<この記事を読んでわかること>
視神経炎が引き起こす目の奥の痛みとその特徴
片頭痛による目の奥の痛みと脳梗塞との違い
目の奥の痛みを伴うその他の神経疾患とその症状
目の奥の痛みはさまざまな神経疾患と関連しています。
例えば、片頭痛や群発頭痛では、血管の拡張や三叉神経の刺激が関与し、強い痛みを起こします。
視神経炎は視神経の炎症によって発症し、多発性硬化症の一症状としても知られています。
また、動脈解離や髄膜炎などの重篤な疾患が原因となることもあります。
視神経炎が引き起こす目の奥の痛みとその特徴
この記事では、視神経炎が引き起こす目の奥の痛みとその特徴について解説します。
視神経炎が引き起こす目の奥の痛みは、視神経の炎症によるものであり、視力低下や視野異常を伴うことが特徴です。
炎症によって視神経の周囲に浮腫や脱髄が生じることで、痛みが起こります。
この痛みは目を動かした際に強くなることが多く、急激な視力低下が伴う場合は視神経炎の可能性が高まります。
視神経炎の原因には自己免疫疾患が関与することが多く、多発性硬化症や視神経脊髄炎などの疾患に関連して発症することがあります。
その他、ウイルス感染や特定の薬剤が要因となる場合もあります。
視力低下の程度は個人差があり、軽度のぼやけから完全な視力喪失までさまざまですが、通常は片眼に発症し、数日以内に進行することが多いです。
視神経炎では、対光反射の低下や視野の中心暗点がみられることがあり、眼底検査では視神経乳頭の発赤や腫脹が確認されることもあります。
治療はステロイド療法が主体となります。
視神経炎が疑われる場合は早急に眼科や神経内科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
片頭痛による目の奥の痛みと脳梗塞との違い
この記事では、片頭痛による目の奥の痛みと脳梗塞との違いについて解説します。
片頭痛による目の奥の痛みと脳梗塞の症状には違いがあります。
片頭痛は血管の拡張や三叉神経の過敏な反応によって生じ、発作的な頭痛を起こします。
目の奥の痛みを伴い、片側性でズキズキとした拍動性の痛みが特徴です。
発作は数時間から数日続き、吐き気や光・音に対する過敏症を伴うこともあります。
片頭痛の前兆として閃輝暗点や視覚異常が現れることがありますが、これは一時的なもので、時間が経過すると消失します。
一方、脳梗塞は脳の血流が遮断されることにより発症する疾患です。
頭痛を伴う場合もありますが、片麻痺、言語障害、視野欠損、めまいなどの症状が現れるのが一般的です。
脳梗塞による頭痛は非拍動性であることが多く、片頭痛とは異なり、痛みそのものが主症状となることは少ないです。
片頭痛と脳梗塞は異なる病態ですが、慢性的な片頭痛がある人は血管障害のリスクが高まる可能性があるため、普段と異なる頭痛が出現した場合は早急に医療機関を受診することが重要です。
目の奥の痛みを伴うその他の神経疾患とその症状
この記事では目の奥の痛みを伴うその他の神経疾患とその症状について解説します。
目の奥の痛みを伴う神経疾患には、視神経炎や片頭痛のほかにもさまざまな疾患があります。
三叉神経痛がその一例で、顔の特定の領域に激しい電撃様の痛みを引き起こし、眼窩周囲にも痛みが広がることがあります。
この疾患は、短時間の発作的な痛みが特徴で、食事、会話、洗顔などの刺激によって誘発されることが多いです。
また、群発頭痛も目の奥に強い痛みを起こす疾患であり、片側に集中して激痛が生じることが多いです。
この痛みは数十分から数時間続き、涙目や鼻詰まりなどの自律神経症状を伴うことが特徴です。
さらに、動眼神経麻痺が原因となることもあり、この場合、目の奥の痛みとともに眼球運動障害や瞳孔の異常が見られることが多いです。
加えて、髄膜炎や脳炎などの中枢神経系の感染症も目の奥の痛みを起こすことがあり、発熱、意識障害、項部硬直などの症状を伴うことが特徴です。
視神経脊髄炎では視神経炎とともに脊髄症状が現れ、両眼性の視力障害が進行することが多いです。
まとめ
今回の記事では、目の奥の痛みと関連する神経疾患とは?について解説しました。
目の奥の痛みを伴う神経疾患には視神経炎、三叉神経痛、群発頭痛などがあり、視神経の損傷や炎症が関与しています。
視覚障害が伴うので日常生活に支障が生じます。
損傷された視神経が再生すると、症状は軽減しますが、現在の治療ではなかなか難しいのが現状です。
そのため、再生治療が注目されています。
ニューロテック®は、「神経障害は治るを当たり前にする」ことを目的とした取り組みです。
その代表的な治療法であるリニューロ®は、「狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療」を提供します。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®により、神経回路の再構築を促進します。
さらに、骨髄由来間葉系幹細胞を用いることで、神経修復の可能性を高めます。
また、神経再生リハビリ®を併用することで、神経回路の強化をサポートします。
脳梗塞脊髄損傷クリニックなどでは、リニューロ®を提供し、神経障害の改善を目指しています。
これらの治療法は、視神経が障害された神経疾患に苦しむ患者さんに対して期待が持てる治療となるでしょう。
よくあるご質問
- 目の奥の痛みと関連する神経疾患の理解
- 目の奥の痛みと関連する神経疾患を理解するには、その原因や病態を知ることが重要です。
たとえば、最も一般的な疾患である片頭痛や群発頭痛では、血管の拡張や三叉神経の刺激により強い痛みを引き起こします。
その他、原因疾患として、視神経炎、三叉神経痛、、動脈解離、髄膜炎などの疾患も考えられます。 - 目の奥が痛いのは視神経炎ですか?
- 必ずしも視神経炎とは限りません。
視神経炎は視神経の炎症によって発症し、視力低下や視野欠損を伴うことが特徴です。
しかし、片頭痛や群発頭痛でも目の奥に痛みを感じることがあります。
さらに、三叉神経痛、眼精疲労、副鼻腔炎などが原因となる場合もあります。
(1)視神経炎|MSDマニュアルプロフェッショナル版:https://www.msdmanuals.com/
(2)片頭痛|MSDマニュアル家庭版:https://www.msdmanuals.com/
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