脳出血の後遺症のリハビリ体験談

脳出血の後遺症の
リハビリ体験談

患者様の声 S様(50代)

病歴


脳出血を発症し入院。
退院直後にこの療法を開始。
脳梗塞リハビリセンターの訪問リハビリを週1回行う。

後遺症


屋外は車いす全介助、移乗動作は監視レベル、屋内歩行は短下肢装具をつけて近距離は監視のもと可能。

現在


点滴×同時リハビリを3クール実施、脳梗塞リハビリセンターの訪問施術を週1回の頻度で継続。


  • 1回目

    1回目「点滴×同時リハビリ」の経過

    初回の時に患側(かんそく:麻痺側)の病後の身体の動かし方や、運動学習を中心に実施し、装具なし、上肢支持なしでの立ち上がりが監視レベルで可能となった。
    足関節の筋緊張が取れ、可動域が広がった。
    また麻痺側の肩関節、肘関節、股関節、膝関節が部分的に動かせるようになった。
    ご本人も立ち上がりの軽さから、強く改善の実感を認め、点滴とリハビリの組み合わせの良さを理解していただけた。

    1回目「点滴×同時リハビリ」の経過のイメージ画像

  • 2回目

    2回目「点滴×同時リハビリ」の経過

    2回目「点滴×同時リハビリ」の経過のイメージ画像

    2回目のリハビリの時点で足底にしっかりと体重をかけることができるようになり、装具なしでT字杖歩行が5m程度可能になった。
    また肩関節、肘関節の病後の力の抜けた状態を認識できるようになって、胸部から腹部まで手を下ろすことが可能になった。
    それらの実感から、装具なしで歩けることを喜ばれていた。


  • 3回目

    3回目「点滴×同時リハビリ」の経過

    3回目のリハビリの時点では、肩関節、肘関節、股関節、ひざ関節の運動の認識はさらに進んで、随意運動(自ら動かす)が2回目よりも改善し、足関節の随意運動も認められるようになった。
    装具なしの立ち姿勢で骨盤の動かし方がわかるようになり、立ち上がりや歩行で応用的に利用できるようになった。
    さらにT字杖歩行の際のバランスが安定した。
    ご本人は患側の下肢への体重のかけ方がわかるようになり、体が軽くなったとお話された。
    この頃には、病院の訪問理学療法士との歩行練習で装具を外した状態で自宅内を監視レベルで可能となった。

    3回目「点滴×同時リハビリ」の経過のイメージ画像

担当医師より

一旦病気で障害を持たれると、それを直すためにリハビリが必要になりますが、自己治癒力(自分を直す力)は年齢と共に急激に弱くなってしまいます。
それゆえに、自己治癒力をできるだけ高め、リハビリを行う前の下地作りをしてあげられるこの新しい療法には、重要な意味があると考えられます。
これまで、この療法だけで麻痺や半身不随などの障害が劇的に回復するという症例はありませんが、今回のS様の体験を通して、リハビリ効果を高める一つの選択肢として、多くの方にも知っていただきたいと考えています。

担当理学療法士より

1回目の点滴療法で、麻痺側の肩関節の運動が顕著に改善しておられました。
寝た状態でバンザイができるようになったのがご本人でも自覚なさった大きな変化です。
その後、2回目、3回目で肘関節の運動覚にも改善がみられました。

ご本人も認識されていましたが、手関節の背屈など評価での数字には反映されない小さな変化も数々見られます。
また受診前は全くわからなかった指の感覚が、集中すればわかるようになってきています。
3回の点滴を通じて、上肢の機能改善が促進されたと感じます。
日常生活で使用していくことで改善がさらに見込めるため、肩と手指の自主課題をご指導させていただきながら、トレーニングを継続していただくことで、さらなる改善を目指していきます。

当院でのリハビリ体験者の声