<この記事を読んでわかること>
脳卒中予防ができる食材がわかる
脳卒中予防ができる食材の適切な摂取方法がわかる
全粒穀物のメリットがわかる
脳卒中は多くの場合、動脈硬化が原因となるため、日々の食生活に注意することで動脈硬化の進展を予防することが肝要です。
特に、オメガ3脂肪酸やビタミンC・Eなどの成分には動脈硬化を予防する効果が期待でき、食事から定期的に摂取することが重要です。
そこでこの記事では、脳卒中後の回復をサポートする食材について紹介します。
オメガ3脂肪酸が豊富な青魚の効果と摂取方法
脳卒中の主な原因は動脈硬化であり、動脈硬化の原因は血液中を流れるLDLコレステロールが血管内皮の傷口から血管壁内に侵入してしまうためです。
血管壁内に侵入したLDLコレステロールは、その後血管壁内でプラークと呼ばれるコブを形成し、血管壁内に突出することで血管内腔を狭小化させます。
さらに、このプラークがなんらかのきっかけで破綻すると、一気に血栓が形成されて脳梗塞を引き起こします。
そこで、血管内皮の安定化や形成されたプラークの安定化効果をもつEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は脳卒中の発症予防に有用です。
EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は特に下記のような食材に豊富です。
- サバ
- イワシ
- サンマ
- イクラ
- タラコ
これらの食材にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、適切量の摂取によって心血管系イベントの予防や、脳血管障害の発症予防効果が期待できます。
一方で、オメガ3脂肪酸の過剰摂取は肥満や心房細動の発症リスクを増大させることが知られており、適切量の摂取を心がけることが重要です。
オメガ3脂肪酸の適切な摂取量は規定されていませんが、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」において、n-3系脂肪酸(EPAやDHA以外に、α-リノレン酸なども含む)の目安量を設定しています。
それによれば、n-3系脂肪酸の1日の摂取目安量は成人男性で2.0〜2.6g、成人女性で1.5〜2.0g程度です。
例えば、サバやイワシには可食部位100gあたり約2gのオメガ3脂肪酸が含まれており、他の食材からの摂取量も考えれば、週に2回ほどの摂取が良いでしょう。
また、アマニ油、えごま油、くるみなどに豊富な植物由来のオメガ3脂肪酸も一緒に摂取することでより高い効果が得られるため、一緒に摂取してみると良いでしょう。
抗酸化作用のある果物とその摂取のポイント
脳卒中の発症予防には抗酸化作用のある食材の摂取もおすすめです。
動脈硬化の原因であるLDLは、血管壁内に侵入する際、酸化されて取り込まれるため、抗酸化作用によって酸化LDLの産生を予防すれば、動脈硬化も予防できます。
そこで、抗酸化作用のある食材として下記のような食材がおすすめです。
- 緑黄色野菜:ほうれん草・ブロッコリー・トマト
- 果実:レモン・イチゴ・アボガド
- ナッツ類:アーモンド・カシューナッツ
- その他:チョコレート・赤ワイン
ビタミンC・Eやポリフェノール、βカロテンなどの成分は抗酸化作用をもち、上記食材には各種成分が豊富です。
一方で、トマトジュースには塩分が、ナッツ類やチョコレートには脂質も豊富であるため、過剰摂取は控え、バランスよく野菜や果実とともに摂取することを勧めます。
食物繊維が豊富な全粒穀物の選び方と調理法
全粒穀物には食物繊維や各種ビタミン・ミネラルが豊富で、糖尿病をはじめとするさまざまな疾患の発症予防効果があると言われています。
全粒穀物は、本来、精白するときに除去される外皮をそのまま含んでおり、外皮には豊富に食物繊維が含まれるため、全粒穀物の摂取によってさまざまな健康効果が得られるのです。
米であれば玄米や雑穀米、パンであれば全粒粉やライ麦パン、蕎麦であれば10割蕎麦などがおすすめです。
調理法に特に決まりはありませんが、3食継続して摂取できるよう、自身の好みに合った調理法や摂取法を選択しましょう。
まとめ
今回の記事では、脳出血や脳梗塞の回復をサポートする食材について詳しく解説しました。
脳卒中の再発予防には動脈硬化の予防が重要であり、そのためには抗酸化作用のある食材やオメガ3脂肪酸の適量摂取が重要です。
脳卒中は一度発症すると再発しやすく、再発すればさらに重篤な後遺症を残す可能性が高いため、再発予防のためにも日々の食事内容には十分注意しましょう。
一方で、近年では脳卒中の後遺症に対する新たな治療法として、再生医療が非常に注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善困難であった脳卒中に伴う神経学的後遺症の改善が期待できます。
よくあるご質問
- 脳卒中後の回復をサポートする食材5選
- 脳卒中後の回復をサポートする食材5選として、サバやイワシなどの青魚類・アマニ油・ナッツ類・緑黄色野菜・海藻類などが挙げられます。
これらの食材には豊富なビタミン・オメガ3脂肪酸が含まれており、動脈硬化の進展を予防する効果が期待できます。 - 脳に一番良い食べ物は何ですか?
- 脳に一番良い食べ物は、サバやナッツ類があげられます。
これらの食材には動脈硬化の進展を予防する効果をもつオメガ3脂肪酸が豊富で、定期的に摂取することで脳卒中を予防できる可能性があります。
(1)ω3系不飽和脂肪酸製剤による 心血管二次予防のエビデンス|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/2/106_226/_pdf
(2)脂質|日本人の食事摂取基準(2025年版):https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316463.pdf
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脳卒中予防には生活習慣の改善が不可欠です。特にベリー類の抗酸化作用や緑黄色野菜のビタミン、ミネラルの摂取が重要です。地中海式食事法やDASH食事法、植物性食事法などの食事療法を実践することで、脳卒中のリスクを低減し、脳の健康を保つことができます。科学的根拠に基づいた食事療法で、健康な未来を目指しましょう。

脳血栓とは、脳の動脈に血栓ができて、血流が途絶えることで、脳梗塞を起こす疾患です。動脈硬化が進行すると、血管壁が損傷したり、血管が細くなって血流が悪くなったりすることで血栓ができやすくなります。主な原因は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病です。
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