<この記事を読んでわかること>
・座り方の工夫で腰や背中の負担を軽減する方法
・長時間の座位による褥瘡(じょくそう)を防ぐための対策
・日常生活でできる姿勢改善と疲れを軽減するコツ
まず、ご自分に合った車椅子の調整を行い、体への負担を減らすことが重要です。
次に、生活環境の工夫が不可欠です。
段差の解消や手が届きやすい位置への物の収納など、ちょっとした工夫が大切です。
また、外出の際は、バリアフリー情報や交通手段などを外出前に確認し、安全に行動できるように計画することが大切です。
座り方の工夫で腰や背中の負担を軽減する方法
この記事では座り方の工夫で腰や背中の負担を軽減する方法について解説します。
長時間の車いす使用で同じ姿勢で座っていると、腰や背中が痛むことがあります。
注意する点は以下になります。
まず、車いすに座る際は、お尻を座面の奥まで入れ、前かがみとなり、その後、背筋を伸ばしあごを引く体勢をとることが重要です。
この姿勢によって、骨盤と背骨が直角になり、腰への負担が軽減されます。
また、車いすのフットレストに足底をしっかりと置くことで、安定した姿勢が保持できます。
クッションを使用することも有効です。
次に、自分にあった車いすの選択が重要です。
さまざまな車いすがありますが、モジュールタイプがおすすめです。
このタイプは背もたれの形状、座面の高さや幅を調整できるため、個々の体型に合わせて最適な姿勢をとることが可能となります。
これにより、腰まわりや背中まわりをしっかりと支え、快適な姿勢を維持することができます。
さらに、このタイプは、お尻に集中していた体重を太ももに分散させることができるため、褥瘡の予防やズレ落ちの防止にも効果があります。
可能であれば、軽いストレッチを行うことも効果的なので、ぜひ試してみましょう。
長時間の座位による褥瘡(じょくそう)を防ぐための対策
この記事では長時間の座位による褥瘡(じょくそう)を防ぐための対策について解説します。
まずは、座位時間が重要です。
定期的な姿勢の変更を心がけましょう。
15分に1回程度、座り直したり体を傾けたりして、おしりにかかる圧力を解放することが大切です。
60分以上、車いすに座る場合は、体圧を和らげるクッションの使用をお勧めします。
その際に、適切なクッションの選択がポイントとなります。
車いすクッションは素材や構造によって特性が異なるため、個々の体型や状況に合わせて選ぶ必要があるからです。
例えば、低反発フォームは体圧を分散させやすいですが、着座直後と一定時間経過後の体圧分布が変化することに注意が必要です。
臀部周囲の清潔保持も欠かせません。
排泄物や汗による皮膚の湿潤は褥瘡のリスクを高めます。
こまめな清拭や適切なスキンケアを心がけましょう。
通気性や吸収性の良いパッドやおむつを使用し、必要以上の重ね履きを避けることも有効です。
また、皮膚自体の健康を保つうえで、食事にも気をつけましょう。
適切なカロリー摂取、高タンパク質、高ビタミンの食事を心がけることは褥瘡予防に効果的です。
日常生活でできる姿勢改善と疲れを軽減するコツ
この記事では日常生活でできる姿勢改善と疲れを軽減するコツについて解説します。
まずは、車いすの調整が必要です。
座面の高さや角度、背もたれの高さや角度などを、ご自身の体格や身体の形状に合わせて調整することで、体圧を分散させ、体の負担を軽減することができます。
特に、座面が低すぎると膝に負担がかかり、高すぎるとバランスを崩しやすくなるため、適切な高さに調整することが大切です。
座り方も、疲れを軽減するためには重要です。
背もたれにしっかりと寄りかかり、背骨をS字カーブに保つように意識します。
そうすることで腰への負担が軽減されます。
定期的な姿勢の変更も重要です。
長時間同じ姿勢で座っていると、筋肉が硬くなり、血行が悪くなってしまいます。
そのため、こまめに体勢を変えたり、ストレッチを行ったりすることで、筋肉の緊張を開放しましょう。
15分に1回程度が最適です。
クッションを使用することも効果的です。
ただし、車いす用クッションには、体圧分散効果が高いものや姿勢をサポートするものなど、さまざまな種類があります。
自分の使用目的に合ったクッションを選ぶことで、座り心地を改善し、疲れが軽減できます。
まとめ
今回の記事では、車椅子生活を快適に過ごすために知っておきたい基本のポイントについて解説しました。
車椅子の生活を余儀なくされる場合は、脳梗塞や脊髄損傷など、神経損傷による疾患が原因となることが多いです。
疾患によって本来持つ神経機能が失われるためです。
これらの神経が再生し、神経機能を蘇させることが可能となれば、症状は改善します。
でも、これまでの医療ではなかなか難しいのが現状です。
そのため、新たな治療法としての再生医療は期待が持てます。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「再生医療×同時リハビリ™」があります。
これらの治療法は、車椅子を使用している患者さんに対して期待が持てる治療となるでしょう。
よくあるご質問
- 車椅子で生活しやすい工夫は?
- 住環境においては、段差の解消、ドア幅の拡張、バリアフリー化などが重要です。
外出では、移動のための交通手段について事前に利用方法を調べておくことが大切です。
さらに、自分に合った車椅子の調整や周囲の人々とのコミュニケーションを積極的に取ることも、快適な生活を送る上で欠かせません。 - 車椅子の使い方の基本は?
- 車椅子の種類や個人の身体状況により異なりますが、一般的には以下の点に注意する必要があります。
具体的には、フットレストに足を確実に乗せる座り方、移動前のブレーキの確認、余裕をもった移動、アームレストを支えとした立ち上がり方などが考慮の対象となるでしょう。
国立がん研究センター中央病院:https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/info/team/020/tokozure_yobou.pdf
総合せき損センター:https://sekisonh.johas.go.jp/file/engineering/ATDDpoint2022.pdf
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