<この記事を読んでわかること>
・くも膜下出血で血管が破れるときの痛みの仕組み
・高血圧による血管負担と首の後ろの痛みとの関連
・脳卒中リスクが高い人に見られる共通の症状とは?
首の後ろの痛みが脳卒中の前兆となる理由は、主に椎骨動脈の異常と関連しています。
椎骨動脈が解離(裂ける)することで、脳梗塞やくも膜下出血などの脳卒中を起こす恐れがあります。
この解離が起こる際に、首の後ろの痛みだけでは無く、頭痛、吐き気、めまいなどの症状が起こることがあります。
くも膜下出血で血管が破れるときの痛みの仕組み
この記事ではくも膜下出血で血管が破れるときの痛みの仕組みについて解説します。
くも膜下出血における血管破裂時の痛みは、突然かつ激しい頭痛です。
まるで「頭を殴られたような痛み」と表現されることもたびたびあります。
それまでに経験したことのない強さであることが多いです。
この痛みのメカニズムは以下のように説明できます。
まず、脳そのものには痛みを感じる神経がほとんどありません。
従って、脳内で出血が起こっても、痛みを感じることは通常ありません。
でも、くも膜下出血は、脳動脈の破裂が主な原因です。
そのため、破裂後、血液がくも膜下腔に急速に流れ込みます。
くも膜には痛みを感じる神経が豊富に分布しているため、流れ込んだ血液が神経に刺激を与え、激しい強い痛みを起こします。
血液の広がりが広範囲に及んだ場合は、頭部全体に激しい痛みが波及します。
痛みに伴い、嘔気、嘔吐、意識障害などの症状が現れることがあります。
痛みの強さは、緊急性を示す重要な指標です。
くも膜下出血は命に関わる疾患でもあるので、このような頭痛を感じたら、早急に医療機関を受診することが重要です。
高血圧による血管負担と首の後ろの痛みとの関連
この記事では、高血圧による血管負担と首の後ろの痛みとの関連について解説します。
首の後ろの痛みと高血圧は関連があります。
高血圧は、血管壁に強い圧力を継続的に与えるため、血管壁が損傷しやすくなります。
その結果、血管が固くなり弾力性を失ったり、血管の内腔が狭くなったりします。
これにより、血流が悪化し、首の筋肉や組織への酸素の供給が不足しやすくなります。
すると、首の筋肉に酸素が行き届かなくなり、筋肉が緊張しやすくなります。
この筋肉の緊張が、首の後ろの痛みを引き起こす一因となります。
進行すると、痛みに加え、肩こり、肩甲骨の痛み、頭痛、耳鳴り、めまいなどの症状が現れることがあります。
また、血圧が上昇したり、交感神経が過敏となるため、首や肩の筋肉の緊張が高まり、痛みを起こす可能性があります。
脳卒中リスクが高い人に見られる共通の症状とは?
この記事では脳卒中リスクが高い人に見られる共通の症状とは?について解説します。
脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりして、脳の機能に障害を与える疾患です。
発症すると、半身麻痺や言語障害などの症状が現れ、治療後も後遺症が残る可能性があります。
そのため、早期発見・早期治療が重要です。
共通の症状は突然発症することが特徴ですが、主な症状は以下です。
顔の片側がゆがむまたは笑おうとしても片側だけ動かない、片側の手足に麻痺やしびれが起きる、呂律が回らないまたは言葉が出にくくなる、突然のめまいやふらつきがありバランスが取れなくなる、視野の一部が欠けたり物が二重に見えたりする、激しい頭痛や嘔吐の6つです。
これらの症状のうち一つでも当てはまれば、脳卒中の可能性があります。
また、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動などの基礎疾患を有する人はリスクが高いと言えるでしょう。
日常生活への影響:歩行や自立への障壁
この記事では日常生活への影響:歩行や自立への障壁について解説します。
歩行への障壁です。
まず、最も顕著な影響は、歩行困難となることです。
麻痺側の足は力が入らず、うまく前に進めない、バランスを崩しやすい状態になります。
加えて、 健側と比較して、麻痺側の歩幅が狭くなったり、歩行速度がゆっくりとなったりするため、転倒のリスクが高まります。
次に、自立への障壁です。
歩行の障害も手伝い、外出や移動が制限され、活動範囲が狭まります。
日常生活においても、階段の上り下り、立ち上がりなどが難しくなり、介護が必要となることもあります。
このような自立への障壁は、自信喪失を来たしたり、友人や家族との交流が減ったり、社会参加の機会が失われたりするので、精神面にも大きな悪影響を及ぼします。
まとめ
今回の記事では、首の後ろの痛みが脳卒中の前兆となる理由について解説しました。
脳卒中は脳の血管障害が原因で起きる疾患で、脳の神経組織が障害されます。
治療後も、後遺症が残ることがたびたびあります。
後遺症が残った場合、神経を再生させると改善が望めますが、根本的な治療が無いのが現状です。
そのため、新たな治療法として、再生医療に期待が持てます。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、脳脊髄損傷部位の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「再生医療×同時リハビリ™」があります。
これらの治療法は、脳卒中の後遺症に苦しむ患者さんに対して期待が持てる治療となるでしょう。
よくあるご質問
- 首と脳の関係は?
- 首は、脳と身体を繋ぐ重要な部分です。
脳に酸素や栄養を運ぶ血管が集中している、脳からの指令を身体へ伝える神経が通っているからです。
そのため、首が障害を受けると、頭痛やめまいなど、様々な症状を起こします。 - 警告頭痛とは何ですか?
- くも膜下出血の前兆として現れることがある頭痛のことを言います。
今まで経験したことのないような激しい頭痛で、バットで殴られたような痛みと表現されることがたびたびあります。
警告頭痛は、脳に大きな出血が起こる前のサインであるため、現れた際は、すぐに医療機関を受診しましょう。
放置すると、命に関わることもあります。
<参照元>
国立循環器病研究センター:https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/stroke-2/
e-ヘルスネット:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
健康長寿とちぎ:https://www.kenko-choju.tochigi.jp/contents/page.php?id=52
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脳卒中のなかには、早期に診断して治療を開始することで予後が改善できるものがありますので、顔や手の麻痺が生じたり、言葉が不明瞭になったりする初期症状には注目しましょう。応急処置は、呼吸や意識の評価と評価に基づく対応、迅速な救急要請、救急隊が到着するまでの安全な体位の確保、また症状や時間経過の記録などしておくことが理想的です。
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