点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

副作用とリスクについて

副作用とリスクについて

副作用とリスクについて
治療を行う上で、副作用とリスクの関係は、避けて通れない要素です。
目指す治療効果がある一方で、望ましくない影響が副作用として発生することもあります。
当院では、副作用とリスクを常に意識し、最小限に抑えるための取り組みを実施しています。
また、患者様が治療を安心して受けられるよう、詳細な説明に努めています。
治療に関するご不安や質問がございましたら、気兼ねなくご相談ください。

幹細胞治療の副作用とリスク

幹細胞は、自分と全く同じ能力を持った細胞に分裂する自己複製能と、自分とは異なる細胞に変化する多分化能を持っています。
幹細胞治療とは、幹細胞が持つ2つの能力を利用して、傷ついた臓器や血管などの修復・再生を目指す治療です。
この治療には大きく分けて「ES細胞」「iPS細胞」「体性幹細胞」の3種類に分類できます。
それぞれの治療について、詳しく解説します。

ES細胞治療の副作用とリスク

【副作用・リスク】 拒絶反応/がん化のリスク/倫理的な問題

ES細胞(胚性幹細胞)は、受精卵の初期胚から細胞を採取・培養したもので、さまざまな組織や臓器になれる万能細胞です。
どんな細胞にも分化でき、ほぼ無限に増殖可能なため、再生医療への応用が期待されています。
しかし、拒絶反応やがん化の危険性、命の元となる受精卵を用いるといった倫理的問題から、実用化には至っていません。

iPS細胞治療の副作用とリスク

【副作用・リスク】 がん化のリスク

iPS細胞とは、皮膚や血液から採取した細胞に特定の遺伝子を導入し、培養を通じて人工的に未分化状態へと戻すことで作られる万能細胞です。
自分自身の細胞を使用するため、ES細胞を使用するときに懸念される、拒絶反応や倫理的な問題を解決しています。
しかし、iPS細胞が持つ無限の増殖能力には、腫瘍形成のリスクが伴います。安全性の面での懸念が解消されていないため、実用化には至っていません。

体性幹細胞(幹細胞)治療の副作用とリスク

幹細胞とは、血液や骨髄液、脂肪のなかにある、さまざまな細胞になれる未分化な細胞のことです。
ヒトが持つ幹細胞には、造血幹細胞(血液)・間葉系幹細胞(骨や脂肪など)があります。
当院では、間葉系幹細胞治療のなかでもっとも安全で効果が高いとされている、骨髄細胞を基にした幹細胞治療を行っております。
この治療は、臨床開始から約30年の歴史がありますが、がん化したなどの重篤な副作用は報告されていません。
しかし、骨髄細胞を採取する「骨髄穿刺時」「幹細胞投与時」における副作用やリスクはゼロではありませんので、詳しくご説明いたします。

骨髄穿刺の副作用とリスク

骨髄穿刺(骨髄液採取)は、腰上部あたりに局所麻酔をして、腸骨から専用の注射器で骨髄液を採取するといった流れで行います。
局所麻酔と骨髄穿刺それぞれの副作用とリスクをご説明いたします。

局所麻酔の副作用とリスク

【副作用・リスク】 痛み/アナフィラキシーショック

当院における対応

  • 痛み
    局所麻酔の注射は、痛みが少なくなるように、極細の針を使用しております。
    また、麻酔薬注入時に痛みが出ることがありますが、神経の走行を考え、注入する麻酔薬の量を可能な限り少量にするよう心がけています。
  • アナフィラキシーショック
    使用する麻酔薬の量を可能な限り少量にするよう心がけています。
    また、万が一アレルギー症状が出現した場合には、すぐに対応できるよう備えています。

骨髄穿刺の副作用とリスク

【副作用・リスク】 皮下出血や皮下血腫/感染症/穿刺部の不快感

当院における対応

  • 皮下出血や皮下血腫
    穿刺後の皮下出血や皮下血腫を予防するために、当院の骨髄穿刺は細い針を使用しております。
    また、穿刺後は確実な止血のために、手圧や圧迫固定による止血時間を十分に取っています。
  • 感染症
    手術と同様に、処置室では帽子・マスク・ガウンを着用する清潔操作を行い、感染の軽減に努めております。
    また、穿刺部に十分な消毒を行ってから処置を行っています。
  • 穿刺部の不快感
    当院では骨髄穿刺の実績が2000件を超える医師2名の指導の下、骨髄穿刺を実施しております。
    穿刺時の不快感をできる限り抑え、最小限の穿刺回数で目標の幹細胞数が獲得できるよう、特殊な技術を用いております。

骨髄幹細胞投与の副作用とリスク

骨髄幹細胞は、点滴で投与いたします。
その際の副作用を詳しくご説明いたします。

【副作用・リスク】 肺血栓塞栓症/アナフィラキシーショック/感染症/点滴刺入部の発赤・熱感

当院における対応

  • 肺血栓塞栓症
    肺血栓塞栓症は、幹細胞が塊で体内に入ることで起こるとされているため、当院では投与前に幹細胞の状態をチェックしています。
    また、国際細胞治療学会(International Society for Cellular Therapy:ISCT)の定義に基づき、幹細胞マーカー(CD73、CD90、CD105)が90%以上認められる投与に適した幹細胞かどうかも合わせて確認しています。
    そして、点滴投与時には、幹細胞が塊で体に入らないよう幹細胞を生理食塩水に溶かし、フィルター付きの点滴を使用することで、肺血栓塞栓症の予防に努めております。
  • アレルギーによるショック
    患者様の状態に応じて、完全オーダーメイドの治療を行い、拒絶反応等のアレルギーの可能性を極限まで小さくするよう努めています。
  • 感染症
    当院は、骨髄由来幹細胞治療の基盤特許を取得している、唯一の診療所です。
    この治療を支える細胞培養加工施設は、厚生労働省令による細胞GMP基準(製造および品質管理などに関する基準)をクリアしており、非常に清潔な環境での細胞培養が可能です。
    最終製品については、無菌検査、エンドトキシン検査、マイコプラズマ検査などの検査を行い、十分な安全性を確認しております。また、投与時には医師により安全性の最終チェックを行っています。
  • 点滴刺入部の発赤・熱感
    感染を防止するために、アルコール消毒をしっかり行った上、手袋を着用して点滴を留置します。また、当院では金属アレルギー等を起こさないよう、ナイロン性の留置針を使用しています。
  • 熱感
    幹細胞以外の不純物を取り除くために、幹細胞の洗浄を念入りに行います。

臍帯由来サイトカインカクテルの副作用とリスク

臍帯由来のサイトカインカクテル(幹細胞培養上清液)は、臍帯由来の幹細胞を培養したときに分泌する多様なサイトカインを抽出したものです。
組織修復作用や免疫抑制作用、炎症鎮静作用があるため、投与により脳卒中や脊髄損傷後の後遺症軽減やリハビリ効果向上が期待できます。
幹細胞治療と異なり、点鼻により簡単に投与できる一方で、副作用もあります。

【副作用・リスク】 投与部位の疼痛・発赤/頭痛/全身倦怠感/悪寒/発熱/発疹/アレルギー等

当院における対応

副作用が起こった場合には担当医師が迅速に対応いたします。
投与部位の疼痛や発赤、頭痛や全身倦怠感等の症状が出現した際には、お申し出ください。

いつでも気兼ねなくご相談ください

お気軽にご相談ください
治療にはメリットだけでなく、副作用やリスクといったデメリットもありますが、当院では副作用とリスクを正確に把握し、細心の注意を払って治療を行っております。
ご納得して治療を受けていただけるよう、治療前には副作用やリスクなどもしっかりご説明させていただいております。
不安や疑問があれば、遠慮なくお申し出ください。
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