幹細胞治療による再生医療×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

リハビリ

 感覚障害のリハビリ徹底解説

脳梗塞に起因する感覚障害は、適切なリハビリを通じて回復の道を歩むことが可能です。
運動障害と併発して感覚障害が発生している場合には、通常は両方を対象としたリハビリが実施されます。
リハビリの効果は、年齢や障害の重度によって変動しますが、早い段階からのリハビリの介入での改善が期待されます。
また、当院では、先進的なアプローチとして、再生医療を用いた「神経再生リハビリ®」と呼ばれる新たな療法も導入しております。当WEBサイトでの治療メニューもご参考にしてください。

感覚とは?

感覚は、私たちが外界からの変化や刺激を感じ取るための重要な機能です。
その役割を果たすのが「感覚受容器」で、この受容器が刺激をキャッチします。
キャッチした情報は、神経伝達の経路を通して脳へと伝えられます。そして、実際に「感じる」のは脳内の感覚中枢です。
私たちの日常生活の中で、感覚は動きや活動に必要不可欠です。そのため、感覚の刺激が減ると、認知症の進行リスクが高まることが明らかになっています。
だからこそ、日常の中で感覚のトレーニングやリハビリを意識して取り入れることが大切です。


感覚受容器とは?

感覚受容器は、触れたり、温かさを感じたりする外部からの刺激をキャッチして、それを身体の中で伝えられるシグナルに変える細胞です。
私たちが普段「五感」として認識しているもの(見る、聞く、味を感じる、匂いを嗅ぐ、触る)のほかにも、さまざまな感覚をキャッチする特別な細胞が働いています。


感覚の種類にはどんなものがある?

体性感覚は、大きく分けて表在感覚と深部感覚があり、身体のさまざまな部位から感じる感覚のことを指します。具体的には以下のような種類があります。
特殊感覚は、私たちが外界と繋がる独特な感覚を指します。
一方、内蔵感覚は、体の内部からの情報を感知する感覚です。おなかがすいたり、のどが乾いたりするときの感覚や、内臓の痛みを知覚する感覚がこれに該当します。すべて、私たちの生活に欠かせない大切な感覚です。

表在感覚

触覚:物に触れたときの感覚。
圧覚:何かに押されるときの感じる感覚。
温冷覚:身体が温かいものや冷たいものを感じ取る感覚。
表在痛覚:皮膚の表面などが傷ついたときの痛みの感覚。


深部感覚

振動覚:身体が振動をキャッチする感覚。
関節覚:手や足の位置や動かす方向を知覚する感覚。(具体的には、位置覚:身体の部分がどこにあるのかを感じる能力、運動覚:身体の動く方向を感じる能力)。
深部痛覚:筋肉や骨の内部などの深い部分が傷ついたときの痛みの感覚。


特殊感覚

視覚:光や風景を見る感覚。
聴覚:音を感じる感覚。
前庭覚:動きやバランス、頭の傾きや回転を知覚する感覚。
嗅覚:鼻で香りや臭いを嗅ぐ感覚。
味覚:舌で食べ物や飲み物の味を味わう感覚。


内臓感覚

内臓感覚:おなかがすいたり、のどが乾いたりすると感じる感覚。
内臓痛覚:体の内部、特に内臓が痛むときの感覚。

脳梗塞による感覚障害の場合

例えば脳梗塞による感覚障害は、日常の細かい動作や持ち物への力加減を難しくします。
触覚や圧覚がうまく機能しないと、手に持ったものの力の加減がつかめず、物を落としたり、逆に強く握りしめ過ぎたりしてしまうことがあります。
片麻痺の症状が出ている人の中には、物をしっかりと掴むことはもちろん、力を抜くことさえ難しいと感じる方もいます。
この結果、大きな筋肉がこわばってしまい、細やかな動きが得意な小さな筋肉の動きも制限され、手の動きが不自由になります。
手がこわばると、その感じが増幅し、触覚や圧覚に意識を向けることが難しくなる。このような状況が続くと、手の動きに対する不安や困難がさらに増してしまうことがあります。


感覚障害のリハビリの考え方

手がこわばってしまうと、触覚や圧覚への感受性が低下し、感じることが困難になります。
この問題が持続すると、日常の手の動作に関しての懸念が増加してしまいます。そのために以下のような考え方が大切です。

・こわばりを和らげ、リラックスさせる方法の検討と実践
・材質や重さ、固さなど、物の特性を再度認識する練習
・物を適切に取り扱う技術の習得、例えば適切な力の使い方や物の特性を理解すること

それぞれ簡単なことではありませんが、ゆっくり実践してください。


感覚の統合のリハビリ

感覚の統合、特に視覚との連携を通じて、私たちは目標物の「重さ」「材質」「硬さ」などの特性を触れる前に予測しています。
このような事前の予測をもとに、無意識のうちにその物を適切に扱う行動の計画を立てます。
一例として、外見からは固そうなモノが実際に触ってみると意外と柔らかいことがあります。
このプロセスは、他の感覚も利用して事前の予想→実際の触感での確認→目的達成のための行動というステップで進行します。
ですから、単に感覚への取り組みだけでなく、行動を開始する前に、目標物の特性やどのように動作すべきかを意識的に確認することも、非常に重要です。


感覚障害リハビリの徹底解説まとめ

私たちが普段、外界からの情報や刺激を受け取るとき、それは「感覚」「知覚」「認知」という三段階のフィルタを経て私たちの意識に伝わります。

この各ステップは、情報をより具体的かつ詳細に捉える役割を持っています。
例を挙げると、「ある日の朝、窓を開けると冷たい風と共に何かが舞い落ちる様子が目に入る」シチュエーションを考えてみましょう。
「感覚」→目の前に動く物体や冷たさを直接体感する。
「知覚」→その動く物体が白く輝き、冷たい風と一緒に舞い降りてくることに気付く。
「認知」→これは雪が降っているという現象を理解します。

このように感覚は私たちの人生の彩りを与えています。
かつては、損傷した脳が回復するという考えは一般的ではありませんでしたが、現代医学の進展により、脳の再生能力が注目されています。 
再生医療を用いた「神経再生リハビリ®」と呼ばれる新たな療法も導入しております。当WEBサイトでの治療メニューもご参考にしてください。

脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、患者様の自己治癒力を最大限活用するためのサポートを行っております。 ご相談ください。

Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

脳卒中や脊髄損傷の後遺症を抱える患者様へ。リハビリテーション専門医として神経再生リハビリ®に力を入れています。SNSでも情報や症例を積極的に発信中です。ぜひご覧ください。

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