことが大切です。
自分の病気の活動性や臓器障害、治療内容を主治医と確認しながら、無理なく定期受診を続けていきましょう。
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SLEでは、脳や神経に炎症が及ぶことで、しびれや運動障害などの神経症状が現れることがあります。
こうした場合には、まずSLEの活動性を抑える治療を適切に受けることが重要です。
神経障害が残った場合には、回復を支える選択肢の一つとして「ニューロテック®」があります。
ニューロテック®は、再生医療「リニューロ®」を軸とするアプローチです。
骨髄由来間葉系幹細胞(骨髄から採取され、さまざまな組織の修復への応用が研究されている細胞)を用いた治療や神経再生リハビリ®などを組み合わせ、神経機能の回復を支援することを目指します。
ただし、SLEそのものを治療するものではありません。
神経症状がある場合は主治医と相談し、病状に応じた治療やリハビリを検討しましょう。
よくあるご質問
- SLEは症状が落ち着いていれば、通院しなくてもよいですか?
- 体調が安定していても、検査で病気の活動性(病気の勢いや症状の激しさ)や腎臓への影響が見つかることがあります。自己判断で受診を中断せず、主治医が決めた間隔で定期的に状態を確認することが大切です。
- SLEの通院頻度は途中で変わることがありますか?
- あります。治療開始直後や症状が強い時期には受診間隔が短くなり、病状が落ち着けば間隔を延ばせる場合があります。薬の変更や検査結果によっても調整されるため、主治医と相談しましょう。
(1)全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)|難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/53
(2)EULAR recommendations for the management of systemic lupus erythematosus: 2023 update|Annals of the Rheumatic Diseases:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37827694/
(3)全身性エリテマトーデス診療ガイドライン 2019|日本内科学会雑誌(J-STAGE):https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/112/4/112_674/_pdf
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