・脳梗塞でなぜむくむ?浮腫が起こるメカニズムを解説
・脳浮腫が進むとどうなる?脳への悪影響と対策
・脳圧が上昇するとどうなる?脳浮腫が引き起こす危険性
この記事では脳梗塞でなぜむくむ?浮腫が起こるメカニズムを解説します。
脳梗塞が起こると、脳の神経細胞や血管が障害を受けます。
そのため、細胞機能が低下し、電解質調節が不十分となり、細胞内に過剰な水分が蓄積し、むくみが起きます。
この状態が浮腫です。
浮腫が進むと、脳は頭蓋骨に圧迫されるため、さまざまな神経症状が現れます。
脳梗塞でなぜむくむ?浮腫が起こるメカニズムを解説
この記事では脳梗塞でなぜむくむ?浮腫が起こるメカニズムを解説します。
複数の要因が関与して起こります。
主な要因を以下に記載します。
まず、神経細胞に関連した要因です。
神経細胞が脳梗塞によって障害されると、細胞機能は低下し、電解質の調節がうまくいかなくなります。
その結果、細胞内にナトリウムと水分が過剰に蓄積して浮腫が起こります。
2つ目に、血管障害による要因です。
脳梗塞は神経細胞に加えて血管にも損傷を加えます。
その結果、血管が破れたり、透過性が亢進したりします。
これにより、血管内から血管外への水分が漏出して、浮腫が起こります。
3つ目に、リンパ管が原因です。
脳の中には、リンパ管という体に余分な水分や老廃物を回収する管があります。
脳梗塞によってリンパ管の圧迫や機能低下を来すと、脳組織内に溜まった水分が排出されにくくなり、浮腫が起こります。
4つ目に、炎症の関与です。
脳梗塞は脳の神経細胞に損傷を与えるため炎症を起こします。
この炎症という過程により、血管の透過性が増したり、血管の収縮を来したりするため、浮腫を悪化させるリスクとなります。
脳圧が上昇するとどうなる?脳浮腫が引き起こす危険性
この記事では脳圧が上昇するとどうなる?脳浮腫が引き起こす危険性について解説します。
脳圧とは、頭蓋骨の中に収まっている脳にかかる圧力のことを言います。
脳圧上昇を来すと、さまざまな合併症を起こす可能性があり危険な状態となります。
主な原因の一つは、脳浮腫です。
脳浮腫とは、脳組織に水分が過剰に溜まり、脳が腫れる状態です。
脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など、さまざまな疾患が原因となります。
脳圧が上昇すると、まず、頭痛、嘔吐が現れることが多いです。
これは、脳が圧迫されるためです。
さらに、脳圧が上昇すると、視神経が圧迫され、視力障害、複視、視野狭窄などの視覚障害が現れます。
これらの症状も、脳が圧迫されることで起こります。
脳圧上昇が原因となる症状は、朝の起床時に起こることが多いです。
さらに、脳圧上昇が継続すると、脳組織への血流が低下するため、酸素や栄養の供給が妨げられます。
これにより、神経機能の低下や壊死を起こす可能性があります。
その結果、意識障害や麻痺などが起こります。後遺症として残ることもたびたびあります。
脳浮腫が進むとどうなる?脳への悪影響と対策
この記事では脳浮腫が進むとどうなる?脳への悪影響と対策について解説します。
脳浮腫が進むと、脳にさまざまな悪影響を及ぼし、深刻な事態に発展する可能性があります。
具体的には、脳への血流が阻害されるため、脳への酸素や栄養の供給が不足します。
その結果、脳細胞の機能障害や壊死が起こり、意識障害や麻痺などが起こる可能性があります。
さらに深刻な状態となると、脳ヘルニアと呼ばれる状態に進展します。
脳ヘルニアは、脳組織の一部が脳の境界や隙間からはみ出る状態です。
これが、生命を維持する上で重要な脳幹に影響が波及すると、呼吸や心拍などの生命維持機能に重大な悪影響を及ぼし、命に関わる事態に発展する可能性があります。
脳浮腫の治療は、原因となっている病気の治療が最優先です。
脳腫瘍であれば手術や放射線治療、脳梗塞であれば血栓溶解療法などが行われます。
脳浮腫を軽減するための薬物療法や、脳脊髄液を排出する手術なども検討されます。
薬物として、利尿薬やステロイドなどが使われます。
脳浮腫は、脳に深刻なダメージを与える危険な状態です。
異常を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
まとめ
今回の記事では、脳梗塞でなぜむくむ?浮腫が起こるメカニズムを解説しました。
脳梗塞は神経細胞が壊死する疾患です。
そのため、さまざまな後遺症に悩むことになります。
でも、壊死した神経細胞を再生することが可能となれば、後遺症は改善します。
そのため、再生医療は今後、注目される治療法として期待されています。
再生治療として、脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」があります。
これらの治療法は、脳梗塞による後遺症に苦しむ患者さんにとって、期待が持てる治療となるでしょう。
よくあるご質問
- 脳梗塞後、脳が浮腫むのはなぜ?
- 脳梗塞は脳の神経細胞が障害される疾患です。
そのため、脳の細胞機能は低下し、電解質調節が不十分となります。
結果、細胞内に過剰な水分が蓄積し、脳が浮腫みます。 - 脳腫瘍による脳浮腫のメカニズムは?
- 脳腫瘍が腫大すると、周囲の正常な脳組織を圧迫するとともに、血管に影響を与えます。
そのため、血管が破れたり、血管の透過性が亢進したりすることで、血液中の水分が脳組織内に漏れ出しやすくなり、脳浮腫が起こります。
<参照元>
脳卒中治療ガイドライン:https://www.kk-kyowa.co.jp/stroke2021/
全国健康保険協会 脳卒中(脳血管障害):https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/kochi/20140325001/201411001099.pdf
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