点滴×同時刺激リハビリで後遺症を改善へ

脳卒中

 脳血管性認知症に再生医療は有効か?治療とその効果を解説

<この記事を読んでわかること>

幹細胞治療・サイトカイン療法の仕組みと期待される効果
脳神経細胞の再生は可能?再生医療の研究動向
脳血管性認知症に対する再生医療の症例と課題


血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などにより脳の血流が障害され、記憶力や判断力が低下する疾患です。
治療は、進行抑制や症状緩和のための薬物治療が中心であり、根本治療は難しいのが現状です。
しかしながら、脂肪由来間葉系幹細胞(MSC)や血管血球系幹細胞を用いた再生医療で有効性を示した結果が得られています。

幹細胞治療・サイトカイン療法の仕組みと期待される効果

幹細胞治療・サイトカイン療法の仕組みと期待される効果
この記事では、再幹細胞治療・サイトカイン療法の仕組みと期待される効果について解説します。

幹細胞治療やサイトカイン療法は再生医療として注目されています。
幹細胞治療では、特に脂肪由来や骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)が用いられます。
これらの幹細胞は損傷した脳組織に移動・定着する「ホーミング効果」を有します。
そのため、定着後は、神経細胞や血管内皮細胞への分化、神経保護因子や血管新生因子(BDNFやVEGFなど)の分泌により、神経回路の修復や新たな血流経路の構築を促進します。
結果、認知機能の改善や脳血流の回復が期待されています。
一方、サイトカイン療法は、炎症を抑制し、神経保護に関与する物質であるサイトカインを直接または間接的に作用させる治療法です。
例えば、抗炎症性サイトカインであるIL-10やTGF-βなどは、慢性的な脳内炎症を抑えることで神経細胞の損傷を軽減し、進行の抑制が期待できます。
また、これらのサイトカインは幹細胞が分泌する因子とも重なるため、両者は併用療法としての可能性も秘めています。
これらの再生医療は、難治であった脳血管性認知症への新たな治療戦略として期待が高まっています。

脳神経細胞の再生は可能?再生医療の研究動向

この記事では、脳神経細胞の再生は可能?再生医療の研究動向について解説します。
脳神経細胞の再生はこれまで困難とされてきましたが、近年の再生医療の進展により可能性が見いだされつつあります。
従来、神経細胞は再生が難しく、重度の損傷後は回復が望めないと考えられていました。
しかし、神経幹細胞の存在が確認され、脳内の一部では新生神経細胞が生まれることが明らかとなっています。
現在の再生医療の研究では、主に間葉系幹細胞(MSC)、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)、神経幹細胞を用いた治療法が検討されています。
これらの細胞は移植後に、神経細胞に分化するだけでなく、神経保護因子や抗炎症サイトカインを分泌し、周囲の神経細胞の生存を助ける働きが期待されています。
また、細胞を使わない「細胞外小胞」や「エクソソーム」などの研究も進んでいます。
これらを用いることで、腫瘍形成などのリスクを抑えることが期待されています。
現時点では、脊髄損傷、脳卒中、パーキンソン病などで臨床研究が行われています。
機能改善の報告はありますが、損傷された神経回路の完全再生には至っていないのが現状です。

脳血管性認知症に対する再生医療の症例と課題

脳血管性認知症に対する再生医療の症例と課題
この記事では、脳血管性認知症に対する再生医療の症例と課題について解説します。
脳血管性認知症に対する再生医療は、現在、臨床研究段階にありますが、症例報告も少数ながらあります。
代表的な例として、脂肪由来間葉系幹細胞(MSC)を静脈内投与した高齢患者の症例で、脳血流の改善や軽度の認知機能向上がみられたとの報告があります。

また、骨髄由来幹細胞の投与後に歩行能力の改善や、日常生活動作(ADL)の向上が認められた例もあります。
しかし、期待された効果は一時的なことが多く、継続性や長期予後に関するデータは不足しているのが現状です。
課題としてまず、治療の安全性が挙げられます。
幹細胞治療は腫瘍形成のリスクや免疫反応を引き起こす可能性があり、厳密な管理とフォローが必須です。
また、個人間での効果のばらつきが大きい可能性が高く、最適な細胞投与量、投与時期、投与経路に関する標準化が課題です。
さらに、認知症という複雑な疾患において、血管病変と神経変性の双方に対応するための多面的な治療戦略を考慮する必要があります。

まとめ

今回の記事では、再生医療は脳血管性認知症に有効なのか?について解説しました。
脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などによって脳血流障害を来し、神経組織が障害される疾患です。
結果、記憶や判断力が低下するなどの後遺症が残ることもたびたびあります。
障害された神経組織を蘇させると後遺症は軽減しますが、現在の治療では難しいのが現状です。
そのため、再生医療の必要性は一層高まっています。
再生医療の実際例として、「神経障害は治るを当たり前にする取り組み」を、ニューロテック®と定義しています。
また、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
具体的に、リニューロ®とは、同時刺激×神経再生医療Ⓡにて『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』です。
また、その治療効果を高めるために骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリ®の併用をお勧めしています。
ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックなどでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供し、神経障害の軽減を目指しています。
これらの治療は、これまで機能回復が望めなかった疾患を有する患者さんに期待が持てる治療となるでしょう。

よくあるご質問

脳血管性認知症の症状と特徴は?
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの血管障害により発症します。
記憶障害よりも判断力や注意力の低下、感情の不安定さが目立つのが特徴です。
発症は急激なことが多く、階段状に症状が悪化することもあります。
また、脳の損傷部位によっては、言語障害や歩行障害、排泄障害を伴うこともあります。

脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の違いは何ですか?
脳血管性認知症は、脳梗塞や出血などの血管障害が原因で、急激に発症し、判断力や注意力の低下、身体症状が現れることが多いのが特徴です。
一方、アルツハイマー型認知症は、脳内の異常なタンパク質蓄積により徐々に記憶力が低下し、進行が緩やかです。

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