脳梗塞の後遺症の治療に
ついて知りたい。
どんなリハビリや治療があるの?
突然脳梗塞(脳卒中)に襲われ、その後遺症が一生にわたって影響を及ぼすのか、または改善の余地があるのかという疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
現代の医療技術によって、脳卒中による機能障害を完全に解消することは困難であると言わざるを得ませんが、それは治療の可能性が皆無であることを意味するわけではありません。
当クリニックが提供する「同時リハビリ×再生医療™️」の治療法は、障害が劇的に回復する魔法のようなものではありません。しかし、治療を開始することで、その時点からの患者様の自己治癒力を高め、可能性を引き出す治療です。
当院では、脳梗塞の後遺症に苦しむ患者様へ発症後の状況に応じた「同時リハビリ×再生医療™️」を提供しています。これらの治療を通じて、後遺症の症状軽減や再発防止を目指しております。
脳卒中はいくつかのタイプがあり、
その一つが脳梗塞です。
言葉としては、脳卒中(のうそっちゅう)、脳梗塞(のうこうそく)、脳出血(のうしゅっけつ)などは聞いたことがあるかと思います。これらすべてが脳血管疾患を表す言葉となります。しかしながら、これらの違いを明確に理解されている方の方が少ないのではないでしょうか。まずは、これらの言葉が具体的に何を示すのかについて解説いたします。
脳卒中の語源は、卒然として(急に)邪風に中るということ(急に襲ってくる病状)を意味し、脳の機能が冒される病気の総称として用いられます。
脳梗塞とは
脳梗塞(のうこうそく)は、何らかの原因で脳の血管が閉塞し、酸素や栄養素が脳細胞へ供給できなくなり、脳細胞が壊死する疾患です。一度壊死してしまった脳細胞は、残念ながら元の状態には戻りません。
脳卒中のなかでも脳梗塞は、最も患者数が多い状況にあり、寝たきりになる主な原因ともなっています。
毎年約20万人が新たに脳梗塞を発症しており、国内の脳卒中の患者数は約112万人(2017年、厚生労働省調べ)に上ります。さらに、脳梗塞などの脳卒中は再発リスクが高い疾患として知られています。脳卒中になった人のうち、4人に1人が再び脳卒中を経験するというデータがあります。
リハビリの下地を作る再生医療
近年の医療進歩により、血栓溶解療法や血栓回収療法などの急性期治療の可能性が広がり、脳梗塞を発症した直後に適切な治療を受けることで、重度の脳梗塞でも、無事に退院するケースが増加しています。それでも、統計によると、発症した方の約70%は何らかの後遺症を引きずると言われています。
厚生労働省の調べによれば、脳梗塞からの職場復帰率は50%から60%に留まります。
脳梗塞の後遺症を緩和するには、リハビリテーションが不可欠で、特に発症後3ヵ月以内の急性期は、リハビリテーションの効果が顕著となります。
しかし、人の回復力は年齢と共に衰えます。そこで必要となるのが、リハビリを超えたアプローチです。自己治癒力を最大限に引き出すために、当院は再生医療に注力しています。当院の提供する再生医療は、患者様の回復力を高めるための基盤作りを目指します。
脳梗塞後遺症の治療
脳梗塞の治療は、速やかな開始と神経障害の抑制に焦点を置いていますが、後遺症に苦しむ患者様は後を絶ちません。そこで、注目が集まっているのが再生医療です。その中でも間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)を用いた再生医療が利用され始めています。これらは骨や血管、筋肉などに分化するだけでなく、神経細胞や臓器などの細胞にも分化するとされています。当院では、特に神経に分化能力の高い、骨髄由来幹細胞を使用します。
患者様ご自身の骨髄から幹細胞を採取し、それを専門施設にて培養し、治療を行います。具体的な流れとしては、「採血(感染症検査)→骨髄液の採取→幹細胞の培養→幹細胞の投与」のステップを踏みます。
この培養された骨髄由来の幹細胞は、点滴を通じて体内に戻されます。これらの幹細胞は脳梗塞によって損傷を受けた神経細胞や血管の再生を刺激し、それによって症状の改善を目指します。
骨髄間葉系幹細胞による
脳梗塞の再生医療
骨髄間葉系幹細胞は、骨髄の中にある幹細胞のことで、骨髄穿刺(骨に針を刺す)ことで採取することができます。骨髄は、骨の中にあるゼリー状の柔らかい組織です。
骨髄穿刺(こつずいせんし)は、従来から広く行われている手技であるため、安全な方法が確立されています。
骨髄液中から取った間葉系幹細胞は、他の部分(脂肪など)から採取された間葉系幹細胞よりも神経再生能力が高い細胞です。
そのため、骨髄由来間葉系幹細胞を利用した治療は、脳梗塞で脳の神経細胞の損傷を受けた方への神経再生に最も効果が期待できます。また、ご自身の細胞を用いることができるため、拒否反応の心配がありません。
骨髄由来幹細胞点滴
当院で行っている骨髄由来の間葉系幹細胞を用いた治療は、再生医療です。
再生医療は「自分自身を治そうとする力(自己治癒力)」を最大限に引き出す方法です。
加えて、神経再生リハビリ®を同時に行うことで、相乗効果を期待することができます。
また、再生医療は、傷ついた血管を修復し、血管を新生させ血流を維持する効果があるため、脳卒中の再発を予防する方法としても期待できると考えられます。
上清液サイトカインカクテル(点鼻)
幹細胞を培養する際に生じる培養上清液には、幹細胞から放出されるサイトカイン(神経保護因子、成長因子、血管新生因子など)が多数含まれます。この培養液には、通常の成人の数十倍から数百倍にのぼるサイトカインが含まれていることが分かっています。
このサイトカインを多く含む培養液をサイトカインカクテル(幹細胞培養上清液)と呼びます。
当クリニックでは臍帯由来の上清液を使用します。
臍帯由来の培養上清液は、乳歯や脂肪等由来の培養上清液と比較しても、神経や血管を再生·修復させるためのサイトカイン量が圧倒的に高いことが特長です。
神経再生リハビリ®効果が
高まるメカニズム
当院独自の「同時リハビリ×再生医療™」で使用される、自己骨髄由来の幹細胞点滴を開始すると、血液中の幹細胞の濃度が急速に高まります。
この点滴中の血液中の幹細胞濃度が高まっている状態を利用して、集中的にリハビリを行うと神経損傷部への幹細胞の集積を促進します。
リハビリは施術者が動かすだけではなく、患者自身が意識的に訓練すべき神経回路や動作を反復して行うことが重要です。これにより、必要な神経回路の再構築と動作能力の獲得を目指します。
加えて、サイトカインカクテル(点鼻)を用いることで、さらに機能回復を促進します。サイトカインカクテルは幹細胞を培養した際の上澄み液(上清液)です。これはご自身の細胞を採取する必要がありません。
これらの同時リハビリ×再生医療™によって、神経再生リハビリ®効果を高めることが期待されます。
脳梗塞の
「同時リハビリ×再生医療™」治療プラン
当院は再生医療の成果をより引き出すため、リハビリに重きを置いています。
幹細胞点滴やサイトカインカクテル(点鼻)が体内に投与されたとき、身体の治癒能力が高まると考えています。そこで、そのタイミングでリハビリを進めるのです。リハビリを行うことで、損傷部の周囲の血流が約30%上昇することが分かっています。
当院のリハビリテーションは神経障害に特化しており、電気刺激やロボット技術を駆使した最新の手法を用いています。また、患者様の自宅でも訓練を継続できるよう、個々に合わせたカスタムメイドのリハビリプランをセラピスト(作業療法士や理学療法士など)が指導します。
お問い合わせ~治療開始の流れ
お問い合わせから治療開始まで、約2ヶ月の期間がかかります。
治療開始~フォローアップ検診の流れ
治療開始から検診まで、約3ヶ月の期間がかかります。
脳梗塞(脳卒中)の再生医療に関わるリスクと副作用
副作用 | 当院で行う骨髄穿刺、幹細胞の点滴投与は安全性が高い方法ですが、次のようなリスク、副作用の可能性があります。 当院ではリスク低減のため最大限の努力をしており、現在のところ重篤な副作用が発生した事例はありません。 ただし診察や検査の結果、治療に伴うリスクが高いと判断される場合には、治療を受けることができないことがありますので、あらかじめご了承ください。 |
骨髄穿刺(骨髄液採取) | ・局所麻酔に対するアレルギー ・穿刺部の出血、皮下血腫 ・穿刺部の不快感 ・穿刺部からの感染症 |
幹細胞点滴投与 | ・アレルギー ・肺血栓塞栓症 ・点滴刺入部からの感染症 ・点滴刺入部の発赤 |
料金について
当院では、すべての治療が自由診療として提供されています。
それぞれの治療に対する具体的な料金情報は、当院の料金ページですべて掲示しています。
治療を希望する方は、初診(カウンセリング)を受けていただいた後、同意するための書類を提出していただきます。
この時点で治療費用が確定し、その後、感染症検査を受けていただきまして、次の訪問時に骨髄の採取(骨髄穿刺)が行われます。治療費用については、骨髄穿刺を受ける予定日までにお支払いいただきます。
診察料金
内容 | 回数 | 治療費 |
---|---|---|
専門カウンセラーによるカウンセリング | 1回 | 無料 |
医師による診察(オンライン可)カウンセリング | 1回(約1時間) | ¥11,000(税込) |
血液検査(感染症検査) | 1回のみ | ¥11,000(税込) |
骨髄由来の幹細胞点滴
内容 | 回数 | 治療費 |
---|---|---|
骨髄穿刺(骨髄採取) | 1回 | 費用に含まれます |
幹細胞の培養 | 専門施設での幹細胞培養 | |
骨髄幹細胞投与(点滴) | プランにより1回または3回 | |
検診 | 6ヶ月後 | |
安全性検査 | 1. 細胞数のチェック 2. 細胞形態のチェック 3. 細胞生存率のチェック 4. 無菌試験 エンドトキシン試験 5. マイコプラズマ否定試験 |
|
処方薬 | 適宜 | |
幹細胞点滴 | 1回 | 1,650,000円(税込) |
2回 | 2,750,000円(税込) | |
3回 | 3,850,000円(税込) | |
※名古屋院のみ幹細胞点滴の価格 | 各回とも上記価格にプラス | +550,000(税込) |
臍帯由来 幹細胞上清液療法 | オプション 1本(1cc) | 22,000円(税込) |
臍帯由来 幹細胞上清液
内容 | 回数 | 治療費 |
---|---|---|
点鼻投与療法(臍帯血由来) | 2週間コース:14本/1本あたり1cc | 246,400(税込) |
1ヶ月コース:30本/1本あたり1cc | 462,000円(税込) | |
3ヶ月コース:90本/1本あたり1cc | 1,188,000(税込) |
お支払い方法(国内在住の日本人の方)
現金支払い
治療費用は、骨髄穿刺の当日までに当院の受付にて現金でお支払いください。
その際に領収書を発行いたします。
振込支払い
骨髄穿刺の当日までに、お知らせした指定の口座にお支払いください。
ご入金確認後、領収書を発行いたします。
(振込手数料は患者様ご負担となります)。
Q&A
なぜ骨髄由来の間葉系幹細胞を使うのですか?
骨髄由来間葉系幹細胞は脳卒中や脊髄損傷において、神経再生医療への臨床効果の報告が一番豊富であり、神経再生能も高い幹細胞だからです。
・研究の歴史が古く、神経再生医療への人における臨床効果の研究報告の実績が多い
・神経再生能力が高い
・神経細胞へ分化する
・脳梗塞(脳卒中)の後遺症治療効果が期待できる
損傷した神経は回復することはありますか?
中枢神経が損傷した場合、重度で再生能力も限られているため、完全な回復は困難とされています。しかしながら、再生医療の進歩により、幹細胞を用いた治療法など新たな治療手段が開発されています。その結果、中枢神経損傷の治療に対する見通しはより明るいものとなっています。