点滴×同時刺激リハビリで神経障害の後遺症を改善へ

脳卒中

 小脳梗塞リハビリ情報

<この記事を読んでわかること>
頚椎症性脊髄症とは
頚椎症性脊髄症リハビリの可能性
日常生活での頚椎症性脊髄症の注意点

脳梗塞は脳の血管が詰まり、細胞が死んでしまう病気です。
小脳という部分でこの現象が起きると、小脳梗塞と言われ、脳梗塞とは少し違った症状を引き起こします。
小脳は私たちの身体の筋肉、特に手足や眼球、口などを協調して動かす役割を持っており、体のバランスを調整する働きも果たしています。
そのため、小脳梗塞を患うと、これらの動きの調整が難しくなります。

小脳梗塞の原因

小脳梗塞は小脳出血の4倍の頻度で発症し、脳梗塞全体の中で4%を占めています。

小脳梗塞も、一般的な脳梗塞と同様、主な原因は血栓症で、高血圧や糖尿病、脂質の異常といった要因から引き起こされます。

また、塞栓症での発症もあります。
特に、生まれながらにして細い左右の椎骨動脈の方は(首付近に左右2本存在する)梗塞のリスクが高いとされています。

さらに、外傷を受けた場合も血管が閉塞するリスクがあるため、若い世代にも見受けられる疾患です。


小脳梗塞の症状

小脳梗塞の症状

小脳梗塞の症状として、回転性めまいや歩行時のふらつきを伴うことが多いとされています。
これに加え、頭痛や嘔吐が現れることもあります。

一部の患者様では、構音障害や意識の変調を経験することがあり、脳幹(中脳、橋、延髄)関連の症状、例えば感覚の異常、複視(モノが2つにみえること)、眼振(眼球がけいれんしたようになる)などが伴うことがあります。


小脳梗塞の診断方法

CT(コンピュータ断層撮影)による検査では梗塞部分を見落とされることがあります。

より正確な診断のためにはMRI(磁気共鳴画像法)の使用が必要となり、特にDWI(拡散強調画像)という手法が推奨されています。
この方法を使用すると、病変部位が初期段階から白く表示されます。


小脳梗塞の治療

小脳梗塞は早期治療が重要

脳梗塞の治療と同様の方法で小脳梗塞も対処されます。

脳梗塞の治療においては、発症からの経過時間が極めて重要です。
小脳梗塞も、通常の脳梗塞と同様の治療手法が取られます。

症状が出た際には、できるだけ早く病院に行くことが望ましいです。

治療が発症から4〜5時間以内に行われる場合、血栓溶解療法という手法が用いられ、詰まった血栓を溶かす薬を静脈経由で投与します。

さらに、カテーテルという細い管を血管内に挿入し、詰まった血栓を取り除く方法も選択されることがあります


小脳梗塞の後遺症について

小脳梗塞の後遺症について

小脳梗塞の経過は多くの場合良好で、症状は速やかに改善し、後遺症を残すことが少ないとされています。

しかし、小脳梗塞が影響を及ぼした体の部分には後遺症が生じることが時々あり、これには手足の動きの制限や、嚥下機能の低下などが含まれます。

このような状態の早期治療とリハビリが、後遺症を軽減する鍵となります。
また、治療を受けた後もリハビリを継続することが、より良い回復を促すためには重要です。


小脳梗塞の後遺症が残った場合

小脳梗塞の後遺症が残った場合

後遺症となった場合、小脳の障害がもたらす影響は、日常生活においても深刻です。

例えば、手足を動かす時、肩や太ももの大きな筋肉が過度に活動し、通常発生しない痛みを引き起こすことがあります。
これが原因で、身体の動きを避けたくなり、活動量が低下します。

その結果、日常生活で長時間座ったり、横になったりして過ごす時間が増えると、廃用症候群(心身の機能低下等)のリスクが高まり、悪循環となってしまいます。

さらに、社会との接触やコミュニケーションの機会が減少することで、認知能力も低下する危険性があります。


小脳梗塞のリハビリ

病院などで運動失調の運動療法として昔から行われているのは「フレンケル体操」などがあります。

フレンケル体操は、スイスの神経外科医、ハインリッヒ・セバスチャン・フレンケル教授によって考案された運動療法の手法です。

フレンケル体操を簡単に説明すると、「身体の動きを目で見ながら(視覚を使いながら)、運動のコントロールを反復して、練習する」そのことにより、脳内の神経回路を活性化し、失調の症状が良くなることを期待する運動です。

その他には、重りや包帯を巻いて運動をするという方法が一般的です。

これは手足からの感覚が強まり過ぎた運動を抑えて、失調を改善させるという方法です。


小脳梗塞リハビリ情報まとめ

小脳梗塞リハビリ情報まとめ

多くの方々は通常、発症してから以前の生活を取り戻す方法を調べるのだと思います。

小脳梗塞の影響は、患者様ごとに異なるため、各症状や障害に応じた適切なリハビリテーションが求められます。

脳梗塞・脊髄損傷クリニックは「神経再生リハビリ®」という最新のアプローチを取り入れています。
これは、再生医療を取り入れながらリハビリテーションを進める方法で、損傷した神経細胞の再生能力、すなわち自己治癒力を刺激することを重点に置いています。

かつては、損傷した脳が回復するという考えは一般的ではありませんでしたが、現代医学の進展により、脳の再生能力が注目されています。

脳梗塞・脊髄損傷クリニックの専門チームでは、患者様の自然な治癒力を最大限活用するためのサポートを行っております。

「神経再生リハビリ®」を通して、私たちと患者様との間に信頼関係を築き、リカバーパートナーとして、回復の過程を共に歩む存在です。

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Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

Dr. 貴宝院 永稔 [Kihouin Nagatoshi]

脳卒中や脊髄損傷の後遺症を抱える患者様へ。リハビリテーション専門医として神経再生リハビリ®に力を入れています。SNSでも情報や症例を積極的に発信中です。ぜひご覧ください。

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