点滴×同時刺激リハビリで後遺症を改善へ

脳卒中

 ラクナ梗塞とは?小さな脳梗塞が残す意外な後遺症

<この記事を読んでわかること>

ラクナ梗塞が脳のどこで起こり、なぜ無症状で見逃されやすいのかがわかる。
小さな梗塞でも記憶力や感情に影響を及ぼす後遺症の具体例がわかる。
MRIで偶然見つかる“サイレント梗塞”への対策と再発予防の重要性がわかる。


ラクナ梗塞は、小さくても脳の深部にダメージを残し、記憶力低下や感情コントロールの障害を引き起こすことがあります。
たびたびラクナ梗塞が起こると、高次機能脳障害などを引き起こすことがあります。
また、無症候性の“サイレント梗塞”が後に認知症の原因になることもあります。
今回の記事では、ラクナ梗塞の予防や早期対策について詳しく解説します。

ラクナ梗塞が起こる部位と症状が軽く見える理由

ラクナ梗塞が起こる部位と症状が軽く見える理由
脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまうことで脳神経細胞への酸素供給が絶たれ、脳の細胞が壊死してしまう病気のことです。
脳梗塞は、詰まる血管の部分やなぜ血管が詰まってしまうのかなどによって、アテローム血栓性、心原性、ラクナ梗塞、などに分類されています。

ラクナ梗塞は、脳の深部にある血管(穿通枝)の閉塞によって引き起こされます。
そのため、脳の表面ではなく、より深部で小さな梗塞が起こるのが特徴です。
多くのラクナ梗塞は、小さな血管に関係するため梗塞も小さく、多くは自覚症状が現れないまま経過します。
さらに、高齢者の場合には20〜50%は、画像検査で無症状のラクナ梗塞があることが判明しています。
しかし、小さなラクナ梗塞であっても複数起こると、手足の麻痺や言語障害といった身体的な症状や、認知機能障害につながる可能性もあります。
ラクナ梗塞は、脳の皮質下領域に血液を供給する小さな血管が、アテローム性変化などによる血管病変によって閉塞してしまいます。
心臓から流れてきた小さな塞栓片や、大きな血管の疾患によって深部の穿通動脈が閉塞してしまうこともあります。
ラクナ梗塞の原因としては、高血圧や糖尿病、喫煙、高LDLコレステロール血症、頸動脈アテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患、一過性脳虚血発作(TIA)の既往などがあります。
また、遺伝的な要因による場合も稀にみられます。

記憶力低下・集中困難・感情コントロール障害とは

ラクナ梗塞は脳の深部構造における小さな脳卒中で、認知機能や感情制御に重大な影響を及ぼす可能性があります。
脳卒中や脳の外傷によって脳に損傷を受けた後に現れる、記憶障害や注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの症状により、日常生活や社会生活に制約が生じる状態を、高次脳機能障害と呼びます。
高次脳機能障害の症状の一つとして、以下のように、記憶喪失、集中力の低下、情緒不安定がみられます。

記憶障害

ラクナ梗塞、特に海馬のような皮質下領域を侵すと、記憶の形成と想起、つまり記憶することそのものと、記憶を取り出すことの両方に障害が生じる可能性があります。
ラクナ梗塞では、言語性エピソード記憶が特に障害を受けるという報告もあります。

なお、言語性エピソード記憶とは、個人が経験した出来事や体験を、時間や場所などの文脈情報とともに記憶する能力のことです。
その他には、物の置き場所を忘れる、新しい物事を覚えられない、同じことを繰り返し質問する、ということなどが記憶障害の症状です。

集中力の低下

ラクナ梗塞によって、注意力と実行機能に関わる神経経路が遮断されてしまう可能性があります。
その結果、集中力の維持が困難になり、注意散漫が増し、計画や整理整頓が難しくなることがあります。
言語記憶障害や、遂行機能領域の障害が特によく認められるとも報告されています。

遂行機能障害がある方は、自分で計画を立てて物事を実行することが難しくなります。
また、人に指示してもらわないと何もできず、約束の時間に間に合わないといったことも起こります。

感情制御障害

ラクナ梗塞の影響を受けることが多い前頭前皮質などの領域が損傷すると、感情の調節が妨げられ、気分の変動、イライラ、さらにはうつ病や無関心につながることがあります。

MRIで見つかって初めて気づく“サイレント梗塞”の恐さ

脳ドックなどで頭部のMRI検査をした際に初めて見つかる、特に症状のない脳梗塞を「無症候性脳梗塞」と呼びます。
これは「サイレント梗塞」と呼ばれることもあります。
特に、無症候性脳梗塞は、小さなラクナ梗塞であることも多いです。
症状が特に現れないことも多いため、放置してしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、無症候性脳梗塞の場合、すぐに症状が現れることは少ないですが、数年後には心血管系の原因による死亡リスクが高くなります。
また、何回もラクナ梗塞を起こしている方は、認知機能低下や認知症を発症するリスクも高くなることが知られています。

そのため、ラクナ梗塞が発見された場合には、無症状であっても抗血栓薬の服用が開始されることが勧められています。

加えて、健康的な食事をとること、定期的な運動、禁煙や節酒なども大切です。
こうした習慣を身につけることで、脳卒中のリスクを下げることができます。
高血圧や脂質異常症、糖尿病などの持病がある方は、かかりつけ医による定期的なフォローアップや治療の継続が重要です。

まとめ

ラクナ梗塞は、症状が軽く見えても、認知機能や感情面に重大な影響を及ぼすことがある、脳の深部の小さな梗塞です。
脳梗塞を含む脳卒中の後遺症には、手足の麻痺や、認知機能障害といったものがみられます。
最近では、ラクナ梗塞に対する後遺症に対し、より早期からのアプローチが重要視されるようにもなってきました。
後遺症の症状を緩和するためには、リハビリテーションが欠かせないものとなります。
リハビリテーションの効果を高めるため、再生医療を組み合わせる治療が開発されてきました。
そこで、当院ニューロテックメディカルでは『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
さらに、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療®にて『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』です。
また、その治療効果を高めるために骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリ®の併用をお勧めしています。
ご興味のある方は、ぜひ一度当院の公式HPをご覧ください。

よくあるご質問

ラクナ梗塞の後遺症は?
ラクナ梗塞は無症状で経過することもありますが、複数回起こると認知機能の低下や感情面の変化、注意力の低下などがみられることがあります。
見た目に分かりづらい“気づかれにくい後遺症”が出ることも特徴です。

ラクナ梗塞は再発しやすいですか?
はい。
ラクナ梗塞は再発のリスクが比較的高く、特に高血圧や糖尿病、喫煙などの生活習慣病がある方では再発率が上がります。
予防のためには、薬物療法に加え、日々の生活習慣の見直しが重要です。

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